小枝探し

森の中

「ここにいると思った」

「猫でもあるまいし、いい加減に降りてきたまえ。きみは、こちらの木登り技術を過小評価しているようだが、小柄な方がこういった動作が得意であるのは当たり前だろう。ほら、こうして、この通り。はは、きみは何も喋らない代わりに表情で語るわけだ。鏡があったら見せて差し上げたい」

「気が済んだろう? きみが帰ってこないと、張り切って焼いたポテトパイが無駄になってしまう」

「うん、ありがとう」

「……いいさ、気にしていない。我々は対話ができるのだから、認識はすり合わせていけばよいのだよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る