美羽蒼來Ⅳ
今日は豆腐とわかめ。
....む、味噌汁の味がいつもより薄い。
多分これは出汁が足りない時のパターンだ。
母さんは濃い味の味噌汁が好きだから、薄目にはしない。
ま、健康を考えて、年々味噌の量とか減らしてるから、昔よりか若干味は薄くなってる。
母さんはおおざっぱなところがあるし、一生気づかないと思うけど。
ふと思ったんだけど、この体、料理でひとつまみ、なんて指示されたらきついよね。
前の体と同じ尺度でやったらちょっと変になりそう。
さてこれで、朝ご飯は完成。
次はお弁当。
お弁当はおにぎりが3つとおかず。
おにぎりの中身は、梅干し、明太子、おかかの3種類。
味噌汁用の器に1個ずつ入れて冷ましておく。
おかずは卵焼きにウインナー、唐揚げ、そしてプチトマトとレタスを添えたサラダを作る。
って思ったけど、この体だと、食べれる量減ってるかもね。
今日はもう作っちゃったからなんとか食べ切るけど、
明日から僕の分は減らした方がいいかも。
さて、一通り料理も終わったから、母さんが起きてくるのを待ちながら、顔洗ってよっと。
本来順番逆なんだけどね。
今日は間違えちゃった。
....足音。
母さん起きてきたかな。
小さな足音が僕の響いたあと、リビングのドアがガチャ、って音を立てて開いた。
「母さん、おはよう」
「おはよう蒼來.....私まだ寝ぼけてるのかしら....蒼來がとっても小さく見えるわ....」
「....残念なことに事実だよ」
「..........」
「!?!?」
数秒のラグの後に、母さんの腰が抜けた。
「あ、あなた、蒼來、なの....?」
「ま、そうなるのも無理はないか、僕でもあんまり実感無いし....あ、そうだ母さん。僕に関することでなんか質問してみてよ」
「あ、ええと、名前は?」
「美羽蒼來」
「私の年齢は?」
「今年39歳」
「通ってる学校の正式名は?」
「春坂市立高等学校」
「蒼來の電話番号、住所は?」
「0120-○○-○○○○、○○県春坂市桜宮三丁目7番地」
「即答ぶり的にもあなたは蒼來なのね....普通唐突に投げられた質問をその速度で返せる人いないわよ」
「母さんがしてくるであろう質問を予測したから、唐突ではないかもね」
「今の発言でより信ぴょう性が上がったわねぇ。蒼來、私より私のこと理解してるから」
「家族として、長年一緒に過ごしているんだから、これくらいは余裕だよ」
僕は興味が極端だ。
興味無いものにはとことん興味がないし、
興味あるものに対しては、すみずみまで知ろうとする。
人で言うと、家族や親友が当てはまりやすい。
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