タイトル不明(仮置き場)

トビウオ稚魚流星群

第1話

バーチャルアイドルが誕生して気が付けば10年たとうとしている。

はじめは一人、また一人、ぎこちなくも画面のキャラに命を吹き込む人が増えたいった。

気が付くと様々な動画配信サイトが生まれ大勢が挑戦し、挫折や、身バレ、放送事故など理由は様々だが消えていくものも多かった。

そんな世界にまた一人挑戦をするために産まれてきた。

彼女の名は、物部えと

そんな彼女が生まれて一年が経ち記念の配信をして一週間が経とうとしていたある日のことである。

いつものように彼女は朝活配信として余程のことがなければ早起きをして続けているおはようをしてもらう配信をしようとしていた。

だが、その日に限っては様子がおかしかったのである。

配信部屋にいたはずなのに配信ボタンを押した瞬間に機材が目の前から消えた。

だが目の前にはゲームの画面のようなものが映されている。

地面を見れば無機質な石がある程度綺麗に並んでおり、天井には明かりはあるが不自然なほど周りは明るい。

自分の姿を見ようと服装はと視線を下げ垂れてくる長い髪が紫色、それに服装はどう見てもバーチャルアイドルのモデルとまったく同じ、同じとは言っても、3Dモデルは持ってないし、どう見ても髪がモデルでは再現できないほど髪質一本一本を再現までしている。

とてもきれいなモデルを使っていたがリアルになるとこう表現されるんだろうか?などと考えていたところ、目の前に自分の顔が映されているモニターのようなものが見えた。

別にそこにモニターがあるわけでもないが全体を見るのにカメラが引いていく様子を考えたり、特定の部分をアップにしたいと考えるだけでそれが思い通りに動いてくれた。

あろうことか考えてはいけないことを考えてしまったときにセンシティブと判断され却下されましたと表示されて。ビクッっとしてしまった。

配信画面は基本背後からの姿が表示されているようで、ワイプとして右下に自分の正面からライブ2Dが表示されているとコメントが流れていったのをみた。


コメントとそろそろ会話しようと、ふと気が付いたが自分の確認が精一杯で一切コメントを確認していないので誰がいるかもわからない。

そんな時にコメントがピックアップされスクロールで一番初めのほうに戻る感覚があった。

まずは、謝罪からだなと。

「おはえとー、申し訳ないのですが現状がさっぱりわからなくて現在の状況を説明させていただきます。あと、コメントがすごいので朝活用にとった枠ですが、現状の把握を優先させてもらいます。それで、いつも来ていただいてるえとみんはいますか~?」

返事が返ってきたことによりいつも使っている配信枠であることが把握出来たので、もしここから帰れなくても心配はかけるかもしれないけど伝えることができることは大きいと判断した。

周りを見渡しても何もない。

一体何をするべきなのだろう?

そんなことをふと考えると待っていましたとばかりにヘルプ機能が出てきた。


こちらは不思議なV(バーチャル)ダンジョンとなっています。

現在いる部屋は始まりの空間でつまり自室のようなものです。

今後やれることが増えたり機能を追加したりなど、荷物などを一時保管する場所であります。

数多くの選ばれし勇者がいますが一人に付き一部屋与えられており、干渉はございません。

今後増える機能の予定は様々ございますが、楽しみに待っていてください。


ではダンジョンについてですが

個人の挑戦時間には一日6時間という制限があります。


とここで別にウィンドウが立ち上がったようにヘルプにかぶって表示される画面が出てきた。


おめでとう!記念すべきはじめての一人目に選ばれたので本来であればヘルプの時間も消費されるのを免除することにしましたー!どう?どう?うれしいでしょ?あら?なんだこいつ?って思ってる?このゲームを運営してる者だよ。

バーチャルアイドルを拉致してゲームとはなんだ?とか思ってる?

大丈夫大丈夫きちんと元の位置に帰還できるからさ、安心してね。

謎の技術で君の体も異次元に飛ばしてるから君が傷つけられることはないからね。

安心してヘルプは全部確認してくれると助かるかな。

君がヘルプを説明役に指名したかったわけでもないけど、細かく神経質に長時間ヘルプ読まれるのもめんどいし、おおざっぱに読んでとりあえずやれば覚えるでしょタイプに任せるわけにもいかなかったからよろしくね。

最後にヘルプをきちんと読み終わってからある程度プレイしてから帰還してくれると助かるよ。ヘルプ読み終わった時点から6時間タイマーの時間はスタートする。

ただ、君がプレイを終えるまで次のプレイヤーを招待はしないことになってるから。

じゃあ、ゲームマスターの自分からは以上かな。楽しんでくれたまえ。


そう読んで、

「丁寧だけど細かすぎない対応するのに私選ばれたの?大丈夫かな?」

不安はあったが選ばれたのだから頑張ろうとすることにした。


不思議なダンジョンというゲームと酷似、真似たとはっきり言おう。

日々ダンジョンは変化するので同じダンジョンで遊べるとは思わないでほしい。

ステータスなどは腕輪に付いた宝石を触り考えればメニューが表示されて選択することで確認できる。帰還するときになどもこの腕輪から選択すればログアウトできる。

コメントなど意識すれば確認も出来るが、腕輪からも確認操作ができる。

まだ解禁してないことは今後解禁後にヘルプが追加されるから今回は触らないでおく。


一階層は装備の確保がメインであるため敵は出てこない。

二階層につながる階段は目の前にある。上りか下りかはダンジョンによります。

一階層の探索は一回目は武器を手に入れるために必要だが、持ち帰った装備があれば装備して進められるので何も必要ないと判断したらそのまま進むことも可能である。

まだ作って間もないため現状の敵の強さは弱いと言える。

ただ、油断できるような弱さでもない。

死という概念はないが、多少痛みがあるため試しにと攻撃を受けることは避けましょう。

左上に見えるHPがになると死亡したという扱いになり自室にもどります。

ペナルティはアイテムのロストになります。

部屋の片隅に宝箱があると思います。その中に3回分の帰還の巻物が入っていますので、ロストしたくなければ亡くなるより先に帰還の巻物を消費しましょう。

服の一部、腰のあたりに巻物をはさんでおける場所を作っていますのですぐに使用できるように挟んでおき、紐を持ちながら巻物を開くと使用したと判断されて消費されます。


インベントリとして腕輪の機能でそちらに入れることは可能ですが、一度一階に降りてから解禁されます。こちらは腕輪部分にヘルプとして別途用途が書かれますので一階に行ってからご確認ください。


職業というのは特になく、生産職のような行動も出来たりしますので、一概に探索者、冒険者、戦闘職など言い方は様々だが戦いだけの世界ではないので今後追加されるショップを待ちながら初めのほうは探索をして自身でどんな採取物があるかをいって採取を依頼などもよいでしょう。


配信のほうですが、普段ご利用されてる配信サイトに強制介入して配信を行います。

ログアウトするまでのサムネやタイトルはほぼ一律で個人の自室を写しそれを背景として不思議なVダンジョン~配信者の名前~で、ログアウト後は編集も出来ますが、画像を見どころだと思う位置を画像として貼っておきます。


最後になりますが、今後のログインはいつも使っているスマホからアイコンが増えてるので自分の部屋よりログインください。

企業などの個室も可能ではありますが、条件次第ではログインできませんのでご注意ください。


「終わった。なんだか長かったですね。もしかしたら短いのかもしれないですが。」


コメントがものすごい勢いで流れて同接が万単位にビビってしまっていた。


「いつもいない方もいるでしょうから家入えとと申します。現在いろいろ巻き込まれて質問も答えるのが難しいです。ということで、とりあえず一階層に行ってみようと思います。」


あたりを見まわしたすると宝箱を発見する。


「では帰還の巻物をこちらから一つ取り出してみましょう。」


一本の巻物らしきものをとって見ると紐に古銭が付いており指の間に挟んで思いっきり引っ張るのであろう。そう考えてると目の前にウィンドウが現れ動画が流れる。


「リスナーも見えてるかな?動画が再生はじまりましたね。親切ですね。一番大事なのでしょう。」


使い方を学び腰に持っていくとパシッと服がつかんでくれたのではないだろうかと錯覚するように掴んで最適と思われる位置に移動したのである。

そして使うときに巻物を掴んで腰からはがすように動作確認すると抵抗も感じず手におさまった。

腰にもう一度戻してから、今度こそ一階層に行くため扉がある。

ドアに一階層と書いてあるのだそれ以外にないだろう。


「いろいろ聞きたいことはあると思いますが、もう許容オーバーですし、ある程度確認後に帰還するのでその後各自で確認していただきたいです。ここで立ち止まっても進まなくなるとそちらも説明配信としては成り立たなさそうなのでコメントを本日はすべて返信をなしにさせてもらいます。では、一階層に入っていきます。」


一階層に入るとすぐ正面に階段があり、背後のドアは消え去っていた。

右と左に通路があり右から行くことにした。


「まずは装備を回収とのことだったけど、一旦全部右に曲がってみます。」


数分歩くと宝箱が置いてあった。開くとナタが入っていた。

ナタを腰に装備する。丁度腰、ナタ、その上に巻物のような順番に勝手に使い勝手がよさげな感じに変わってくれた。


「これは、私の武器を知ってる?」


自身のスタンプにも採用されているのがナタであった。

その後30分ほど探索をして階段に戻って来た。

戦利品として、猫耳、胸当て、膝の布サポーター、腕に装備するタイプの小盾、そしてサイリウムである。サイリウムはネタのように見えたが、小盾やナタに差込口があり、差し込むとサイリウム色に光るのでヘルプを見たところ、サイリウムの欄が増えており、忘れていたインベントリについてもついでに確認するのであった。


サイリウムを装備に装着することで属性値があがる。色によって属性がかわるので敵に対して効果が変わる。

武器に使えば攻撃力が属性値分敵により増減する。

防具に使えば防御力に属性値が追加され、守りに対応してる属性値の時に発揮する。


インベントリは、メニューに増えたインベントリを選択することによって考えたものが出し入れできるようになる。

ただし、所持者が生きている場合はインベントリに入れることは不可である。


出し入れの確認のためサイリウムを出し入れしてみる。

インベントリをメニューから選択しないといけない為、装備品は装備したままにして、不要なものをインベントリに入れておく。


「では、そろそろ本命の二階層に行きたいと思います。」


階段をくだっていくと手のひらサイズでぷるぷるとしている生き物が待ち構えていた。

これは、スライムという最弱であったり、実は滅茶苦茶強かったり、作品によって強さが変わる存在である。

だが、ここはまだ2階層なので強い敵ではないだろう。

それに凶暴な敵には見えない。

何かを投げてみようと辺りを見渡して小さな石があったので拾い、投げてスライムに当ててみた。

コントロールがさほどうまくないのでガツンと当たったわけだはなくポヨンと当たって跳ね返るがスライムの近くに落ちた。

ゆーっくり動き出すスライム、だが確実にこっちに向かってきてはいる、敵意を向けてきているのだろう。

ナタを抜きすれ違いざまにスライムを切りつけてみれば、倒せたのだろう、そのまま消え去った。

ホッとするが、コメントに奴はただの最弱次こそは、みたいな書き方をしている人をみて

「ホッとはしましたが、力を抜きすぎるのも違いますね。」

気合を入れなおして探索を続けるのであった。

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