騒ぎの後
めっちゃお説教されてから、回収した蛇諸々を出した。
シーサーペントは頭が焦げてるくらいで身は無事だった。
報奨金と売るなら素材代が出るそうだ。
蛇肉はそこまで欲しくないので全部売ることにした。
太刀魚とか小魚も電気ショックを受けて気絶死なので新鮮さ抜群だ。
タイっぽいのだけ引き取って全部売った。
出したものから(マジックバッグの内容量に白目剥かれた)、他に変わったものがいなくて、シーサーペントは突発的な不運と判断された。一応巡視船を出すらしい。
転覆してたら不運じゃ済まないとこだが、〈雷撃〉出来て良かった。銃や刀でもやれただろうけど、テンパったもんな。
話してる間にリューラス侯爵がやって来て、シーサーペントの出現を聞いて青くなってた。
デカいっちゃデカいけど、そこまでかと思ってたら、海軍を出すか海上戦が出来るBランク冒険者を呼ぶかだって。
シーサーペントの大型は三十メートル越えらしいので、今回のは小型で十五メートルだった。大型だと神殿が管理している湾内に大型が入らない結界が壊れた事になるので大問題だったそうだ。
ルカはサイズのこともあって、慌てなかったんだろうか。
リューラス侯爵には、海が荒れることなく討伐したことと、素材に痛みが少ない状態で高く売れるからと、金一封貰えた。
結構儲かったので、ルカにボーナス的なものを渡したらびっくりされた。
「こんなの・・・」
「いーのいーの。儲かったから。ルカがあそこに連れてってくれたおかげだ」
超ビビったけど。
多分、俺のせい。ロック鳥の時みたいに俺狙いかもって思ってる。
ルカはお客である俺を守ろうとモリ持ったり頑張ってたし、釣りがしたい俺の希望を叶えようとしてくれた。ま、それで大目玉食らったけど、この世界の海の常識を俺が知ってたら、俺が気を遣わないとダメな場面だ。
ルカには、夜暇なら飯食いに来いって誘った。
「妹も良いか?」
「良いぞ。あ、おっさんしかいないけど」
「・・・ふふ」
夕方に浜の入り口で待ち合わせを確認して別れた。
宿に戻ろうとタバコを吹かして歩いていたらドットに捕まった。
「よぅ、坊や?何かやらかしたか?」
「ん!?」
蛇のこと??
「ちょっとお話聞こうか?」
ガシッとアイアンクローされてギルドの二階に連れて行かれた。
冒険者ギルドにも報告いるのか?
「シーサーペントをやったって?」
ギルマスのアントスが机をトントンしながら聞いてくる。
部屋にはランガとヤン、シャート、クレイバーがいた。
「釣りしてたらザバァっと出て来て危なかったから」
「・・・危なかったから・・・」
ぎゃーってなったら、なんとかしようとするよな。
「ちょうど海を見ていたやつが物凄い雷が落ちたと言っていたが?」
「あー、蛇出て来てびっくりしたから撃った」
船揺れて落ちたら喰われるってなると必死になるよな?
「びっくりしたら雷撃てるのかよ・・・」
「あはは」
だって、貰ったばっかで記憶に新しいから思い浮かべやすかったと言うか?
ってドットたち〈新月の雷光〉なのに撃てないのか?
ドットは俺が「渡り人」って知ってるから深く聞く気は無いようで助かる。
「次に何か倒したらギルドに出せよ」
どうやらその場で売ったのは冒険者ギルド的には良くなかったようだ。
「目玉と肝は錬金や薬師に高く売れる」
「あー、目玉は雷で焦げたか弾けたと思う」
皮はちょっと欲しい気もしたけど、全身一枚で剥がせる機会が無いから丸々欲しいと言われた。
「使えなかったのか」
ギルマス、めっちゃガッカリするやん。
「まぁ暴れられずに終わったのがラッキーだろ」
俺は明日からダンジョンに三日入るって言ったら「一人でか?」って言われたんだけど、マイペースに行くなら一人の方が良いだろって言ったら「そうだな」って。
ダンジョンがどんなものか、まずはゲーム体験版くらいの気持ちで見たい。
ギルマスは宝箱から酒が出たら売ってくれって。酒が出るのか。まず自分が味見したいからいっぱい出たらって答えた。
ドットたちには、船酔いの実と発光くらげきのこを頼まれた。
船酔いする実が欲しいのかと驚いたら、搾って飲むと酒のような味わいらしい。
発光くらげきのこは、光るくらげみたいな形のキノコでプルプル食感が面白いキノコらしい。美味しいんじゃ無いのか。
見つけたらって事で。
ダンジョンには船で行くしか無いらしいので、ルカに頼めたら良いな。
〈水平線の彼方〉と〈海の渦潮〉も戻って来たそうで、バーベキューに誘ったそうだ。
こりゃ酒の追加とか必要だね。
一旦解放されたので宿の部屋に戻って、素材確認。
ドットたちもかなり街で買い出ししてくれたし、足りるかなぁ?
バーベキューソースとクレイジーソルト使っちゃダメか?
どうせなら美味しく食べたい。
自分でブレンドしたと誤魔化せるのはクレイジーソルトくらいか。
お貴族さまの料理の時の味で柑橘ソースあったから、フルーティなソースは良いかな。
そういえば、ボルクさんとニコルソン宛にレシピ書いておかないとか。
簡単なことしかしてないから、手順とか適当なんだけど。
お肉の追加とエールとワインの酒樽、子供用の果汁100%ジュースをお取り寄せしてから、ドットたちと浜に向かった。
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