ドットとヴァロ、合流

 残酷シーン回避の方へ。

前話は、

 助けた子供たちにジュースやサンドイッチをあげて、ちょっとだけチートをシャートに見せちゃたよってお話しです。


 今回もグロ注意です。

 ジェイルはわりと酷いオッさんです。


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 泣く子供を前にどうするか?

 バー!とかじゃ無理な年頃の子供達を前に困惑するシャートと俺。

  

「うー、えーと、もうじき俺たちの仲間が来てくれるからそしたら森を出ておうちに帰ろうー?」

 今はまだ朝の十時過ぎた頃だ。

 ランガたちは多分夕方以降に着く感じだろう。


「こんなとこいるのヤダー!」

 俺たちもだよ。


 本当は現場検証的な調査もしなくちゃなんだけど、一人で子供六人は無理だ。ましてや俺が担当になったら泣くぞ。俺が。


 こっそりスマートウィッチを確認すると人間とオオカミらしき反応がある。

 人が三人・・・。

 ドットとヴァロと・・・悪党の生き残りかな?


「シャート、俺ちょっと小便に行って良い」

「・・・おー・・・良いよぅ・・・」

 ちょっと引き攣ったけど、多分シャートも気付いてる。シャートが先に言い出さなくて良かった。


 とりあえず、オオカミと一人でいる人間の方に向かう。


「ふー」

 ヤニカスと罵ってくれて良い。子供の前で吸いにくいからな。これ幸いと一本吸うぞ。


 反応が近い。オオカミ三頭が何か狙ってる。って人間だろうよ。

 これはお食事をさせてあげるべきか?犯罪の立証にために生かすべきか?

 生かしたとして、子供に会わせるわけにゃいかんのよ。


 が、他に生き残りがいないなら確保しておくべきだよなぁ。


 俺は初お目見えの太刀を鞘から抜いた。

 光が透き通ったような頭身に風魔法を纏わせる。

 わぁ~!!ペンライトだと思ってごめん。あれだ。フォースに祈りをの方!!!


 あ、今俺ってばシガリロ咥えて、光る刀構えてって、めっちゃ厨二心をくすぐるポーズじゃないか?ひゃっはぁー!

 衣装がお気に入りじゃないけど、オラちょっとワクワクすっぞ!


 木陰から木陰に気配を消して近付いて行って、オオカミの後ろから首を狙いまーす!!


 ザンッ!ザッ!ザン!!


 ヴェール・・・切れ味が良すぎで藤岡弘、御大もきっとびっくりだよ。


 オオカミの首が一瞬で切れたよ!

 脇差も凄かったけどさらに上だ。ヴェールさすが鍛治の神様だ。


 さて、俺がオオカミを斬って首が一つ、反応にあった人間のところに飛んでったんだが。


 返り血だけじゃ無さそうだな。


 顔色が青・・・じゃなくて白?

 もしかして死にかけてる?


「おい、生きてるか?」

「あ・・・ぅぅ」

 どう見ても悪党の一味なんだけど、お話しを聞きたいよねぇ。大きな爪で引っ掻かれたのか、腑が飛び出てるけど大丈夫そ?


「なぁ?子供達攫ったのお前ら?」

 勿体無いけどポーションを腹に垂らしてあげる。治らないけど、死がほんの少し先になるはず。


「・・・ゥゥ」 


 うーむ。会話にならないねぇ。

 でも子供攫ったし、殴ったり腹蹴ったり、囮りにしたり、胸糞悪い連中の仲間だから少し痛い思いさせても良いよな?

 俺の幸せなバイク旅を邪魔した原因だし。


「怪我をしてるから消毒してあげないとだよな☆」

 焼酎を取り出してお腹にかけてあげる。


「グアァーーーーー!!」

 美味しいかい?ランガたちが羨ましがっちゃうから内緒な?

 美味しすぎてめっちゃクネクネしてくれたよ。


「で、何か話せる?知ってる?腹に傷を受けるとなかなか死に切れないんだって?正直に話さないともっと長引かせちゃうよ?」


「うぅ・・・ムリ・・・」

 ふーん。子供はボコボコにして捨てるのに甘えたこと言うんだな?


 まぁ事情聴取はプロに任せた方が良いか。


「オオカミも倒せないのになんで森走ってんだかな」

 腹の傷はもっと大きいやつっぽいか。


「ジェイル!!」

 ドットとヴァロが俺が来た道とは違うところからやって来た。


「うぇ!ウルフ踏んだ!」

 ヴァロがオオカミ踏んじゃった。毛皮売るから丁寧にね。


「残党か?」

「多分?何も話してくれなくて、トテモカナシイ」

 ドットに頭をデカい手でドンッとされちゃったじゃないか。


 腑くんはドットに中身をお腹に戻されポーションかけられ、サラシみたいなのでお腹を巻かれた。

 ちょっとだけ延命出来そうだね。ヨカッタネ。


「いくつか残骸を拾ったが子供らしいのもいた」

 そっか。「もしかして」はなかったか。

「まだ探す?子供たちが四人くらい捨てられたって」

「・・・足りてないがオオカミがこうして近くにいる以上もう無駄だろう」

 この世界も楽しいだけじゃないんだなぁ。

 

「そいつを生け捕り出来ただけ儲けもんだ」

「・・・子供たちにコレ会わせたくないんだけど」

「そうだな」

 ドットとヴァロは討伐を終えてからこっちに急いできてくれたらしい。


「シャートが一人で子供六人見てるから泣いてると思うよ(シャートが)」

「だろうな」

「子供六人か・・・助かったほうだが、連れて戻るのは大変だな」

 

 ドットも子供苦手かよ。


「ジェイルー、お腹すいたー、美味しいの食べたいな」

「ここでかよ?」


 無理だろ。


___________________



現場直行、調査組

ドット シャート ヴァロ ジェイル


馬車組 御者二人

ランガ ヤン ドレイク クレイバー



保護した子

メイ ディエゴ ジャン ユング

貴族の少年、幼児

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