なんかやったらしい
「よし、ジェイル、今日採ってきた獲物をサイズに関わらず全部出せ!」
ジョズさんそうは言うけど、ヘッドロックで俺はもう死んでる。
ぐったりな俺、背を叩かれて覚醒。
大人しくデスマンティス、アースタイガー、穴ぐま、キツネ、鹿と大蛇をニュルンニュルンと並べていく。
「お前、アイテムボックスを隠す必要が無くなったらいきなり大雑把だな」
呆れた声で、獲物を見て頭を掻く。
全部出せ言ったじゃん。
「はぁ、お前昼前にギルドを出てさっき戻ったんだよな」
資料室に行ってたの知ってるんだ。
「こっちはまぁ運が良ければ適当に狩れる。一、二頭だがな?」
穴グマとキツネは数が多かったのがダメなのか。まっしぐらの匂いで寄ってきたから仕方なくない?
「このフォレストディアとブラックスネークはあの森には良く出るがそれなりに危ないやつだ」
あ、鹿は銃の音にビビって逃げようと飛んで木の間ににツノが引っかかってて楽勝だった。俺が走ってる先で蛇は番でいて営んでいたのでイラッとしてヤった。
あれ?俺ラッキードッグじゃないか?
相手が勝手に俺が倒しやすい状況になってる。
「それでこっちな?新人のソロ冒険者が無傷で素材も損傷がこんな程度でケロッと「狩って来た」ってやつじゃねぇ」
そんなこと言われても、なぁ?
「おーい、なんの用・・・ダァ!!?」
ギルマスが扉を開けてそのまま唖然とした。おい、口に咥えてたシガリロ落ちたぞ。
ボックがそっと拾ってギスマスの指に添えてる。優しいなぁ。
「ここ、煙草良いのか?」
良いなら吸うぞ。禁煙コーナーじゃないのなら遠慮はしないぞ。
「・・・好きにしろ」
わー!ぶっきらぼうに言われた。
ススーッと少し離れてからタバコ出した。
同じく避難したボックに「吸うかね?」と箱出して進めたら断られた。
「ニコル、お前コイツになんか言ったのか?」
「んっ!?」
ギルマスがバツが悪そうにして目を泳がした。
「コイツはこれでも今まで草採りのついででベアやロック鳥が出て来たから狩って来ただけだったな?」
俺の方を見て聞いて来たから頷く。
「それがいきなりこんな大解放なんて何か言われたからしか有り得んだろうが」
「あー、そうだな、うん」
ギルマスよりジョズさんのが強いの?
「いやなぁ、次はポルドスに行くって言うからダンジョンに行きたいかなぁと?」
「・・・大きいやつ狩ったらCランクになれるとか唆したのか・・・」
ジョズさん、汚物見るような目でギルマス見てる。
「いやまさかこんな簡単にそれなりのもんが出てくるとはなぁ?」
「確かに森の奥に行かないと・・・」
二人してバッと俺を見た。
「「おい!?どこまで入った!!」」
どこまでだったかなぁ。
ボックがジョズさんの言葉で出て行って地図を持って戻ってきた。
地図でここカナンからの距離で何となくここらって辺りを指差す。
「この辺まで行ったかな?」
ボックくん、君まで酷い目で見なくても良いでしょ。
「お前、そこまで普通は三時間近くかかるぞ」
あー、〈瞬足〉使ったからかなり時短出来たんだよ。
「シャートに〈瞬足〉習ったからそれで走ったぞ」
「何だ?宿で魔法習ってたのか」
ってギルマスが聞いて来て、
「だからお前剣士で登録したのに獲物のほとんどが魔法攻撃なのか?」
ってジョズさんに言われた。
あー、あの時は銃って書けないから剣にしたんだった。
「剣(刀だけど)で行こうと思ったんだけど、いきなり大きいの来たり、見つけた時遠かったりするから手っ取り早い方法でやってる?」
三人で可哀想な子を見てるような顔になってるんですけど。
「手っ取り早いとかで咄嗟に魔法使えたらみんな苦労しねぇのよ」
あー、そうね。そしたらパーティで組まなくても良いってなるね。
「お前、奥の方はCランク以上がパーティで行くのが基本なんだよ。一人でそんな奥まで行くんじゃねぇ」
「ギルマスがロック鳥みたいなの狩ってこいって言うからさ?」
近場じゃ強いの滅多に出ないんだろ?
「ロック鳥みたいなの二頭でCランクにしてくれるって言われたから?なかなか出てこないからもうランク上げはいいかなって思ったらその赤い方が出て来て」
話の途中でジョズさんがギルマスにラリアットを喰らわせた。
「お前のせいじゃねぇか!!」
次はチョークスリーパー?
ジョズさん、前世プロレスラーだったのかも知れない。
「良いか?コイツはCランクのパーティが多方向から撹乱しながら腕や羽を落としてやっと首が狙えるくらいのやつだ。お前はどんだけ規格外なんだよ」
まぁ、カマキリは頭に玉入んなかったから面倒だったけど。
「だってこんな図体で狭いとこ入って来て身動きほとんど出来ないからそこまで危なくなかったぞ」
「「はぁ!?」」
俺はちょっと開けてる場所で休憩したつもりだけど、あいつら出て来たとこ、自分の体格考えて出て来た?って感じで木が結構密集してたからさ。
「マンティスはちょっとバカか??」
「いや、警戒心はあるだろう?」
そんなの言うとツノで引っかかった鹿は何だったのかと言うね。
「ねぇ、これCランクになれる量になった??」
もう一回森に行くの嫌になって来たんだけど。
「「こんなの一人で討伐できてるんならなれるに決まってんだろ!?」」
仲良くハモった。何だよ。仲良しじゃね。
「魔石おと金は明日だ。欲しいの魔石と何だ?」
「んー」
虎の毛皮はちょっと気になるけど、別にいらないかな。お肉も要らないし。
カマキリ・・・赤いから要らないか。
「魔石だけで良い」
「そうか」
宿に肉のお土産するとまた寝れなくなりそうだし、やめておこう。
そしてギルマス権限でCランクになれた。
Bランクも行けなくはないけど、高位ランク立ち合いでの試験があるらしいので遠慮した。
ドラゴンとか倒すと試験免除でAとかSらしいぞ。ドラゴン、ちょっと見たいけどわざわざ戦いたくないなぁ。
こんなん言うからジョズさんに技かけられるんだぞ。ギルマス。
とりあえず海の街でダンジョンに入れるらしいので満足だ。
ギルドを出たら仕事帰りの〈鋼鉄の拳〉に遭遇した。
「お!坊や、ちょうど良いとこで見つけた」
「やりぃ!」
ご機嫌な三人が笑顔で寄って来て、路地裏に連行された。
「なぁなぁ?草ァまだ持ってるか?」
表で言わないのは有難いけど、何でこう闇売買みたいなやり取りになるんだろうなぁ。
一人三箱ずつ、一箱金貨二枚で売ったよ。
やっぱり安過ぎるって怒られた。謎だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます