ビールはキンキンが良いね

 地面を見つめて目当ての草探すのって、子供の時に四つ葉のクローバー探したいらいだなー。

 なぜあんなに四つ葉が欲しかったのか?

 本に挟んで忘れてしまうのに。


「ふぅ」


 タバコが減る減る。


 ちなみに薬草、三種それぞれ五束一組で銅貨五枚、銅貨八枚、銀貨一枚ってさ。

 宿代稼ぐのも厳しいもんだぜ。


 ドットたちが少し話してたけど、新人はギルド内で大部屋で雑魚寝の銅貨五枚ってのが基本らしい。

 俺の場合「良い宿」って言ったのと身なり(質の良い生地の服と高そうなカバンと靴)で判断されたっぽい。


 ま、雑魚寝はやだったから結果的に良し。


 なんか草を刈りまくってたら、採取した草のある位置がマーク浮かんでくるようになった。

 鑑定か索敵かがレベルアップする感じ?


 十組ずつ刈って、飽きたので昼飯。


 んー、パンとウィンナー。そう言えば飲み物持ってない。


 スマホを取り出し、ショッピングー!


 酒以外の飲み物はコーラくらいしか頼んでなかったとちょっとやらかしたかと思ったけど、水に茶、コーヒー、紅茶、炭酸、牛乳とそれなりに売ってた。


 おお!気前の良い神様。サンキューー!


 水は三本買っておいて、レモンの炭酸とウーロン茶。ついでに缶ビール。

 あとマスタード(小分けパック)とスパイス(袋)。

 買った物は無限収納に追加される。


 あ、お金は画面にがま口のイラスト出たからそこにとりあえず白金貨(約一千万円)入れておいた。


 お金の価値はおおよそ、銭貨十円、銅貨百円、銀貨千円、金貨一万円、中金貨十万円、大金貨百万円、白金貨一千万円とみた。


 女神さまが入れてくれたのは銀貨が一番多いけど、他もそれなりに入ってた。


 まずはレモン炭酸を取り出した。

 タバコのビニールは剥がされてたのにペットボトルはって思ったら、ラベルだけ剥げてた。

 多分、後から俺の欲しい物を観察してて、ボトルや食べ物の入れ物を、こっちの世界の物に変換するのが手間だからゴミ箱処理にしたんだな。


 パンを齧ってみたら、普通にハードだった。少し焼きたい。

 

 焚き火めんどくさいと思って、卓上IHコンロとスキレットを創造魔法で。


 ・・・コンロって電池どうすれば??


 〈鑑定〉が魔石をセットする場所を作って魔力を流す作りにしろって。


 うぉぉ。創造魔法の初失敗。


 こっちのシステムか。


 カセットガスコンロにしてガスボンベも作れば良かったのかい。


 出来立てIHコンロは一回廃棄。魔力で作ったから魔力に戻る。


 魔石は創造魔法で作れないらしい。


 魔物の命の結晶。命が対価だから。


 ってことは、魔石を買うか、魔物を倒すか。


 今はパン食べたいので諦めて、枝を集めよう。


 なんでも出来ると思ってたら出来なかったでござる。


 ちなみにショップには家電とか無い。ネットショッピングサイトを頼めばよかった。


 酒とタバコって馬鹿か。欲望に忠実すぎた。


 なんとか小枝を集めて、積み上げて火を付けた。


 あんまりアウトドアな趣味なかったんで、小学校や中学校で林間学校とかキャンプしたくらいなのよ。


 実家は田舎だけど、逆にわざわざ外で何かしたいとか無いじゃん。


 飯盒で火加減失敗とか思い出そんな程度よ。

 カレー不味かった・・・。


 なんとか焼いたパンにウィンナーを乗せて、スパイスかけてマスタード。


 ここまで来て、〈ルーム〉に入れば良かったと思う。


 初冒険者記念で浮かれた。


 ハードパンはちょっと粗めの味わい、ウィンナーは肉肉しくジューシー。

 マスタードめっちゃ合う。


 でもパン一個とウインナー二本でお腹いっぱい!


 空が高くて草の香りに包まれ、なんか癒された。

 仕事はやり甲斐なくてほぼ上司と部下の尻拭い、プライベートはあのアンナとの付き合いで心がスカスカだったんだ。


 俺、今自由なんだ。


「ふー」

 食後の一服はうまい。

 

 タバコも禁煙嫌煙で、吸うにも肩身が狭くなって、なんだかなーでやめた。

 酒は若い時は付き合いが多くて、上司のご機嫌伺って。

 会社の金で接待、ラウンジ、キャバクラ、スナックと連れ回されて。


 自分が上司の歳になると若いのは「飲みニケーションダセェっす。アルハラですか〜?」ってね。

 別に俺もお前と飲みたいわけねえんだわ。

 ぶっちゃけ昨今の流れで、会社の懇親会とか減ったの助かったよ。

 

 楽しみは家で自分の好きなツマミで、好きな音楽聴いて飲むことだった。


 どう考えてもあのアンナとやっていけた気がしない。俺なんで近寄ったかな??


 まぁもう全てまぼろしー!


 缶ビール片手にタバコ。最高!!


 ガサガサ。


「んぇ?」

 

 何かいる?


「・・・スライム?」


 王冠被ったり魔王になったりする??


 ぽよんぽよんと可愛いと思ったらなんか飛ばしてきた。


 俺の足元が溶けてる。


 なんなら靴も小さい穴が。


「こんにゃろ!」


 短銃構えて、タマのイメージは水のビー玉。


 ビュン!


 スライムボディを通過して無傷っぽい。


 むむ。


 確か核があるんだよな。


「唸れ!俺のシューテングゲームの実力!!」


 ゾンビなら腐るほど倒してきた俺!!

 (誰だ?ゾンビは腐ってるって言ったやつ)

 

 結果三発目で核に当たった。


 ゲームとリアル、感覚は全く違った。

 

 そして核、粉々になった魔石・・・。


 魔石ゲットし損ねた。


 どうやったら核を壊さないで倒せるんだ??


 〈鑑定〉によると体を削るって。修復速度を上回らないと無理じゃね。


 銃はダメそうだ。次からは刀使ってみよ。


 粉々魔石も一応燃料になるらしいので収納。


 飲みかけのビールがぬるい。


 〈急冷〉って氷魔法をイメージして言ってみたら出来た。マジっすか。


 キンキンに冷えてやがるぜ!


 面白くなって缶ビールと缶チューハイを追加で購入。


 またガサガサっとスライム出てきたので、スライムに向かって〈急冷〉って言ってみた。


 凍ったので、刀で切ってみた。


 核を避けて切った。

 残った凍ったスライムボディは食べられるらしい。

 うまいの??


 とりあえず収納した。


 核、魔石は小さめ。コンロくらいなら使えるかな〜??


 酒とタバコを楽しみながら座ってたら、スライム以外に中型犬くらいのサイズの穴ウサギが出てきた。

 魔物ので魔石もあるみたいなので銃を使って倒した。


 穴ウサギ・・・解体すべき?

 めんどくさい。


 収納に入れたら、毛皮と骨と魔石と内臓にわけてくれた。骨と内臓っているのか?


 その後も二匹出てきた。

 そう言えばこれも売れるかも?


 血抜きだけして縄で括って持ち帰るか。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る