第30話 新たな命

観音寺城を完全に制圧し、藤吉郎は勝利の余韻に浸る間もなく、次なる命令を受けるべく信長のもとへ戻ることを決意した。戦場での武功は一つの山を越えたが、藤吉郎の心は常に未来を見据えていた。信長がどんな指示を出し、次にどのような道を進むことになるのか、その期待と不安が交錯していた。


兵たちに後事を託し、藤吉郎は一部の部隊を率いて岐阜城へと急いだ。戦場を離れる道中、彼の頭には数々の思いが巡っていた。


「観音寺城での勝利は大きかったが、これで終わりではない……。」


信長は常に新たな戦略を考え、彼らの力を必要とする。藤吉郎は信長の信頼を勝ち得たことに誇りを感じつつも、さらなる試練が待ち受けていると確信していた。


岐阜城に到着すると、城内は忙しさに溢れていた。戦勝報告が次々と届き、戦略会議も頻繁に開かれていた。信長の下へ通された藤吉郎は、いつもと変わらぬ冷静な面持ちで出迎えられた。


信長は藤吉郎を見ると、目を細めながら静かに口を開いた。


「藤吉郎、観音寺城での働き、見事であった。そなたの武勇と指揮があれば、我が軍はさらに強くなるだろう。」


藤吉郎はその言葉に感謝の意を込め、深々と頭を下げた。


「ありがとうございます、信長様。皆の力があってこその勝利です。」


信長は藤吉郎の謙虚な姿勢にわずかに頷きながら、次の話題に移った。


「だが、これで終わりではない。六角義治が逃げ延び、再び力を集める可能性がある。我らが目指すべきは、さらなる戦果だ。」


信長の視線は鋭く、次の戦いをすでに見据えているようだった。藤吉郎はその視線を受け、改めて自らの決意を固めた。


「信長様、次の命令を賜りたいと存じます。私には、さらなる戦いで名を挙げる覚悟がございます。」


信長は少しの間、沈黙を保ちながら藤吉郎を見つめていた。やがて、口を開いた。


「藤吉郎、そなたには次なる任務を与える。それは、六角義治の残党勢力を追撃し、完全に壊滅させることだ。」


藤吉郎はその言葉に瞬時に反応し、信長の意図を理解した。六角家の勢力を完全に根絶し、織田軍の力をさらに強固にすることが次の目的だった。


「了解いたしました。六角家を完全に滅ぼし、織田軍の勝利を確実なものといたします。」


信長はその答えに満足げに頷いた。


「この任務は容易ではないが、そなたならやり遂げられると信じている。滝川一益や丹羽長秀を引き連れ、慎重に進めるのだ。」


信長からの新たな命令を受け、藤吉郎は戦略を頭の中で練り始めた。この任務は、さらなる武功を挙げるチャンスであり、信長の期待に応える絶好の機会でもあった。


信長の命令を受けた藤吉郎は、すぐに滝川一益と丹羽長秀にこの指示を伝え、共に行動するための準備を進めた。彼らとの連携はこれまでも成功を収めており、今回もそれを信じて疑わなかった。


「滝川殿、丹羽殿、次なる戦いで共に六角家を追撃しましょう。信長様の期待に応え、完全に壊滅させる時です。」


滝川一益は冷静に頷き、藤吉郎の計画を聞いていた。彼は慎重派であるが、藤吉郎の決断力を信頼していた。


「確かに、慎重に進めるべきだが、この戦で大きな成果を挙げることが我々の未来に繋がる。共に勝利を目指そう。」


丹羽長秀もまた、藤吉郎の戦略に賛同し、共に出陣の準備を進めた。彼らの絆はさらに強固なものとなり、新たな戦いに挑むための決意が揃った。


準備が整うと、藤吉郎は再び信長の元へ赴き、出陣の挨拶をした。信長は無言で彼を見送り、その背中に信頼の眼差しを向けた。


「藤吉郎、そなたの働きが我が軍の未来を開く。気を抜くことなく、進め。」


藤吉郎はその言葉を胸に刻み、再び戦場へと向かう。彼の前には、六角家との最終決戦が待ち受けていた。今回の戦いもまた、彼にとっての重要な試練となるだろう。


---


次回の選択肢


1.藤吉郎は、六角家の残党勢力を急襲し、一気に勝利を目指す。

•藤吉郎は六角家の勢力が集まる前に急襲を仕掛け、速やかに勝利を収めるための決断を下す。戦局を一気に進展させる道を選ぶ。


2.藤吉郎は、六角家の残党勢力を慎重に包囲し、兵糧攻めで徐々に弱体化させる。

•藤吉郎は無理に攻めず、六角家を包囲し、兵糧攻めで確実に勝利を狙う。時間をかけてじっくりと追い詰める戦術を選ぶ。


応援コメントでの投票のお願い


読者の皆さん、藤吉郎の次なる戦いの展開を決めるのはあなたです!

明日朝7時までに応援コメントで選択番号を記載してください。一気に急襲して勝利を収めるか、慎重に包囲して兵糧攻めを仕掛けるか――あなたの選択が藤吉郎の未来を左右します!


次のシーンは、翌日17時に投稿されます。

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