【毎日17時投稿】【読者参加型小説】太閤立志伝 〜秀吉の選択〜

第22話 天下布武 ―信長の野望と光秀の登場―

織田信長はついに稲葉山城を手中に収め、それを岐阜城と改名して居城とした。この城は、信長の天下統一を目指す道の拠点となり、岐阜城から全国へと勢力を広げる決意を固めた。信長は新たに「天下布武」という朱印を用い、武力による天下統一の意思を周囲に示した。その野望の始まりは、戦国の荒波に新たな波を巻き起こそうとしていた。

「岐阜城……これが信長様の次なる拠点か。」

藤吉郎は、信長の決断に感銘を受けながら、天守閣から見渡す美濃の景色に目をやった。この城を拠点に、信長の天下統一の道が始まることを藤吉郎も感じていた。加治田での成功に続いて、信長のためにさらなる武功を挙げる機会が待っているはずだ。

だが、その前に新たな波乱が起こっていた。永禄8年（1565年）5月19日、室町幕府13代将軍・足利義輝が、三好三人衆によって討たれるという大事件が発生した。これにより、幕府の力は大きく揺らぎ、戦国の世はさらに混迷を深めていくことになる。

足利義輝の弟である足利義昭は、この混乱の中で奈良を脱出し、逃亡生活を余儀なくされた。興福寺一乗院の門跡として名を「一乗院覚慶」としていた義昭は、各地を転々とし、まずは近江甲賀郡の和田城に身を寄せた。しかし、時の有力者たちは義昭を手厚く迎えようとはせず、彼は更なる支援を求めて漂流を続けることになった。

その義昭を救い出したのが、後に織田信長の家臣として名を馳せることになる明智光秀であった。光秀は、足利義昭が将軍として再興するための仲介役となり、織田信長を頼るよう助言を行った。

「織田信長こそ、今この乱世を終わらせ、将軍を支える力を持つ者です。義昭様、信長公を頼り、御自らの力を取り戻すべきです。」

光秀の言葉には、信長に対する強い信頼と期待が込められていた。彼は信長の野望を見抜き、足利義昭をその野望に乗せようとしていた。

一方、信長は明智光秀からの仲介を受け入れ、足利義昭を迎え入れる準備を進めていた。信長にとって、この乱世で将軍の座を担う義昭を支えることは、自らの権威を高める絶好の機会となるはずだった。信長は天下統一への計画を着々と進めていたが、その背後では、光秀が密かに大きな役割を果たしていたのである。

藤吉郎は信長の新たな目標に向けて動き出そうとしていることを感じ取り、自らもその一翼を担うべく準備を整え始めた。天下統一を目指す信長のために、再び戦場に立ち、加治田で得た力を武功に変える時が来たのだ。

信長は、足利義昭を支援する決断を下し、彼の御所を京都に再び構えることを約束した。この動きは、信長にとって大きな政治的影響力を持つものであり、光秀はその陰でさらなる手腕を発揮していた。

「光秀、これからはお前にも大きな役割を任せることになる。義昭を守り、幕府再興を支えるのだ。」

信長は光秀に向けて言葉を投げかけた。光秀は深く頭を下げ、信長の命に従うことを誓った。

藤吉郎は、この一連の動きの中で、自分の役割を果たす決意を固めていた。義昭を京都に迎え入れるための戦略や、信長の意志を実現するための行動がこれから続くのだ。武人としての力を発揮する時が来たことを感じ、戦場で再び信長のために働く準備を整えていた。

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次回の選択肢

1.藤吉郎は信長の命を受け、京都への進軍に参加する。義昭を将軍の座に据え、信長の支配を強固なものにするための武功を挙げる。

•信長の命を受け、藤吉郎は再び戦場に立ち、義昭を支援するために京都へ進軍する。

2.藤吉郎は加治田衆との連携を強化し、信長の次なる戦略に備える。義昭を迎え入れる準備を進めつつ、内政での役割を果たす。

•加治田での統治を強化しつつ、義昭を迎え入れるための体制を整える。信長の次なる戦略に備える内政的な対応を選択する。

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次のシーンは、翌日17時に投稿されます。ぜひ、信長と藤吉郎、そして光秀の新たな展開をお楽しみに！

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