第15話 先頭に立つ藤吉郎

稲葉山城を目指す織田軍の進軍は、青墓の戦いでの勝利によって勢いを増していた。信長の命により、藤吉郎は次なる戦いで織田軍の先陣を切る役割を任された。戦略的な洞察もさることながら、武人としての力を示す機会が今まさに訪れたのだ。信長から受けた期待とともに、藤吉郎は己の武勇をもってその重責を果たそうと、胸の中で決意を固めていた。


稲葉山城は斎藤家が誇る堅牢な城であり、その城攻めは決して容易ではないことが分かっていた。だが、藤吉郎はそれでも自らが先頭に立ち、織田軍の勝利に貢献する覚悟を決めていた。彼の心の中には、「自分がこの戦で何を残せるのか」という問いが常に渦巻いていた。命をかけた戦場で、ただ戦略を練るだけではなく、武人として一つの道を切り開くことが、信長に認められるための唯一の道だと信じていた。


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藤吉郎が率いる部隊は、夜明け前の静かな山道を進んでいた。斎藤軍は稲葉山城周辺にしっかりと防備を固めており、特に山岳地帯に伏兵を配置しているとの情報があった。これまでの織田軍の攻撃により疲弊しているものの、依然として斎藤家の武将たちは城を守るべく団結していた。


藤吉郎は隊の先頭に立ち、鎧の重みを感じながら進んでいた。彼の目は鋭く周囲を見渡し、いつ敵が襲いかかっても即座に対応できるよう、常に警戒を怠らなかった。部下たちは彼の背中を信じてついてきており、戦場での藤吉郎の決断力に全幅の信頼を寄せていた。


やがて、斎藤軍の伏兵が現れた。突然の奇襲で、山道の狭い場所に潜んでいた弓兵が矢を放ち、織田軍に襲いかかってきた。矢が次々と飛んできて、前方の兵士たちが一瞬で混乱に陥った。しかし、藤吉郎は怯むことなく、瞬時に状況を把握した。


「伏兵だ!隊を乱すな!」


藤吉郎は即座に指揮を取り、部隊を二手に分け、敵の弓兵を包囲する作戦を指示した。彼自身も矢の雨の中を前進し、盾を持った兵士たちを盾にしながら、斎藤軍の伏兵へと突撃した。敵の伏兵は予想以上の早さで織田軍に反撃され、戸惑いを見せた。


藤吉郎は敵の隙を見逃さなかった。彼は剣を抜き、素早い動きで斎藤軍の前線へと突進した。彼の鋭い一撃が、斎藤軍の兵士を倒し、周囲の敵兵たちに恐怖を与えた。藤吉郎の猛進により、斎藤軍は次第に動揺し、前線が崩れ始めた。


「ここで勝負を決める!」


藤吉郎の叫びに応じて、織田軍の兵士たちは士気を高め、一斉に攻勢に出た。藤吉郎の勇ましい姿を見て、兵士たちは自らの力を振り絞り、斎藤軍に攻撃を加えた。やがて、伏兵は完全に崩壊し、藤吉郎の部隊は無事に山道を突破することに成功した。


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敵を退けた藤吉郎は、戦いが一段落した後も、気を緩めることなく周囲を見渡していた。斎藤軍は依然として稲葉山城で強固な防備を築いている。だが、この戦場での勝利が、稲葉山城攻略の第一歩となるのは確実だった。


柴田勝家が藤吉郎に近づき、微笑みながら肩を叩いた。


「見事な戦いぶりだったぞ、藤吉郎。お前がここまでやるとはな。」


勝家の言葉に、藤吉郎は頭を下げた。


「信長様のご期待に応えるため、全力を尽くしました。」


勝家はうなずき、次なる戦いについて語り始めた。


「だが、これで終わりではない。稲葉山城はまだ健在だ。今度は城の攻略に向けて準備を整えることになる。お前にはまだまだ働いてもらわねばならん。」


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藤吉郎は勝家の言葉を胸に、さらなる戦いへの覚悟を新たにした。彼の中で「武人」としての道がさらに強く意識され始めた。戦場での武勇こそが、信長に認められる最短の道であり、これからの戦でさらなる手柄を立てることで、自らの存在を確固たるものにするという野心が、彼を前進させていた。


斎藤家の牙城である稲葉山城は、藤吉郎にとって最大の試練であり、ここでの勝利が彼の将来を決定づけることになるだろう。次の戦いに向けて準備を進める中で、藤吉郎は自らがどのように戦場で活躍するかを思案していた。武人として先頭に立つか、それとも戦略を練り、全体を掌握するか――その決断が、彼の次なる道を切り開く鍵となる。


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次回の選択肢


1. 藤吉郎は、再び先頭に立って稲葉山城攻めの主導権を握り、武人としての名声を確立することを選ぶ。

- この選択肢では、藤吉郎が再び自ら先陣を切って戦い、さらに武功を挙げる道を選ぶ。戦場での勇猛さが彼を一層際立たせる展開となる。


2. 藤吉郎は、戦略的に城攻めを進め、織田軍全体の勝利を導くため、策を巡らすことを選ぶ。

- この選択肢では、藤吉郎が武人としてだけでなく、戦略家としても成長し、織田軍の全体を掌握して城攻めを成功させる道を選ぶ。頭脳戦が展開される。


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応援コメントでの投票のお願い


読者の皆さん、次なる藤吉郎の戦いをどう導くかはあなたにかかっています!

明日朝7時までに応援コメントで選択番号を記載してください。彼が再び戦場で先頭に立って戦うのか、それとも戦略を駆使して織田軍全体を指揮するのか――あなたの選択が、藤吉郎の未来を左右します!


次のシーンは、翌日17時に投稿されます。藤吉郎の成長を見守り、共に戦いを進めていきましょう!

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