第13話 青墓の戦い ―戦場で再び武功を目指す藤吉郎―

選択は2です。


桶狭間の戦いの後、織田信長の勢力は急速に拡大していたが、斎藤家が守る美濃の稲葉山城は依然として強固な要塞として立ちはだかっていた。信長はこの難攻不落の城を攻略するため、幾度も小規模な戦闘を仕掛け、少しずつ斎藤家の力を削いでいった。その一環として、尾張と美濃の国境に位置する青墓の地で、再び戦が始まろうとしていた。


信長の家臣となり、小者として主に雑務をこなしていた藤吉郎だったが、彼の心の奥には常に戦場への憧れがあった。戦場で再び武功を立て、信長に自分の存在を認めさせたいという強い野心が、日々の雑務をこなす中でも藤吉郎の胸に燻り続けていた。


「戦場で名を上げる……再びその時が来た。」


そう自らに言い聞かせながら、藤吉郎は小者としての仕事をこなしつつも、次なる戦に出る機会を伺っていた。そしてついに、彼にそのチャンスが巡ってきた。織田軍が斎藤家の支配する青墓の地を奪うための戦いを開始するという知らせが、陣中に伝わってきたのだ。


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藤吉郎はその報せを耳にすると、すぐさま戦場に出ることを志願した。彼の側近であり、信長の重臣として名を馳せる柴田勝家にその決意を告げた。勝家は彼の申し出を一度黙って聞き、冷静な目で藤吉郎を見つめた。


「藤吉郎、お前の志は確かだが、戦場は甘くない。桶狭間での武功は忘れてはいないが、今回の戦もまた、容易なものではないぞ。」


柴田勝家の言葉は厳しいものだったが、藤吉郎の決意は揺るがなかった。彼は深々と頭を下げ、勝家に向かって力強く答えた。


「この戦いこそ、再び名を上げる絶好の機会です。必ずや、武功を挙げて信長様の期待に応えてみせます。」


勝家はその決意を感じ取り、しばらく考え込んだ後、ついに言葉を発した。


「よし、藤吉郎。お前にもう一度チャンスを与えよう。俺と共に青墓の戦場に立て。だが、命を無駄にするな。」


その言葉を聞いた藤吉郎は、胸の内に喜びと緊張が入り混じるのを感じた。信長のため、そして自分自身のため、再び戦場で名を上げる機会が訪れたのだ。彼は柴田勝家の元で青墓の戦いに参加することを決意し、すぐに戦の準備を始めた。


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青墓は、尾張と美濃を結ぶ重要な拠点であり、信長軍が美濃へ進出するための足がかりとなる場所だった。しかし、湿地帯に囲まれたこの地は戦いにくく、斎藤軍が守りを固めている状況では、容易に攻め込むことができなかった。信長は少数の精鋭部隊を送り込み、斎藤軍の防衛線を突き崩す計画を立てた。


藤吉郎と柴田勝家が率いる部隊は、まさにその精鋭の一部だった。彼らの任務は、斎藤軍の防衛線の隙を見つけ、先陣を切って攻撃を仕掛けることだった。


「藤吉郎、油断するな。敵はこの湿地帯に罠を仕掛けている可能性が高い。我々が突破口を開かなければ、この戦は勝てぬ。」


柴田勝家の言葉に、藤吉郎は強く頷いた。この戦いが成功すれば、美濃攻めが大きく進展し、信長にとって重要な戦果となる。藤吉郎にとっても、それは大きな武功を挙げる絶好のチャンスだった。


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やがて、青墓の戦いが始まった。湿地帯を進む織田軍の兵士たちは、足元に気を配りながら、斎藤軍の防御線へと徐々に迫っていった。藤吉郎もまた、刀を握りしめ、戦場の空気を肌で感じていた。彼の体は緊張で張り詰めていたが、その心には迷いはなかった。戦場で名を上げるため、彼は全力を尽くす覚悟だった。


斎藤軍は湿地帯の地の利を活かし、伏兵を用いて織田軍を混乱させようとした。突然、茂みの中から矢が飛んできた。藤吉郎は瞬時にそれをかわし、周囲の兵士たちに指示を出した。


「伏兵だ!敵の動きを見逃すな!」


藤吉郎はその場を冷静に見渡し、敵の動きを的確に読み取った。斎藤軍の伏兵は巧妙に隠れていたが、藤吉郎はその場所を察知し、すぐさま反撃に出た。


斎藤軍の伏兵たちが次々に姿を現し、織田軍に襲いかかってきた。だが、藤吉郎はその攻撃を的確にかわしながら、指揮を取り続けた。彼は仲間の兵士たちを鼓舞し、斎藤軍の勢いを徐々に削いでいった。


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戦いは激しさを増し、藤吉郎は斎藤軍の防衛線に迫ると、全力で突撃を指示した。彼は自ら先頭に立ち、敵陣へと切り込んでいった。斎藤軍は一瞬怯んだが、すぐに反撃を開始した。藤吉郎はその中でも冷静さを失わず、次々と敵兵を倒していった。


「ここで勝負を決める!」


藤吉郎はその言葉を胸に、敵の指揮官と思われる武将を見つけ、彼に向かって突撃を開始した。敵の武将は藤吉郎の突進に気づき、すぐさま迎え撃とうとしたが、藤吉郎の素早い動きに翻弄され、次の瞬間、彼の剣が敵の鎧を貫いた。


その光景を目の当たりにした斎藤軍は混乱し、次々に撤退を始めた。藤吉郎の活躍により、織田軍は青墓の戦場で勝利を収めることができた。


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戦いが終わり、青墓の地は織田軍の支配下に入った。この勝利によって、信長の美濃攻めはさらに一歩進展した。藤吉郎はその武功を認められ、柴田勝家からも高く評価された。


勝家は、戦場から戻ってきた藤吉郎を見つめ、静かに言った。


「よくやった、藤吉郎。お前の勇敢な戦いぶりは、信長様にも報告させてもらう。だが、これが終わりではないぞ。さらなる戦いが待っている。」


藤吉郎はその言葉を聞き、深く頭を下げた。彼の心には、達成感と同時に、次なる戦いへの準備が芽生えていた。この青墓での戦いは、まだ藤吉郎の野望の始まりに過ぎない。


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選択肢


1. 藤吉郎は、青墓での武功を信長に報告し、さらなる役割を目指す。

- 藤吉郎は今回の戦いでの成功を信長に報告し、さらなる重責を担う役割を目指す道を選ぶ。彼の存在感が信長の中でさらに増すことになるだろう。


2. 藤吉郎は、次なる戦場でも武功を立てるため、戦に出る機会を狙い続ける。

- 藤吉郎は今回の成功に満足せず、次なる戦いでさらに武功を立てることを目指す。戦場での経験を積み重ね、信長軍の中での地位を固めていく道を選ぶ。


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応援コメントでの投票のお願い


読者の皆さん、藤吉郎の運命を決めるのはあなたです!

明日朝7時までに応援コメントで選択番号を記載してください。彼が信長に武功を報告し、さらなる役割を得るのか、次なる戦場でさらに武功を立てるのか――あなたの選択が、藤吉郎の未来を左右します!


次のシーンは、翌日17時に投稿されます。藤吉郎の運命がどのように展開するのか、ぜひご参加ください!

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