#11 タヌキさんにおとどけものです
これは小さな郵便屋さんの物語。
「タヌキさーん!おてがみでーす!」
「アタイに手紙?」
「おかあさまからです!」
「珍しいね」
「あっそうだ!」
「うん?」
「あしのけがは、よくなりましたか?」
「何で郵便屋が知ってるんだい?」
「トキさんがしんぱいしてましたよ!」
「なるほどねぇ。キツネの奴に引きづられて診察を受けに行かされたよ。まっ、お陰様ですっかり良くなったよ」
「キツネさんも、けっこうしんぱいしてました!」
「ケッ。な〜にが心配だ!トキのところに引きづられていったかと思ったら毎日毎日薬は塗ったかってうるさかったんだ!いい迷惑だよ!」
それだけ心配してたってことだと思うけどなぁ。
タヌキさん、結構ひとりで抱え込んでしまう方なので心配ですねぇ。
「郵便屋、アンタまだ配達があるんだろ?そら行った行った」
追い出されてしまいました。
◇
「はー。アタイのことはどうでもいいのにどいつもこいつも物好きだねぇ。せっかくだから手紙でも読もうかね。本当に珍しい。柄じゃないね。遂に病気でもしたのかな」
――――――――――
娘へ
久しいね
ちゃんとご飯は食べているかい?
ちゃんと眠れているかい?
怪我や病気は、していないかい?
今度健康診断があるそうじゃないか、
ちゃんと行くんだよ
母
――――――――――
「どいつもいつもアタイの心配かい!!!!!怪我はしたけど治ったし!!!健康診断もちゃんと行くってばーーーー!!!!!」
◇
遠くでタヌキさんの叫び声が聞こえますねぇ。
手紙には何が書いてあったんでしょう?
さて、ぼくは次の配達に行きますよ!
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