8、月日の流れは早い。


 皆さん。あれからもう5年経ちます。俺、もう15歳ですよ?


「うぅ……。ルークが、ルークが学校にぃ……」


 毎度おなじみ父の号泣。そう。俺は今日、魔法戦術学園に入学する。


「いつでも帰ってくれていいのよ」


 母が笑顔でそう言う。

 

「そうだぞぉ! むしろ寮じゃなくてここから通ったっていい! そうだ、学園近くに引っ越そうしゃないか!!」

「やめてください……」


 流石に過保護すぎる。

 大体俺の肉体はともかく精神はもう40近くだし。


「もうそろそろ出発しなければ間に合いませんよ」


 メイドの一言で、父は決意した。


「よし。私の領地に学校を作ろう!!」

「はい……?」

「そうすれば安心してルークも学校にいけるだろう?」


 訳わからないことを言い出す父。


「ルーク、この人のことは放っておいて行きましょう」

「そうですね、母様」


 俺たちは車に乗り込む。


「待ってくれ!」


 父も慌てて乗り込んだ。




 ――――

 

 俺の通う学園は王都にある国で一番規模のでかい魔法戦術学園だ。

 ここでは初等部の成績が良いもの、または貴族だけが入れる。後は地方の学園に入学する。王都魔法戦術学園は、高き門だ。

 俺が初等部に行っているの描写がない? 家庭教師がいたんだから学校行く意味ないだろ。

にしてもここ、めちゃくちゃ広いなあ……。

 

「緊張してるの?」


 門の前で立ち尽くしていた俺をみて母が言う。


「少しは……」

「大丈夫よ。ルークなら学校生活にすぐ馴染めるわ」

「いじめられたらすぐ言うんだぞ!?私の権力を持ってそいつをつぶす……」


 物騒な父だなぁ。


「すごく広いですね」

「そうね。私も入学した時は広すぎて迷子にしょっちゅうなったもの」

「え、母様の母校なんですか?」


 初耳だそ?

 


「そうよ。料理長や貴方の家庭教師は私の同級生なの」

「初めて知りました……」

「私はここで大切な仲間や友達を見つけた。大切な人を作ることは貴方のこれからの財産になると思う。勉強や鍛練で忙しいかもしれないけど仲間を大切にするのよ?」

「はい!」



「ドウヤッテツブシテヤロウカ……シャカイテキニマッショウ? ナマヌルイナ……」


 そんな俺らの隣にはずっと何かを言う父がいたのだった。




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