6、待ってました!魔法についての講義


 今日は、誕生日がおわって初の授業。この日をどれだけ待ち望んでいたか!


「私は魔法について講義いたします、フューリスです」


 そこにはまさかの料理長がいた。


「えっ?どういうことですか……?」

「私はもともと戦闘職で魔法使いでした。訳あって今では料理長として働いてますが」


 なるほど、料理長がやけに力が強かったわけがわかった気がする……。


「でははじめましょうか。ルーク様の属性は風と無属性でしたよね?」

「そうです」

「では、まず属性について教えますね」


 魔法には属性が存在する。まず、基本の4属性の炎、水、風、土。4属性は戦闘職ならば必ず一つは持っている。そしてそれに加え、光闇、無属性などがある。


「風はその通り風を操ることができます。そして、無属性は空間を操る属性です」

「空間を操る?」

「はい。例えば……」


 フューリスは手を横に伸ばす。すると裂け目ができ、その裂け目に手を突っ込んだ。


「このように空間を生み出したり……」


 手を引っ込めると包丁を握っていた。


「こんな風に物を出し入れすることも可能です」

「凄い! めちゃくちゃ便利ですね!!」

「はい。他にも空間を歪めて目視しづらくしたり、瞬間移動みたいなこともできるようになります」

「ほんとですか!? すごい!」


 めちゃくちゃ便利じゃん!無属性、サイコー!!


「ただこう言ったことは、鍛錬で少しずつできるようにしていくものですので今はなにもできませんよ?」

「……ですよね〜」


 分かってたよ?分かってたからね!


「ルーク様も魔法を使ってみましょうか」

「はい!」


 たのしみだなぁ!





 ――





 魔法ってキッッッツ!!

 誰だよ、簡単そうに魔法使ってた野郎は!?

 長距離走った後みたいにキツいんだが!?しかも魔法らしきこと何も起きないし!


「魔法は体のエネルギーを魔力に変換させて出す物です。筋力、体力といったものが魔力となります。だから体を鍛えることが魔法を極めることと同じになるのです」

「つまり戦闘職でも体力ない人は魔法も使えないと?」

「そういうことです。ルーク様は技術はありますが体力が追いついていません。だから明日からはしばらく体力作りをしていただきます」


 魔力って生まれつきあるまたは空中に漂ってるものだと思ってた……。ラノベの嘘つき!


「最初から打てるわけではないんですね……」

「確かに最初から魔法を放てる方も存在します。ただあまりにも少ない。だからそう言う人は間違いなく天才ですね」


 前世にもいたなぁ。どんだけ頑張っても才能だけで覆してくる奴。


「ですが魔法は鍛練するほど伸びます」


 ヒューリスは真剣な眼差しで続ける。


「技術は天才には叶わないかもしれない。だって努力しなくても出来ちゃうんですから。でも、何もしない人の体力が増える訳がない。だから魔法は努力の結晶だといわれます。魔力は少ないが技術はある天才ではなく、努力で魔力が多い人こそ尊敬されるんですよ」


 前世は結果しか見てくれなかった。努力しても使えなきゃ意味がないから。

 でも、俺は努力を評価するこの世界の方が好きだ。

 

「魔法の指導お願いします!」

「こちらこそお願いします、ルーク様」



 鍛練は始まった。




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10月25日


シリアス気味になっていたので変えました。


この話の主人公はできる限りポジティブな性格にしたいので。

(ギャグ多めの話のつもりなので。)

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