とある冒険者のお話
緑茶
第1話-Eランク
いつものように朝に起き、いつものように朝食を食べ、いつものように服を着替え、いつものように日光を浴び、いつものように雑草を刈る。
こんな日常ももうすぐ終わりを迎えるところだ。
今回の任務で冒険者としての位、つまりは冒険者ランクがFからEに変わる。
やっと最低ランクから抜け出して戦闘がある任務ができる、、、と軽い足取りで冒険者協会へと向かう。
「はい、この任務でEランクへの必要任務達成回数と必要経験値を上回ったので、Eランクに昇格できるようになりました!もうこのまま昇格手続き済ませますか?それともこのままFランクのままにしますか?後からでもいつでも昇格はできますよ〜」
「もちろん昇格でお願いします!」
「わかりました!では昇格手続きの準備をするので少々お待ちくださいね〜」
と若い協会の女性が協会の奥へと歩いていく。
「おっ、兄ちゃん〜Eランク昇格か!こりゃめでたいことだな!」
「あっはい!ありがとうございます!」
「Eランクになったらやれること急に増えるから頑張れよ!こっからは飛び級とかもあるから一攫千金も狙えるぞ〜はははっ!」
「こらこらエリー。ダル絡みしない。」
「あぁ?ダル絡みぃ?これのどこがだるいってんだよ、、、」
今日も協会は平和だ、そうしてるうちに協会の女性が帰ってきた。
「はい、準備ができましたよ〜、この紙にサインしてくださいね。あっ、一応注意書きも見てくださいね〜、サインしたらまたこちらに持ってきてください〜。」
「ありがとうございます!」
そうして近くの椅子に座り、注意書きをしっかり確認してサインをした。
「はいっサイン確認しました〜。これで晴れてEランクです!おめでとうございます!!では装備をお渡しするのでこちらへどうぞ〜。」
この世界では装備がかなり重要で、持ち主と共に成長していく装備になっている。
その過程で固有のスキルなどを獲得できるようになっている。
初期の形は全て同じで普通の鉄の剣のような形をしているが、経験を積むにつれて装備者にあった形へと変化していく。
「こちらがお渡しする装備になります〜、これでたくさん経験を積んでくださいね!」
「はい!ありがとうございます!」
とお辞儀をして冒険者受付カウンターを後にしようと思ったが、まだ日は頭上にある。
「一回任務受けてみよっかな」
と任務ボードへと足を運び、Eランクの任務を探す。
「もうFじゃないのか〜。なんか新鮮だな、、、!」
Eランクの任務は、冒険初心者が戦闘に慣れるように比較的容易な戦闘を含む任務が主で、相手はスライム(推奨ランクF(緊急時に限り戦闘可)・E)から少数のゴブリン(推奨ランクE・D+パーティー推奨)くらいだ。
少し難易度が上がるが、探査済みの小規模なダンジョンの掃討などもある。
ここには基本はフクロコウモリ(推奨ランクE)の群れや、たまにゴブリンが棲みついてる場合もある。
稀だがゴーレム(推奨ランクE(パーティー時のみ)・D・C+パーティー推奨)が出ることもあり、最近ではダンジョンの掃討はDランク以上の方がいいんじゃないかと議論されていた。
初心者の安全重視派と、調子に乗った者への警告派の二つが現在は有力でだったが、結果的には間をとる形で、ダンジョンの掃討はパーティー時のみEランク冒険者でも可能となった。
「これにしよ。あんまり最初から調子に乗ると痛い目見そうだし、、、」
と、スライム討伐依頼の張り紙を手に取り、カウンターへと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます