後日

 なあしんちゃん、子供生まれたよ。私たちの子供。

 元気な男の子。そして玉のような女の子やよ。

 双子さずかってん。

 実は検査で私は分かっとったんやけど、進ちゃんに伝えるヒマ、あれへんかったね。

 あったとしても、言わなかったかもやけど。あなた、サプライズ大好きやから。


 今はな、あの家を売りに出しとるところ。荷物は片付けといた。

 美桜みおもすっかり元気になって、昨日なんか、自分が友だちから貰ったのに失くしたいうてたお手玉のアタマ、自分でこしらえとったよ。中に小豆あずきをぎょうさん詰め込んで、ジャラジャラいわせて喜んどった。


 そういえば、クロノアが産んだ子もすっかり大きくなっとるよ。可愛い可愛い女の子やよ。毎日美桜やクロノアとじゃれあって、やんちゃでちょっと困っとるくらい。名前はまた美桜の思いつきで〝ミケランジェロ〟やて。普段は〝ミケ〟って呼んどるけどね。


 ……なあ、進ちゃん。

 はよう帰ってきて。どこに行っちゃったのよ。私、あなたの手ででられたい。くだらないことで喧嘩けんかしてアイスクリームでご機嫌取られたい。生まれた子たち抱きしめて欲しい。


 この子たちの名前、私が決めたんやって。あんま覚えてへんのだけが心残りやけど。

 きっとあなたにも気に入って貰えるんちゃうかな。


 男の子は、光希みつき。光り輝いて希望にあふれた人生を歩んで欲しい。

 女の子は、乃愛のあ。芯が強くて愛情にあふれた人生を歩んで欲しい。


 どうや、中々やろ? 進ちゃんにも気に入って貰えるとええなあ。

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