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……俺は今、夢を見ている。
いつの時代か、どこの家かも分からない部屋の中、お手玉をしている夢だ。
目の前には木で作られた
時折和服姿の
俺はそれを黙って食べ、ひたすらお手玉に
俺はその時、自分が何故か
意識が飛び、今度はどこかの住宅街を歩いていた。
時代が違うのだろうか、電柱も電線も見当たらない。道の両端には古びた民家が立ち並ぶ。どの家にも
また場面が切り替わり、今度は立派な神社がある。心なしか足取りも軽い。
俺の記憶にはない所だったが、どことなく
また意識が飛んで、再びどこかの家の部屋の中でお手玉をしている。
すると
男は俺の首を
その後、男は和服を荒々しく脱ぎ始め――俺に
そこからは何故か痛くて、辛くて、苦しくて、臭くて、嫌な気分しかしなかった。
そして……意識はそこで途切れる。
再度場面は変わり、三度部屋の中。俺はひどく
泣いているのだろうか、視界が
やがて部屋の空気が重くなった感じがして、俺は満足に身動きが取れなくなった。
そして、以前とは別の男が
それは俺の子供だった。いつだったか覚えてもいない
子供は
井戸を覗き込んで泣き叫ぶ俺も、井戸の中に蹴落とされた。
その後井戸に蓋がされ、さらに何かが俺の体を縛った。
俺は必死に上へ上へ飛び上がろうと試みたが、すべてが徒労に終わった。
その時、誰かの声が俺の頭に響き渡る。
〝
そこからは、暗闇の中で眠り続ける日々だった。
時折、俺を見張り続けている存在が
悪意は感じられない。ただ、本能のままに求めている感じがした。
俺はその存在にはどうしても逆らえない。まるで
ある時、まるでタガが外れたように視界が開ける。
見張りの目がふと消え、自分を取り巻く一切が軽くなった。
今なら逃げ出せるかもしれない、俺はそう思った。
俺は必死に壁をよじのぼり、ついに外へ出られた。
久しぶりに見た景色は様変わりしていた。
俺にとって見慣れた、あの家だった。
そして、一人の少女と出会った。俺はその顔を忘れることなどない。
その少女は俺と友だちになった。
家に遊びにいって、お手玉を少女に教えてあげた。
少女は笑顔を絶やさない。俺は
本当に久しぶりに、優しさに触れられた気がした。
俺は人の心からの願望を実現した。
代償は、新たに生まれくる生命だった。
それが俺の力で、縛りだった。
俺は人が心から
その見返りに、新たな生命を求めた。
ある日、友だちだった少女が階段から突き落とされた。
世界が暗転し、ついで真っ赤に染まった。
これほどの感情は経験したことがないほど、怒りと哀しみに支配された。
少女は息をしていなかった。
このままでは
俺は少女の意識を繋ぎ止め、支えた。
俺はその少女を突き落とした男の親族を
あまつさえそれを闇に
その女をどうにかして欲しいという願いは、
あの女だけは、死後も
そして、今。
俺は俺に泣き叫ぶ。
〝
俺はその願いを聞き届けた。
それが俺の力で、縛りだった。
俺は人が心から
己でなく、他者のために
それが生命を救うことであっても、奪うことであっても。
その見返りに、俺は――
そこで意識が途切れ、暗闇に支配される――寸前で、俺は再び誰かの声を聞いた。
〝案ずるな。あの子はおはぎを食うておらぬ〟
意味は分からなかったが、俺は何故かその言葉で安心し――今度こそ意識を手放した。
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