天使は正す者
@lime_karakara
第1話
貴方は天使だ。
そう頭の中に声が響いた途端に眠気がどっと私を襲った。
私はまだ虚ろな頭を覚まして起き上がる。
あれから何時間立ったのだろう。
こんな場所に私はいなかった。
薄暗く不気味な部屋だ。
棚、机、椅子、扉がある。机の上には鏡と紙。
ここは、何処なのだろう。
言いようもない不安が押し寄せる。
何故か眠っていた前のことが何も思い出せない。
私は、誰なのか。
紙に文字が書いてある。
「紙…読んでみよう」
手書きで読みづらいが、こう書いてあった。
おちた人間よ、自分の姿を確認しろ。
お前は嘘に塗れている。
嘘?
記憶を呼び起こそうとしてみても、出てくるのは不安だけだった。
私は紙に従い、鏡で自分の姿を見た。
長髪な黒髪に、淡い菫色の目、薄い桃色の唇。目は控えめに開かれている。
何もおかしいところはない。
「探索、してみよう」
最初に、机の引き出しを開けてみることにした。
きーっ、きーーっ。
所々引っかかりながら引き出しを開けた。
「これは……ナイフ?」
中には錆びてはいないけれど古そうなナイフがあった。
護身用、と他に何か役に立つかもしれない。
棚には、沢山の何なのか分からない薬と、エタノール、ライターがあった。
エタノールとライターは使えそう。
私は見つけたナイフとエタノール、ライターを机に置いた。
「何か、バッグみたいな物は…わっ」
足に何かが当たった。机の下を見てみると、肩にかけることが出来る黒色の鞄がある。
この中に入れて、肩にかけて持っておこう。
大体探索は終わったかな。
私は足早に扉に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます