アルシの赴くままに
森林幹
第一話 転生
目が覚めた。
意識ははっきりとしていてしていないような変な感覚だ。
目も見にくい。
あたりの状況を確認するために起き上がろうと思い身体に力を入れる。
身体を動かそうにもなかなか動かない。
いや、動かないと言った方が正しいだろう。
次に耳に意識を向けてみた。
さらさらと水の流れる音がする。
どうやら川の近くにいるらしい。
身体が動かなくて、川の近くにいる?
おかしい。
そうだ、これは夢だ!!と決定づけ俺は寝る事にした。
おやすみ〜
__________
ゴロゴロー!!
雷の音で再び目が覚めた。
今度は意識がはっきりとあったが目は見にくいままだった。
身体も動かない。
解せぬ・・・
呑気に身体が動かなくて最悪ーとか思ってたけど、今の自分の置かれてる状況を確認すべきだと思った。
まず、これは夢じゃない。
意識がはっきりとしたことで判りたくないことをわかってしまった。
それになぜ俺がここにいるかも思い出せないし、俺自身何者かも思い出せない。
っていうか思い出せないとか異世界転生の流れじゃね?きたかコレ?
んーでも異世界転生だったとしても喜べないのが現実である。
そもそも今いる場所が外っぽくて、川に近いとかいう訳のわからない状況。
尚且つ雷さんがゴロゴロ鳴っていて雨が降りそうである。
そしてこの身体がベイビーである可能性が高いと言うことだ。
身体が毛布みたいなのに包まれていて籠の中にホイされている。
毛布と見栄を張ったが全然暖かくない。
せいぜい布と言う表現がいいところだろう。
ここからが重大だ。
俺は、捨て子だ!!ドーン!!・・・
だいぶ前から薄々そうなんじゃないかなーそうじゃないといいなーと思ってたけど現実は甘くなかった。
俺の人生こんなに短く終了してしまうのか・・・楽しかったぜ!ベイビーライフ!!
マイナスなことばかり考えていたら気分も下がると思ったのでポジティブなことを考えて気分を上げていこうと思った。
まずこの場所の良いところだ。
おそらくだが屋根のある場所にいると思う。
橋の下だ。
さらに背中が痛くない。
意外とこのカゴも寝心地がいいのだ。
あとは川のさらさらとした音が聞こえる事だろう。(雷の音は鳴ってるけどネ☆)
うん、それだけ。
それだけなんだよなー
でもでも、俺が将来超絶美人とかイケメンになる可能性だってあるのだ。
俺という一人称を使ってるから精神的には男だと推測する。
クールな俺様系女子でもいい。
むしろそっちの方がいいまである。
俺の前世はクールな俺様系女子で決まりだ!
そんなことを考えてたら雨が降ってきた。
しかも結構強いやつである。
俺死ぬんじゃね?
だがしかし、俺にはまだ可能性がある。
それは今雨が降った事により全ての条件が揃ったからだ。
橋の下、川の近く、捨て子、大雨ときたら神父様の登場しかないだろ。
神父様ー迷える子羊がここにいますよーだから早く来て助けてくださーい。
神父様ー!!
_______
読んでいただきありがとうございました。
森林幹と申します。
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