魔鏡2
天川裕司
魔鏡2
タイトル:魔鏡2
私には愛する彼氏が居た。
でもその人はもう遠い世界の人。
そう、この世にもう居ないのだ。
でも彼の思い出は私の目の前にいつでも居てくれる。
悲しい時や何かで落ち込んだとき、
私が会いたいと思えば彼は出てきてくれるのだ。
決して幽霊の類なんかじゃない。
純粋に私が彼のことをずっと想い続けて居るから
彼はそれに応えて出てきてくれる。
誰がなんて言っても構わない。
私と彼の2人が幸せならそれで良いのだ。
今日は友達が部屋に遊びに来て居た。
順子「ねぇマキ、ちょっと鏡貸してね」
「いいよ」
順子は化粧直しに私の部屋の鏡の前に座った。
これから彼に会いに行く様子。
「…順子はイイなぁ、愛する彼がちゃんと居てくれて」
順子「えぇw?なに言ってんの、マキにだってちゃんと居るじゃない、愛する彼氏」
「んーまぁそうなんだけどさぁ」
順子「で?彼とはもう結婚の約束してるの?」
「ん?結婚?あー、まぁね。初めはあんまり乗り気じゃなかったようだけど、最近、納得してくれてる」
順子「納得w?へ〜そうなんだ。なんか変な感じw」
「へん?」
順子「いや納得ってさ、愛し合ってるから結婚するんじゃないの?理屈じゃないと思うけど?」
「まぁそうよね。でもカップルによっていろいろあるのよ」
順子「ふーん、まぁそんなもんかなぁ。あ、ありがとね♪」
そう言って彼女は部屋を出て行った。
順子が座って居た椅子に座り、鏡と向き合う私。
「…やっぱり順子には見えないのよね、あなたが」
彼は鏡の中から私に向かって
ずっと微笑み続けてくれて居る。
この微笑みが、何かを訴えるような
ものすごい形相になることもあるけれど、
今日は笑ってくれてる。
私の気持ち次第で、この顔は変わるのだ。
「心の鏡」私はそう呼んでるけど。
「さ、新しい彼氏に会いに行こうかな♪」
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=WOYt5uCwCeQ
魔鏡2 天川裕司 @tenkawayuji
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