第7話 師との出会いと成長の道

 安政4年(1857年)2月、江戸湾警備のため相模に派遣されていたとき、上司として赴任してきた来原良蔵と昵懇となり、その紹介で吉田松陰の松下村塾に入門する。伊藤は友人の稔麿の世話になったが、身分が低いため塾の敷居をまたぐことは許されず、戸外で立ったままの聴講に甘んじていた。


 渡邊嵩蔵 「伊藤公なども、もとより塾にて読書を学びたれども、自家生活と、公私の務に服せざるべからざる事情のために、長くは在塾するを得ざりしなり」


 翌安政5年(1858年)7月から10月まで松陰の推薦で長州藩の京都派遣に随行、帰藩後は来原に従い長崎へ行き、安政6年(1859年)6月まで長崎海軍伝習所で勉学に努め、10月からは来原の紹介で来原の義兄の桂小五郎(のちの木戸孝允)の従者となり、長州藩の江戸屋敷に移り住んだ。ここで志道聞多(のちの井上馨)と出会い、親交を結ぶ。


 #### **シーン1:相模の地**

**背景:** 1857年2月、安政4年。江戸湾警備のため、相模に派遣された伊藤博文。彼は軍務に励みながらも、常に学びへの渇望を抱いていた。


**登場人物:**

- **伊藤博文**(若き士官) 山崎賢人

- **来原良蔵**(上司) 江口洋介

- **吉田稔麿**(友人)工藤阿須加


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**ナレーション:**

「伊藤博文はこの地で、運命的な出会いを果たす。それは、来原良蔵という上司との出会いだった」


**伊藤博文:**

(軍の訓練中に一息つきながら)「相変わらず忙しい日々だが、学びへの熱意は消えない。もっと知識を得て、国のために役立ちたいものだ」


**来原良蔵:**

(近づいてきて)「お前の学びへの情熱は知っているぞ、伊藤。実は、私には知己がいて、彼の教えを受ける機会を与えてやろうと思っている」


**伊藤博文:**

(驚きと興奮で)「知己…ですか?誰ですか、その方は?」


**来原良蔵:**

「吉田松陰という男だ。彼の塾、松下村塾では、若者たちが未来を変えるために学んでいる。お前にも、そこに加わることを勧めたい」


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#### **シーン2:松下村塾の敷居**

**背景:** 松下村塾の前、伊藤は稔麿の助けを借りて入門の準備を整える。しかし、彼の身分の低さが大きな壁となっていた。


**登場人物:**

- **伊藤博文** 山崎賢人

- **吉田稔麿** 工藤阿須加

- **吉田松陰**(塾長) 斎藤工

- **渡邊嵩蔵**(塾生)志尊淳


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**伊藤博文:**

(松下村塾の前で、稔麿に導かれながら)「稔麿、俺は本当にここで学ぶことができるのだろうか…。身分の低い俺が、この塾の敷居をまたぐことが許されるのか?」


**吉田稔麿:**

(微笑んで)「心配するな、博文。吉田松陰先生は、身分ではなく志を大事にするお方だ。だが、確かに今はまだ敷居をまたぐことは難しいかもしれない。しばらくは外で聴講する形になるが、それでも学ぶ機会は十分にある」


**渡邊嵩蔵:**

(横から)「伊藤公も、ここで学びを始めたが、彼もまた自分の立場ゆえに長く塾に居続けることはできなかった。だが、それが学びを止める理由にはならなかったのだ」


**伊藤博文:**

(決意を固め)「わかった、稔麿。俺はどんな状況でも学び続ける。塾の外からでも、必ず松陰先生の教えを身に付けるぞ」


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#### **シーン3:松下村塾での学び**

**背景:** 松下村塾の戸外で、伊藤は毎日立ったままで講義を聴いている。風が吹く中、松陰の声が彼の心に深く染み入っていく。


**登場人物:**

- **伊藤博文**

- **吉田松陰**


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**吉田松陰:**

(講義をしながら)「未来を担う者たちよ、学びは知識を得るだけでなく、それを実践することが大切だ。世に役立てるために、何を成すべきかを常に考えよ」


**伊藤博文:**

(立ったまま、真剣に松陰の言葉を聞きながら)「実践か…学びをどう活かすか、それが問われる時が必ず来るんだ」


**ナレーション:**

「伊藤博文は、松下村塾での経験を通じて、ただ学ぶだけではなく、学びを実際の行動に移すことの重要性を学び始めていた」


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#### **シーン4:長崎への旅立ち**

**背景:** 1858年7月、松陰の推薦で伊藤は長州藩の京都派遣に随行する。その後、来原とともに長崎へと向かい、さらなる学びを求めて海軍伝習所での勉学に励む。


**登場人物:**

- **伊藤博文** 山崎賢人

- **来原良蔵** 江口洋介

- **桂小五郎(木戸孝允)** 鈴木亮平

- **志道聞多(井上馨)** 瀬戸康史


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**ナレーション:**

「松陰との出会いから数年が経ち、伊藤博文は新たな道を歩み始めていた。長崎での学びは、彼にとってさらなる成長の場となり、そこでの出会いが彼の未来を大きく変えることになる」


**来原良蔵:**

「伊藤、長崎海軍伝習所での学びはお前にとって大きな力となるだろう。だが、それ以上に重要なのは人との出会いだ。桂小五郎と志道聞多、彼らとの親交は今後のお前の人生に大きな影響を与えるだろう」


**伊藤博文:**

(決意を胸に)「はい、来原さん。学びと共に、これからの人脈も大切にし、志を果たすために精一杯努力します」


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#### **シーン5:桂小五郎との出会い**

**背景:** 長崎から戻った後、伊藤は来原の義兄である桂小五郎に紹介され、彼の従者となる。ここでの出会いが、伊藤の未来に重要な影響を与える。


**登場人物:**

- **伊藤博文**

- **桂小五郎(木戸孝允)**

- **志道聞多(井上馨)**


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**桂小五郎:**

「伊藤、君は松陰の弟子であり、長崎でも多くのことを学んできた。これからは、我々と共に新しい日本を築くために力を貸してほしい」


**伊藤博文:**

(深く頭を下げ)「桂様、私の力が少しでも役立つのであれば、どんなことでもお手伝いさせていただきます」


**ナレーション:**

「こうして伊藤博文は、桂小五郎や志道聞多らと共に、時代の大きなうねりの中に身を投じていく。彼の成長は止まらず、やがて日本の未来を担う人物として、その名を刻むことになる」


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### **第7話 終了**


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次回、第8話では、伊藤博文がさらに多くの志士たちとの出会いを通じて、幕末の動乱の中でどのように成長していくかが描かれます。

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