流され、ずるずると掌で転がされる
木場篤彦
第1話最低だった彼
私は去年担任を務めたクラスにいた黒瀬慎司という生徒に呼び出され、教室に脚を踏み入れた。
教室の中央に置かれた席の机に、彼は腰を下ろしており、私に気付くと机から下り、歩み寄ってきた黒瀬。
彼の顔には瞳を逸らしたくなる程のにまにました笑みが張り付いていた。
「はぁ〜ぎのせんせっ!来てくれてありがとうございますぅ!俺ぇ、萩野先生が好きなんです。付き合ってください、萩野先生」
「ぁあ……その気持ちは嬉しいけど、無理よ。教師と生徒では……駄目なの。黒瀬さん、解るでしょ……?」
「そうですかぁ……無理ですか、じゃあ俺と一度でいいんでセックスしてください。ゴムはつけるんで安心してください、萩野先生」
彼がスラックスのポケットから出した未開封のブツを見せながら、言った。
「黒瀬さん、貴方……何を言ってるの?正気?貴方とはしません、そんないかがわしい行為なんて。冗談はやめてください、黒瀬さんっ!」
「冗談か〜……本気なんですけど、俺。そう言えば……いつか忘れたんですけど、鈴木洋平って生徒と萩野先生が校内でキスしてんの見たような〜」
私は彼に私と鈴木洋平という生徒が校内で唇を重ね合う写真が表示されたスマホを見せられた。
「くっ……黒瀬さん、あぁ貴方は、私を……脅すんですか?」
「俺が萩野先生に脅し……?ちょっとした提案をしてるだけですよ。やだなぁ、萩野先生。鈴木とはどこまで進みました?あいつのアレ、見たんですか?アレの臭い、興奮しました?あいつのアレを萩野先生は咥えて——」
「やめてぇーーっっ!!それ以上は気持ち悪いこと、言わないで。黒瀬さん……ほっ、ほんとにあの黒瀬さんなの、貴方?」
「俺は俺だよ、萩野先生。そう……萩野先生、過去に一人や二人はしてるかと思ってたんですけど……そうですか。で……俺とシてくれますか?」
「最低だよ、黒瀬さん……しぃっ……したくない」
「ふぅ〜ん……北原先生にコレ、見せますか」
「摩耶っ!?やっ、やめて!それはやめて、黒瀬さんっ!やめてよ、ねぇ黒瀬さん!」
「やめてほしいなら、どうすれば良いか……萩野先生、解りますよね?」
「うぅぅっっ……でっ、でぇもぅ……」
「一度だけですよ、萩野先生。楽しみだなぁ……」
私は彼に肩を押され、教卓にぶつかりそうになり、両手を教卓についた。
追いかけてきた彼が私の腰に片手を触れながら、お尻を突きだすような体勢に動かしながら、脚を開かせてきた。
私は抵抗するが、ショーツ越しに彼の指が擦れて、悲鳴と喘ぎ声の混ざり合った私の声と彼の荒い息遣いとなじる言葉が教室内に響く。
彼の指が膣内に挿れられ、蠢き、上下に動かされ、堪えられなくなった身体はどろっとした汁を膣内から溢れさした。
彼がついに穿いていたスラックスを下ろし、太くて大きなアレを私の膣内に挿れ、突きだした。
私は彼に腰を掴まれ、突かれながら脳内で鈴木に謝罪を繰り返した。
私は何度も絶頂かされ、床に倒れ身体を痙攣させていた。
見下ろす彼に、「ほんと最低よ、黒瀬さん……」と絞り出した声で言う私だった。
「気持ちよかったね、萩野先生。これで好きな鈴木とヤりやすくなったね。じゃあ、また明日ね〜萩野先生ぇ〜!」
黒瀬は悪びれる様子もせずに、私の傍に屈んで、髪を撫でながら愉しげに笑いながら言う。
教室を出ていく彼の背中を潤んだ瞳で睨む私だった。
「くぅ……黒瀬ぇぇ……」
私の怨みがましい声は虚しく消えていった。
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