第2話

私と言うのもおかしいか。

でも一応メスという分類で生きているのだから『私』でいいのだろう。



私は人間からはサラと呼ばれている。

私は日本のどこかで心の赴くまま暮らしている。


そう私は皆が目を見張る黒猫。


飼い主がいるわけでもない。

かと言って野良猫ってわけでもない。



自由気ままに生きてるの。

楽しいか楽しくないかで言ったら猫に生まれた以上楽しみたいと思ってる



私は自由な生活がいいから『自由』に過ごしてる。




どこの仲間にも属さない。

友達なんていない。



にゃーって鳴いたらある程度可愛がってもらえる、それでいい。



気楽に生きたい。

面倒なことなんて大嫌い。


一応みんなから可愛がってもらえるから毛並みは綺麗よ!



艶やかな黒猫である程度気品を持って生きてる。








私のそんな自由気ままな猫人生が一変しようなんて誰が考えたかしら?




私は考えなかったわよ!

私は自由に暮らすの!


これからもこの先も!




でもある日起きるとふかふかの今まで寝たことがない柔らかいものの上にいたの。




そこがどこか全然わからなかった。



でも体がなぜか重い!

それに熱い。



『なに?この感覚』





「おはよう」




『おはよう?』って何?

猫の世界では、『にゃー』よ?




ん?




この物体何?





隣にいるこの人間は誰?



いつから私は飼われたの?



「どうしたの?花梨?」




『かりん?』

私はサラだけど?



『ああ、かりんって名前をつけられたのか』



「にゃー」



「え?花梨?にゃーって何?」




『え?にゃーが通じないって何?』




私は人間の言葉はある程度わかるから相手が言ってることは理解できる。



「そろそろ起きて出かける準備しようよ」




その男性は私がいることが当たり前のように話を進める。



そろそろ起きなきゃはあってるか私は自由気ままに生きてるからそんなに睡眠を取らないで生活している。



そりゃそうよ!

私が睡眠に時間を費やしてる間に命狙われちゃうから




ふわふわした感覚に包まれたまま



体を起こそうとしたら『重い』



「花梨、大丈夫?」




新しい名前は気に入らなくもないけど大丈夫なはずないでしょう?


この可愛い私を抱き上げなさいよ

ほら、早く!




え?






え?






前足が変なところから生えてる?





ん?



私の艶やかな黒毛は?



私はこんなに体毛薄かった?




この変な感覚はさっきからなんだ?




よろよろとよくわかっていない自分とよくわからないやたら親しげな飼い主らしきひと




とこれから生活していかなきゃな




と思っていたら何か様子が変だ。





すごい長い黒いものがバサっと降ってきた…





これってもしかして…

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