ただの相談役ポジなんだが攻略対象の男たちに言い寄られているようで?
紫吹 橙
第1話 始まり
どうも皆様こんにちは。俺は
名前を知ってもらう必要があったということで許してほしい。それでまた突然なのだが、実は俺は転生している。
前世?はただの男子高校生。友人を通り魔から守り死んだ。
俺の記憶はそれで途切れている。
しかし、次に目を覚ましたらこの世界で生を受けていたのだ。妹の影響で天才やなんやらの知識はあったけれど、まさか自分が体験することになるとは思ってなかった。
こういう時って大体ドラゴンとか出てくる異世界とかに行って、強くなってドヤるみたいになるのかと思っていたのだが違うんだな。違うとしてもまさかの世界に生まれたものだ。
俺が転生した世界はどうやら漫画の世界であった。それも、俺の妹が描いていたBL漫画。俺と、俺の友人たちをモデルにしたものである。モデルにしたいからと言われて許可を出したのだが、いたたまれないからあまり読んだことはなかった。
だから話の流れを詳しくは知らない。けれど、攻略していく感じにしたと言っていたし乙女ゲームの主人公を男にしたみたいなものだろう。ゲームではなく漫画だが。
まあ、俺はただのモブキャラで関わることもない奴だろう。
そう思っていたのに……
「ナル!何ボーッとしてんの⁈電柱にぶつかるよ⁈」
「うわ、まじだ危な!ありがとソラ」
「もーヒヤッとしたよ……」
電柱に当たりそうだった俺に声をかけて回避させた茶髪のふわふわした髪の男。
それこそがこの漫画の、世界の、主人公である。一目で分かった。
だって俺の前の姿とそっくりなのだから。分からないはずがない。
そして何故そんな奴が俺の隣を歩いているのか。それは、主人公こと
初めて会った時から記憶を覚えていたから思わず『俺⁈』って叫びそうになったんだよなあ。ギリギリ叫ばなかったんだが。
というか、俺に幼なじみはいなかったのにキャラとして出していたのか?まさか俺がそれになるとは思わなかった。
まっ、そんな感じで俺とソラは仲のいい幼なじみへと成長した。
「はー入学式緊張する……」
「だーいじょうぶだって!ほら、ソラもシャキッとする!」
俺はソラの背中をバシッと叩いた。
行事の度に臆病になるソラの背を押すのはもう慣れた。
今日は高校の入学式。
なんだか前に通っていた学校の名前に似ているのは気にしない。
おそらく、今日からが始まりの日。
さて、幼なじみといえば相談ポジ。
妹が何考えて描いていたかは知らないが、俺は俺らしくさせてもらおう。
いっちょ気合い入れて頑張っていくか〜
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