第33話 Day17 The Deer(鹿)
Day17 昼3時半 ちょいすぎ
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叔父さんは言った
日本に住むなら日本車を買うべきだ!
アメリカに住むならアメ車を買うべきだ!
日本という海を越えた小さな島国
そこでは世界で乗られている品質と燃費の良い車が作られている
日本という国ではメートル法を使用されている
その為 道路で出せるスピードがアメリカと比べて遅い
ロードキルでは野良猫、野良犬など小さいものが多い
そして家とガレージの大きさ
大きいアメ車はほとんど論外である
じゃー小さいアメ車ならどうか?
もし車を買ってユタ州までオイルチェンジの為 行けって言われて行くか?
行かねーだろ!
ディーラーの数が日本車とアメ車で違い過ぎるんだ
アメ車のディーラーは日本では数える程しかない
それに比べ日本車のディーラーはどこにでもある
小型車で値段が同じ。。。それがどうした? 誰も買わない
メンテナンスするだけで大手間かかるんだから
GMはバカだ 撤退したフォードは正しい
例外は高級車のベンツとぐらいか
じゃー アメリカならどうだ?
日本車の品質は良い でもそれじゃーダメなんだよ
フリーウェイの
老人が運転してるか? 日本車を運転してるかのどちらかだろ?
燃費がいい分 加速が全然 足りねーんだよ
フリーウェイに乗るときに加速が足りない
下手したら事故るぞ!
次にロードキル
リス、スカンク、ウルバリンなどの小型もいるが
アメリカでは ほとんどが鹿だ!
そしてアメリカでは鹿は
鹿を避けようとして大事故がおこるのが
隣のレーンの車にぶつかったり
道からそれて木に衝突したり
坂から転げ落ちたり等
そして特に夜 Deer in the headlights 鹿はヘッドライトを見ると
危険かどうかを見極める為止まってヘッドライトを眺める習性がある
それを避けようとするのは本当に大事故の元だ!
だから鹿は轢かなければならない
さて これが日本車の場合
では鹿を引いた場合 アメ車ならどうだろうか?
アメ車の場合 鹿を轢くの前提としている為 跳ね返すようになっている
そのように叔父さんから言われていたので男はアメ車を運転している
まー そういった叔父さんは実はプリウスを運転していたのだが
そんな日本車なのだが
実際に男はトヨタに勤める社員
当然ながら会社が売っている車に乗っている
その人と奥さんをサンクスギビングの翌日にPickUpしに行った事がある
T社社員:「鹿を引いたんでPickUp頼めるか?」
男 :「???????」
男は最初 意味が解らなかった
そして行ってみると車は大破
男 :「鹿はどうした? 警察呼べば持って帰られるけど」
T社社員:「逃げて行った」
男 :「はい?」
T社社員:「いや だから 普通に走って逃げていった」
大破して動かない車。。。でも鹿は逃げる事が出来るぐらい元気
それを聞いて男は大爆笑
鹿に負ける車 それが日本車
男 :「あはははははは 鹿に負けたかー
鹿さん 逃げていったかー」
T社社員:「本当に大きい鹿だった」
奥さん :「もうね 本当に大きい鹿だったの
急にね がばっ と出てきて」
男 :「いや でも 二人とも怪我無くて良かったよ
とりあえずレッカー会社に電話かな?
今日がブラックフライデーで良かったよ」
T社社員:「ブラックフライデーで良かった?」
男 :「いや 昨日だったら祝日だからレッカー捕まりずらいし
とりあえずレッカーを呼ぼう
あと折角だし 家に送る前にアウトレットモールにでも行く?
今日だけだよ 独特の雰囲気を味わえるのは」
奥さん :「いいの!! ありがとう」
そして動かない車をレッカーでディーラーに
社員夫婦を折角なのでアウトレットモールで少し買い物
その後 家へ連れて帰った
男は2回程 鹿の狩猟に1人で挑戦した事がある
1回目は充分に準備をし モーテルを3日間予約し
ハンティングライセンスを購入し 朝日が昇る前に挑戦
コーヒーを飲み 迷彩服を着て ライフルを手に いざいかん
***10分後***
”がつーん がつーん”
それは2匹の鹿
鹿の雄と雄が角で戦っている
”ガツ――ン ガツ――ン”
縄張り争い? 雌鹿争い?
珍しい光景をスコープで眺めてたら
”グゴ。。。グ。。。グッ”
それを見ていたら 角が絡まりあった
そして2匹が必至にお互いをけん制しながらも
カラマリあっている角を何とかしようと もがいている
男 :「。。。。。。。。。。。。。。」
その瞬間1頭目をライフルで
”ターン”
ダブルラングヒット 両方の肺を貫通
そして倒れ行く雄に釣られて角が引っかかってる方も倒れる
”カチャ シュンコーン カチャ”
”フッ”
”ダーン”
そっちもヒット
倒れていた鹿への狙撃
少し上からなのでシングルラングだろうが
そして仕留めた獲物を捕りに行く
元々1頭の予定 運が良ければ2頭
そう思ってライセンスを2頭分購入していたが
そく終了してしまった
余っていた2日間は観光に費やした
近くの鍾乳洞が予想より遥かに良く ひんやりした空気を楽しめたぐらいか
***数年後***
もう1度 鹿の狩猟に1人で挑戦
前回のはカウントに入れてはいけないだろう
今度はモーテルは現地で決める予定
ライセンスも現地調達
だったのだが
その狩猟場へ行く途中
男 :「ん。。。。うわ」
急に道路から鹿が出てくる
そして
”どん”
鹿を轢いてしまう
まず車を横道にパークする
車を見てみると少しへこみ あとペンキが剥がれている
運転には全く支障が無い
そして鹿を見てみるが即死している
911で警察に連絡 そしてシェリフに連絡が行き
***15分後***
シェリフが到着
鹿を轢いたことを話 レポートを作成してもらう
鹿を持って帰るかどうか?
持って帰らなければ 破棄されるか
地元の肉屋で解体され炊き出し等に出されたりされるか
当然 鹿を持って帰る選択をする
この時点で男は思った
俺の2回目のディアハントは終了した
途中で車の部品売りの店に寄る
この程度の車の傷なら自分で直せるので
保険には連絡を入れず
保険会社に連絡を入れる度に
保険の月料金がアメリカでは値上げするからだ
鹿の血抜きを軽くして 家で本格的に血抜きをする
そして車はベコッとなってる所を吸盤で数回 吸い取る機具で何とか戻す
そしてラビングコンパウンドというものをタオルに着け 水を付けごしごし
これは
事故った部分のペンキの周りをこれで丁寧にとっていく
次にポリシングコンパウンドというものをタオルに着け 水を付けごしごし
これは磨き用練り剤
これで綺麗にペンキが取れる
乾かしてから車の色のペンキを塗る
そして最後にニス
プロと違い事故った後は残る
が パッと見は全く気付かない
普通にこれで充分だ
叔父さんと木の上から鹿を撃った事は数回あるが
1人で鹿を仕留めた事は無いに等しい
何故ならディアハンティングの手順
本来は
追跡し、見つけ、撃てる角度になるまで移動するのを待ち
タイミングを計り、撃った後 即死でない限り逃げるので
血の跡を追跡し、止めを刺す
これがディアハンティングだ
”ワンワンワンワンワン”
”ワオーン”
そんな鳴き声で目が覚める
なんかあったのかと思い 酒が入っている為
ノロい動作で立ち上がり 念のためライフルを手に
”ワンワンワンワンワン”
”ワオーン グルルルル”
声が近づいてくる
次の瞬間
森から庭の井戸の方へコヨーテ Donahueが走って来る
そして庭の真ん中に大きい角を持った鹿が走りこんで来る
アメリカにいる鹿より二回りも大きい!
そして角が凄い立派だ!
それだけでなく 尖っており少しグレーがかっている
瞬間的に美しいと思ってしまう
鹿が男に気づき左へ行こうとする
そして左側にもう1匹のコヨーテ Ubu
鹿の後ろにはScarが走ってくる
男 :「Scar Move!(スカー 動け!)」
男は後ろにいるコヨーテに右に行くように
本来 近距離ならハンドガンの方が良かったのだが
手に持っていたのはライフル
そして本来の狩猟なら充分 狙ってから撃つのが基本なのだが
鹿の場合 狙い過ぎて逃げられる事が多くある
それを叔父さんから学んでいる
その為 撃てる時に撃つ必要がある!
スコープ
念の為 後ろにいるScarに当たる可能性も考慮してからの叫びだ
Scarが少し右に行く
大体の狙いでライフルから発砲
”ターン”
鹿に真ん中に当たった
肺か胃かは判断 出来ないが当たった事は確か
そしてScarが右に寄った為 北西の方向に囲みの穴が出来たので
鹿がそこから逃げようとする
男 :「Ubu!(ウブー!)」
男の指示で名前を呼ばれた左側にいたコヨーテがそれを阻止する
”グルルルル”
”カチャ シュンコーン カチャ”
”ターン”
リロードが終わって即 発砲
今度は確実に肺に当たった
そして2発目を食らった鹿は大幅によろける
コヨーテ3匹がワンワン鳴き叫び
鹿がよろけながら男の方を向く
”カチャ シュンコーン カチャ”
鋭い角
そのまま突進されてきたら
なので もし突進してきた場合の為 狙い続けているが
それでも銃を構えたままじっと鹿を見る
鹿も暫くじっと男を見ている
そして数秒後
”ドサッ”
鹿が倒れる
男はガレージにあるカットレジスタンス用のグローブを付ける
これは電動ノコギリやハムスライサーを使う時に着けるようのグローブ
アメリカの鹿と違い角の切れ味が凄い
すくなくともこの世界の動物はほとんどそうだ
だから念の為 このグローブを装着
コヨーテ達がうなり続けている間
グローブとナイフを手に 鹿の方へ
まだ生きている
グローブで鹿の角を押しのけ 首を反らせるように
男 :「In the name of Samson(サムソンの名において)」
そう言って鹿の首にナイフをいれ止めを刺す
大量の血が首から流れ出る
鹿の目から光が消える
”ワオ――ン” ”ワオーン” ”ワンワンワオーン”
コヨーテ3匹は満足そうに
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