第31話 Day17 So unnecessary(不要な出来事)

Day17 朝8時半 ちょいすぎ 

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まず 朝 コーヒーを作る

コーヒー入りのカップを片手に ポータブル電源をガレージからだして充電開始

風呂場に行く

生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う

シロ蛇とコヨーテにエサ

コヨーテもシロ蛇と同じく角ウサギの肉をハムハムし始める

育ってんなー 毎日一回り大きくなっている

コヨーテは育ちだ盛りだから まー 分かる 育つの早いけど

でもシロ蛇も育ってんなー


さてと

竹細工で作った魚の罠

ガンベルトとライフル

コーヒーを入れた水筒

ナイフとナフタ石鹸はリュックに

準備は出来た


ソリを引いてひたすら森を進む

3匹のコヨーテにはその辺で遊ぶように

そして ひたすら北へ

川にぶつかる

ただ

問題がある


本来なら ”さらさらさらさら” なのだが

今日は  ”じゃばじゃばじゃばじゃば”


一昨日の雨と昨日の嵐で水位が増している


そこそこの波が出来ており

元来がんらい 透明の川が茶色になって流れている

対岸の4フィート1.2メートルぐらいえぐれてる所まで水が流れている

魚の罠を仕掛けるのは無理かな?

ソリを置いて上流に行ってみる

相変わらず流れが速い

水量も増している

ただ罠は沢では付けられそう

逆に今日なら魚が取れるかもしれない

荒れて波 打っている沢に

そこそこ大きな石を探して

それで魚のトラップが流れないようにして設置


よし


そしてソリがある所まで戻る


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


男は野菜が欲しかった

そして本来なら引き返すべきなのだが

タケノコ 竹を持って帰りたかった

家にある竹は既に終了している

天候が悪いときは竹細工を進めておきたい

その為に竹のストックが欲しい

wader胴付長靴を着こみ

ライフルはソリの上に置く

折り畳みのこぎりをリュックからポケットに

何時もより水位が高く流れが速い川を渡っていく


”じゃばじゃばじゃばじゃば”


波が高くてもギリギリ大丈夫なはずだ

慎重に慎重に渡っていく

そして以前の倍の時間がかかったが無事渡り切る

竹を伐採する 

2本 万歳をして手を上に竹を持ち上げながら川を渡っていく


”じゃばじゃばじゃばじゃば”


川の流れが速いが問題なく渡り切る

一度、往復できた成功体験が男に自信を付けさせる

そして竹2本をソリに乗せ

再び水位が高い川を渡っていく


”じゃばじゃばじゃばじゃば”


何とか渡り切って竹1本とタケノコ3つを取り

ゆっくりゆっくり渡っていく

次の瞬間


”じゃばじゃばじゃばじゃば” ”つるっ” ”ざっぱーーん”


男の足が滑る

そして体の方の部分まで水の中へ

それでも立ち上がれば問題ないだろうと男は思っていた

ただ 問題があった

それは男が濡れるのを防ぐために来ていたウェーダー

水をはじき返すのに凄く効果があるが

男は水の中で転んでしまった

そのためウェーダーの中に水がどんどん入ってくる

それは水の入ったペットボトルが足にまとわりついてくるようなものだ

立ち上がれなくても泳げば良い

男は泳ぎが得意だ

それでも水位が高く、波打っている川は男に泳ぐ隙を与えない

唯一顔が水面より高くなるのが精いっぱいだ


”じゃばじゃばじゃばじゃば”


男はどんどん流されていく

そして男の前には持っていた竹が浮いたまま流れていく

少し前に岩が見える

男は何とか流れにあがなって泳ぐようにし

岩との衝突は岩を蹴って何とか避けられた。。。。が

その反動で川とは後ろ向きに流されていく

次に何が来るのか見えない状態


なんで俺はこんな日に竹を取りに行ってしまったんだ

そんな しても遅い後悔をしながらも頑張る男


”じゃばじゃばじゃばじゃば”


兎に角向きを変えなくては

なんとか体の向きを180度かえる

そして 少しづつ 少しづつ岸の方に泳いでいこうとしたのだが


”じゃばじゃばじゃばじゃば”

”ざーーーーーーーーーーー”


速い川の流れに交じって違う音が聞こえてくる

流れが速くなる

そして前を見ると川が終わっている

先が見えない!


男   :「No! NO NO! NOOOO!」


次の瞬間 男の体が宙に投げ出される

そして約15フィート5メートル下の滝壺に打ち付けられる


”どぼーーーん” ”ぐるぐるぐるぐる” ”ぶくぶくぶくぶく”


上から止止とめどめなく流れてくる滝の水

滝壺の中で男の体は数回程 回転したが

今度は重しとなって男を苦しめていたウェーダーの重さが

何とか男の体を川底に繫ぎ留める

そのまま手足で川底を掴みながら水中を移動し 岸に向かって進んでいく

息が苦しい

ただ流されるよりはマシだ

そのまま進んでいく

男の息がもう持たないという限界に来た時 

なんとか川岸にたどり着く


男   :「はーはーはーーはーーーーーはーーーーーーーー」


何とか岸に上がれた男の息は荒い

吸えなかった空気をこれでもか! というぐらい大きく吸う


男   :「That was stupid(バカだった)

      That was stupid (バカであり)

      and sooooo unnecessary (本当ーーに不要であった)」


岸に着いたらまずウェーダーを脱ぎ中の水を出す

次にイーグルの中の水を出す

そして


男   :「ふーふーふーふー」


必死にイーグルの中に息を吹き込む

ライフルは持ってきていない

リュックの中のナイフでは心許こころもとない


イーグルだけが頼りだ!!。。。が水に濡れてしまっている


多分 撃てるであろうが 少しでも乾かした方がいい

いざという時に不発だと困る


映画【No Country for Old Men】や【Shoot 'Em Up】でも

懸命に乾かしてたなー


男   :「ふーふーふーふー」

男   :「ふーふーふーふー」

男   :「ふーふーふーふー」


その為 水で濡れている体で必死でイーグルに息を吹き込む


***5分後***

濡れてる服を脱いで絞る

そして濡れた服を着こむ

滝を見てみる 

15フィート5メートル近く

川を見てみる

相変わらず茶色い川が波打っている


”じゃばじゃばじゃばじゃば”

”ざーーーーーーーーーーー”


はっきり言ってバカだった

それでも良く助かった


男   :「。。。。。。。。。。。」


モーゼやポセイドン。。。いや違う


男   :「。。。。。。。。」


男   :「I Thank you Noah」


男はそう口にした


そして森経由でそりの置いた場所に行こうとした時

男は思わず嬉しさのあまりに声をあげる


男   :「OMG ! For real?( マジか?)」


この植物は知っている!!

そして数本抜いてみる!!

なかなか抜けない でも足で周りの土を蹴って掘って何とか抜く


やったーーー

ショウガだ!!

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