第4話 Undertaker(アンダーテイカー)

夕方6時半 ちょいすぎ 6度目の遠征 死を迎える村

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


青年を手振りで付いて来させ 村に流れている川の上の橋を渡る


男   :「Wait here( ここで待ってて)」


そう言って手振りで待ってもらう

その間自分は橋の下に仕掛けた

ビールとルートビールが入っているゴミ袋を引き上げる

川の水で そこそこ冷たくなっている

それを持って再び橋の上へ


ゴム手袋とマスクを外し 青年にもマネさせる

そして自分が目を瞑ってアルコールスプレー

青年にも目をつ瞑させてアルコールスプレー

そして自分と青年の手を入念にスプレー


川に足を投げ出すように橋の縁に腰を掛け

左手で隣に座る様にパンパンと叩く

青年が自分と同じようにして隣に座る

川のせせらぎが死臭を押し流しているのか

匂いはあるが そこまで強くない


男   :「Give me your hand( 手を出して)」


そして言葉が通じないので身振りで手を出すように

ナッツの缶を開けて青年の手にどっさりと盛る

そしてビールの瓶を開けて栓を川に投げ捨てる


本来ならハンターとしてゴミを捨てるのはご法度だが

この世界のこの死臭漂う村がどうなろうが知ったこっちゃない

その気持ちが強かったのであろう


"ぽちゃん"


と川にビールの栓が落ちる

そしてナッツをもっていない反対側の手にビール瓶を握らせる

自分もビールの栓を抜いて片手に そしてナッツを反対側の手にとり


男   :「Cheers( 乾杯)」


"こつん"


そう言って自分のビール瓶を青年のビール瓶にとさせ

ビールを飲んでナッツをむさぼり始める


男   :「Sigh Taste good(はーーーーーー  ビールうめーーー)」


そして またナッツをむさぼ

それをじっと見ていた青年

同じようにビールを飲み ナッツを食べ始める

青年はよほどナッツがうまかったのであろう

男より速いスピードでナッツを食べている

男はビール瓶を置いて 一粒づつ食べるように言う


こっちを見様見真似しているので通じているであろうが


そして青年の手に再びナッツを乗せ、ビールを飲む

自分がビール瓶を最後まで飲んでるのを見て

青年も真似をしてビールを終わる

次に出したのが ルートビール

男はルートビールはもともとは風に効果がある事を説明する

ただ言葉が通じないので意味はないのであろうが

これはルートビール

風邪に効果あるが疫病に効果あるかはわからん

まー ないよりマシなんじゃない

そう言いながらルートビールの瓶の栓を取り青年に持たせる 

そして自分も持ってから


男   :「Cheers( 乾杯)」


"こつん"


青年とルートビールの瓶を軽くぶつける


夕日が沈んでいく

死にゆく村の横で 川に足をぶらぶらさせ 橋の上で夕日を見ながら

川のせせらぎの音の中 ルートビールをゴクゴク飲んでいく


男   :「Taste good isn't it?(うめーだろ?)」


青年の目も少しだけ輝きを取り戻したようだ

希望が出たという訳では無い

というか絶望と向き合い続ける必要がある


それでも ほんのひと時の休息

それが どれだけ重要か男は理解している

日も沈みかけている


まず 自分が馬で家に戻り その後 村に戻ってくる絵を描いて 説明

そして その間青年に死体用の穴を掘ってくれ と説明

青年は頷いている

あとチョコレートの包みを5つ持たせる

1つはその場で食べさせる

美味しさに目を丸くしているので 

自分で食べるか村人に食べさせるかはそっちで決めてくれと言い放つ

どこまで理解しているかは判らない

マスクとゴム手袋をそれぞれ着用し 青年に付いて来るように


馬に乗せている荷物からシャベルを2本取り出し 1本を青年に持たせ

村のはずれ 兵舎と真っ反対の建物へ

少し大きい建物 

村長の家か? 教会か? わからないけど その横に

絵で大体の深さ そして大きさは軽く線を引いて

穴を掘る様に言い 青年が穴を掘り始める


男   :「I'll be back(後で戻ってくるから)」


そう言い残し 男はは馬へ


”ざしゅ ざしゅ ざしゅ”


青年は穴を掘り続けている


家に帰り このまま ベッドにダイブ出来ればどれだけ幸せなのであろう

村人がどうなろうが 青年の約束を破ろうが ぶっちゃけ知ったこっちゃない

今 ベッドに入れば。。。という誘惑が非常に強い

でも まだ生き残っている人が居る

ここ2~3日だけ 今だけ頑張れば数人は多く助かるかもしれない

家に帰り ガレージの前で自分にアルコールスプレーをシュッシュ

死臭と汗が染みこんだ服

聖域である家の中に入れたくなかった為 ガレージ前で服を脱ぐ

ガレージに用意していた着替えをしてから家へ


ハイティーン齢15~18の女が寝ているのを無理矢理おこして

抗生物質などを飲ませ 水分をとらせ 温めたチキンヌードルスープを飲ませる

その後 リビングルームで同じように今度は自分用の夕食を取る


ゲータレードとチキンヌードルスープ


プロテインバーが残ってたかなー

賞味期限は、とうの昔に切れているだろうが仕方がない

あとは懐中電灯。。。ランタン型 ランタンにもなる懐中電灯

空のスプレーボトルに薬剤アルコールを入れる

アルコールスプレーをもう1本作成し

自分が使ってた奴にもアルコールを追加


男   :「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」


はっきり言って行きたくない

これからやる事にすんごく どんより とする

誰かがやらなければならない!


普段は飲む事のないエナドリの缶を2本パントリーから持っていく

そして馬へ

懐中電灯を照らしながら夜道を馬で走っていく

1時間かからずに夜の村に到着

馬から降りて村はずれに行くと

暗がりの中で青年はちゃんと穴を掘っている

ライトの光に気づいたのか こっちをじっと見ている


男   :「Hey!(おーい)」


声をかけプロテインバーを渡す

食えとジェスチャーをして食べさせる

そして食べさせた後 エナドリの缶を開けて渡す

そして自分も 一気にゴクゴクから缶を横に置き

青年もそれをマネて 一気にゴクゴク飲み干す

腕時計のタイマーを30分に設定

家に戻る前に置いていったシャベルをとって青年と反対側を掘り始める


”ざしゅ ざしゅ ざしゅ”

”ざしゅ ざしゅ ざしゅ”


***30分後***

”ピピーー”


30分おきに小休憩


男   :「I know you are tired (疲れているのは分かる)」

男   :「But we gotta do what we gotta do (でもやらなければならない)」

青年  :「”?”?”?”?”?”?”?”?”?”」


相変わらず言葉が通じない

それでも意思は伝わっているのであろう

少し休んでから30分 穴を掘る 

それを繰り返し繰り返し


***3時間後***

ある程度の大きさまで広げる

チョコレートを青年に食べさせ 自分も食べる

既に青年とハンターは疲れている。。。。が


ここからが本番だ!!


兵舎から近い✕のついた家へ青年と荷車を引いて向かう

青年に懐中電灯を持たせる

家の中に入る。。。匂いがきつい!!

青年の顔が凄い歪んでいる

蛆がたかっている死体を確認

近くにある布をかぶせ 青年とゆっくり巻物にしてから布を持ち上げ

家の外の✕のついた荷台に乗せる

これは死体がちぎれたりするのを防ぐためだ。。。あーーやりたくないーーーー

そして腐った食べ物なども荷車に乗せる

それを5件続けた後、荷車を引いて村のはハズレの穴へ死体を落としていく


次に〇の付いた荷台を二人で引いて行き 先ほど死体があった家へ

アルコールスプレーを持たせ 二人で しゅっしゅっ しながら家へ突入

一度 染みついた死臭は簡単には消えない

それでも 匂いを弱める為 あと

何か使える物はないか?

あれば兵舎に持って行く


ジェスチャーを踏まえ男は青年にそう告げる


男   :「Anything useful?(使えるそうな物あるか?」

青年  :「”?”?”?”?”?”?”?”?”?”」


家を二人であさっていく

隠されていたお金、農具、服、布 等を荷台に乗せていく

それを5件繰り返した後 一度荷台を川の方へ

川を越えれば匂いが比較的 弱い 

マスクを取り、荷台の物を確認


”シュッ シュッ シュッ シュッ”


これでもか! というぐらいアルコールスプレーをかけていく

アルコールスプレーで匂いが柔らがない物は橋の手前へ

布 関係ははっきり言って全滅であった

ただ工具、農具、器具などは後で水で洗えば問題なさそうだ

それを兵舎横に持っていく

そして今度は〇と△がついた建物を粗探し。。。

先ほどと同じだが食料があればそれを優先的に取っていく

死体を集め、死体を穴に落とし、死体のあった家と空き家から

使えそうなものを粗探す

それを3回ほど繰り返したが、体が悲鳴を上げている

青年も疲れている


男   :「I think we are done here today(今日はここまでだ)」

青年  :「”?”?”?”?”?”?”?”?”?”」


男は1度 馬の所へ戻り荷物からある物を取り出す

そう言って青年と共に村はずれへ

持って着たた安物のワインと紙を死体が放りこまれた穴へ


男   :「In the name of Jesus, Able, Noah, Samson

      (イエス アベル ノア サムソンの名において)」


この世界に来てからの男の祈りのやり方

4人の御名みなからなる男の祈りの言葉


マッチで火をつけた紙を投げ入れる


”ぼわっ めらめらめら”


男   :「We Need to Go(行くぞ)」


燃え始めてる死体を見入っている青年の肩を軽く掴む

死体の焼ける嫌な匂いがする前に退散

そして兵舎に戻り

明日続きをやるから眠る様に言い

以前食べさせた事のある干し肉を渡す

そして青年が頷いてから兵舎から立ち去る


寝かかっている馬を起こし 夜道をゆっくりと家へ向かう

馬を馬屋へ

そして軽くブラシをかけてやってから

ガレージで自分にスプレーそして 服を再び替えてから家へ

ポータブル電源をプリンターに繋げる

今日 書いた地図をスキャンして数枚プリントアウト

そして数回しか使ってない

セールで安かったから昔 買ったラミネーターを取り出し

地図をラミネートしていく

これで折ったり 水がついたりしても問題なし


軽くシャワーを浴び

服を着てウィスキーを 一杯ひっかける

そして少女が寝ているのを確認してから

自室のドアをロックしてベッドにダイブ


男   :「。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

男   :「。。。。。。。。。。。。。。。。。。」


いろいろ考える事があるが今は休息が必要だ

移動だけで3往復 そしてその後やりたくない仕事と重労働

体は悲鳴を上げているが脳が冴えてしまってなかなか寝付けない

眠れない夜をなんとしてでも寝ようと頑張るのであった

はーーーー

俺一体 何やってるんだろうなーーー

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