ハーミタリアン
@ICMZ
Prologue (プロローグ)
第1話 A Butterfly (1匹の蝶)
その村は1匹の蝶によって死を迎えようとしている
村から北 約20マイルの所に牛数匹の牧場がある
牧場の主は妻と のんびりした生活を送っていた
ただ 子宝になかなか恵まれなかった
それでも 夫婦 仲良く暮らしている
結婚してから11年がだった時 妻がついに身籠る
なかなか恵まれなかった子宝がついに出来たとの事で
子供はとても甘やかされて育てられる
***3年後***
父は何時ものように牛の乳絞りを 妻は家の掃除を
子供は庭をトテトテと歩き回る
そんな時 幼児は庭の花に止まっている1匹の蝶を見つける
ジーと眺めていると 蝶の口からストローのような物が花に刺さり
蝶が花の蜜を吸っている
やがて蝶は飛び立ち 幼児は蝶が吸ってたように
花の蜜を吸おうとするが うまくいかない
そして 隣の花を引きちぎり吸おうとするが うまくいかない
暫くして引きちぎった花を後ろ側から吸ってみると ほのかに甘く感じる
幼児 :「だーーーー」
控えめで 優しい甘さの花の蜜
それを嬉しくスース―と吸い出す
隣 そしてまたその隣 と花を引きちぎっては蜜を吸っていく
そして4つ目の花を引きちぎって蜜を吸おうとした時
”ぶーーーーん プス”
同じように花の蜜をすっていたミツバチを怒らせてしまい鼻を刺さされてしまう
幼児 :「びえーーーーーーーん まんまーーーー まんまーーーーーー」
トテトテと大声で泣きながら小屋へ走り出す幼児
幼児 :「びえーーーーーん まんまーーーーー」
そして泣きながら小屋へ走ってくる
余りにも大きな声で泣く幼児
父親がが何事かと思った瞬間
”ばっしゃーーーーん”
絞ったばかりの乳が入った木の桶を盛大に倒してしまう
幼児 :「びえーーーーーん まんまーーーーー」
売り物の乳が大量に地面に撒かれてしまう
そして幼児は服が牛の乳でビショビショに
服が濡れ更に大きな声で泣く
その幼児を抱え上げ 顔を見てみると
鼻に赤く腫れあがっており 蜂の針が残っている
父親 :「おかーさーん 俺たちの子供が蜂に刺された」
急いで子供を抱えながら小屋から家に入るとそう叫ぶ父親
父親が心配そうに見ている中、母親が手早く蜂の針を抜く
幼児 :「まんまーーー」
あいも変わらず泣き叫ぶ幼子
母親 :「あな 、服が濡れてるようだけど?」
父親 :「あー さっき走ってきた時に乳が入った桶 倒しちまったから」
母親 :「あらあら」 泣きじゃくる幼子をあやしながら
母親 :「あなた、替わりの服を取ってきて」
父親 :「おお 分かった」
母親 :「おーよしよし 痛かったわね――」そう言いながら幼子をあやす母親
代わりの服を持ってきた父親
母親 :「ねー あなた 水も持ってきてもらえる?」
父親 :「ああ 分かった」
そしてカップ1杯の水を持ってきてもらう
あやしながら、優しく幼子の鼻を拭く
そして針が刺さっていた穴を、ゆっくり優しく摘まんでいく
少し黄がかかっている透明の液
おそらく蜂の針についている毒がはいった成分を含んだ物
が出てくるので それをゆっくりとふき取っていく
液が出なくなってから 優しく 鼻にキスをしたあと
濡れている服を脱がせ、父親に持ってきてもらった服を着せていく
泣き疲れた幼子を抱っこしながら主と 一緒に小屋へ行く
母親 :「あらあら これは大変」
いくら注意したとしても年に数度、乳のはいった桶を倒してしまう事がある
その経験上、時間が経つと匂いがしてくる
出来るだけ早く掃除しなければならない事をこの夫婦は学んでいる
ゆっくりと幼子を降ろし 木の床を濡らした雑巾で拭いていく
父親 :「俺がやる」
母親 :「いいえ、あなた。。。そろそろ 村へいく時間でしょ?」
父親 :「ああ。。。今日は
母親 :「仕方がないわよ」
この夫婦の主な収入源は村への牛の乳と
小屋にある手回し車を使った
特にバターは貴重であり、収入の大半であるが
今日は幼子が桶を倒してしまったためバターを作るための乳が足りない
また手回し車で約40分
その後 水で形を固めながらの生成が必要となるが今日はその時間がない
母親 :「こっちは任せておいて」
父親 :「ああ 頼む」
仕方がないので牛の乳のみを荷台に乗せロバで村へ
太陽を背に、影が長くのびる時間、朝と昼の間に村へ到着
向かうのは村にある唯一の商店
牧場の主は それぞれの村の住人に小売りするのではなく
飲み仲間であり 村唯一の商店の主に棚卸する契約を結んでいる
父親 :「牛の乳を持ってきた。。。この分のみの買取を頼む」
商店長 :「あー ありがとう。。。今日はバターは?」
父親 :「あー残念ながら手回し車の調子が良く無くてな
家に帰ってから直す予定だ
明日には問題なくバターを持ってくる事が出来る」
商店長 :「わかった」
ありきたりの言い訳、でも可愛い我が子に責は負わせない父親の優しさ
そう言いながら牧場主は牛の乳の代金を受け取り
その後、次に飲みに行く約束を取り付けた後、牧場へと帰路についた
それからしばらくして、村の住人が商店を訪れる
この商店は香辛料をメインとして扱っているが、日常品
特に牛の乳とバターは ほぼ毎日売り切れる
村人 :「えーと牛の乳 ください」
商店長 :「はいどうぞーー」
そう言って近所のおばさんに牛の乳をうっている時に
焼き屋台の大将が店に入ってくる
屋台大将:「おーい バター いつものように頼む」
商店長 :「えーと 今日 バター入ってないんだよねー
手回し車の調子が悪かったらしくて」
屋台大将:「えーと。。。まいったなーー」
商店長 :「代わりにコショウはどうだい? 安くしておくよ」
屋台大将:「うーんそうかーー
まー 仕方がない
じゃー コショウをくれ」
商店長 :「はい 毎度」
そういってコショウを買って屋台に戻っていく大将
この屋台の目玉は高級素材であるバターと塩を振りかけた焼きトウモロコシ
しかし今日はバターが無い為、代わりにそこそこ高めの香辛料であるコショウを
使ってトウモロコシやジャガイモを焼いていく
***30分後**
お昼頃 村の昼食としてそこそこの人が屋台に立ち寄っていく
そしてある程度人がさばけた後、その少年はやって来た
少年の家はどちらかといえば貧しい方である
また大家族でありいつも兄弟の世話も任されている
そんな少年に親はお金の使い方の教育とお小遣いを含め
1日の手伝いが終わると銀賎を1枚少年に渡す
そして5日間かけて貯めた銀賎5枚でいつも
トウモロコシの塩バター焼きを買い
それを河原で一人で食べるのが少年の唯一の幸せの時間であった
少年 :「おじさん! トウモロコシの塩バター焼き頂戴」
屋台大将:「今日はバターが無いんだよ」
しょんぼりする少年
そこで大将はこう言った
屋台大将:「代わりにバターと同じくらいの素材
コショウをふんだんに使ったトウモロコシの丸焼きはどうだい?」
少年は悩む
バターは貴族の食卓にならぶ高級品である事は知っている
そしてそれを楽しみにしていた。。。がそれがない
ただコショウも同じくらい高いのは知っている でもやはりバターがいい
今日は我慢して後日、戻ろうかと思っていたら
屋台大将:「1本買ったら 半分おまけしてやる」
バターの香りと独特の味、食べながら貴族の気分が味わえる
コショウは嫌いではない。。。でもやはりバターが好きだ
しかし食べ盛りの少年にとって、半分のおまけは、それを超えるほどの魅力がある
少年 :「わかった! じゃー はい 銀賎5枚」
屋台大将:「はい ありがとよー」
大将は1本の焼きトウモロコシを少年に渡す
そして半分に折った別の焼きトウモロコシを半分に折って皮で包む
少年は半分の皮で包んだ焼きトウモロコシをポケットへ
そして丸焼きは左手に持ち屋台を後にする
何時ものスポット、川の畔にいこうとしたが 一口、トウモロコシを齧ってみる
おいしい! でも少し辛い! 水が欲しくなる!
少年は川へは行かず、村にある唯一の井戸へ
そしてトウモロコシをある程度、齧った手で井戸の桶で水を抄う
少年 :「ごくごく あー お水 美味しい
がりがり あー トウモロコシ 美味しい」
井戸に背をもたれかけながら、水を飲みながら、食べるトウモロコシ
何時もと違って コショウの辛さも相まって直ぐに食べきってしまう
少年 :「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」
後で食べようと思っていたポケットの半分のおまけを取り出し 食べ始める
少年はおまけも食べ終わり 立ち上がって服をぱっぱっと払ってから
時間がまだある為 いつも少年の行く川へ
人が居なくなった井戸
***数分後***
そこに鳥がやってくる
理由は少年が食べていたトウモロコシの食べかすである
砂の上、井戸のロープと桶、井戸の周り鳥が食べかすを食べている
そんな中 村人の老婆が井戸の水を汲みに来る
それに驚いて鳥が飛び立つ時に
”ぴちょん”
と落とし物をしていく
もともと村に1つしかない井戸
そこに落とされた鳥のフン
運が悪い事にこの鳥のフンには病原体が含まれていた
病原体の名前はクラミジア
現代でいう オウム病である
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