新世界創造

第二の月

第二の月を迎え、世界の変化と共に、少女の生活も大きく変わっていった。

草木の青かった葉は少しずつ先端を少しずつ赤や黄色に染めている。

昨日より僅かに早く顔を隠そうとする太陽によって、夕方の空が赤く染まる頃、彼女は仮住まいの小屋をよりしっかりしたものへと作り終えたのであった。

元いた世界で学んだ知識を頼りに、彼女は1人で子育ての合間に家を建て上げた。

基礎を固め、木材を加工し、骨組みを組み立て、窓やドア、家具までも作り上げた。

すべてが自分の手で生み出されたものであり、それは少女にとって新しい生活への確かな基盤だった。

「2人とも、こっちだよ。ご飯にしよう」と、

夕方の空の下、少女は2人の赤子に優しく声をかけた。

イーサンとローシュ、男の子と女の子は、手を繋ぎながらよちよちと歩みを進め、少女の元へと向かってきた。

「まーま」

「まって」

彼らが話し始めたその言葉は、教えた覚えのないものだったが、自然に口から出ていた。

七日で這い回り、半月で立ち上がり、ひと月も経たないうちに歩けるようになった2人は、日々成長し、少女にとってかけがえのない存在となっていた。

その成長は驚異的で、神の影響が大きいことは疑いようがなかった。

それでも、彼らは純粋で、無邪気に少女を「まま」と呼び、彼女をまっすぐ見つめて、そして微笑むのだ。

その姿を見て感じたことのないような暖かな感情を持ちさえすれど、冷たい氷のような、猜疑心や疑念といったものを持ち続けられはしなかった。

少女は時折、これが現実なのか、それとも夢なのかと考えたが、目の前にいるイーサンとローシュの存在がその答えを示していた。

自分もまた、普通の人間ではないことを理解しつつ、その異常な世界に慣れていく自分を感じ取っていた。

赤子たちと共に歩むこの新しい世界で、少女はかつての苦しみや憎しみとは異なる感情を抱き始めていた。母として、彼らを守り、育てるという責任と愛情が、彼女の心に少しずつ芽生えていたのだ。