ある作家志望の祈り

和泉歌夜(いづみ かや)

本編

 神様、神様、どうか私の話を聞いてください。

 私は小さい頃から物語を書くのが好きで、いつかそれが仕事になればいいなと思い、Web上で小説を投稿しています。

 かれこれ5年以上続けていますが、いまいち成果は出ません。

 ある人は言いました。

『5年なんてまだまだだよ』

 そう言って励ましてくれました。

 ですが、どうなのでしょうか。

 5年は5年でも、命を棄てるような勢いで続けた5年と、何一つ不自由なく暮らした5年と変わりはないのでしょうか。

 私は神様から見棄てられているのでしょうか。

 どうかあなたの声を聞きたいです……何も仰らないんですね。

 分かりました。気が向いたら話してください。

 私はこうして執筆活動を続けていますが、劣等感や嫉妬に苛まれています。

 他の作者が書いているものはあんなにコメントや星、応援があるのに、なぜ私にはないのだろう。

 どんなに一生懸命書いても、毎日投稿しても、何をしても、無反応ではモチベーションが続きません。

 あと、1話ごとのPVを見る度に心が壊れてしまいそうです。

 特に、特に、1話が多かったのに2話以降がガクンと下がったときには、その作品を消してしまいたい衝動に駆られます。

 私の作品に魅力を感じていないのでしょうか。

 つまらないのでしょうか。

 私が作り出す世界、キャラクターはどれもつまらないのでしょうか。

 面白くないのでしょうか。

 やはり、テンプレートの方がいいのでしょうか。

 よくある異世界の方が読まれるのでしょうか。

 それとも私のコメントの返しが面白くないからでしょうか。

 私は自我がないです。

 他のキャラや第三者の視点で物語を書けますが、自分の視点だと分からないのです。

 何をどう書けばいいのか、さっぱり。

 最近、PVのせいで創作のモチベーションが減っています。

 いや、もうほとんどないと言っても過言ではありません。

 それとも、読みづらいのでしょうか。


こんな感じで行間を開けた方がいいのでしょうか。


それともつめつめにした方がいいのでしょうか。


コンテストに手を出しても、何も成果が出ないのはそれが原因なのでしょうか。


コメント……コメント……私の作り出すキャラに愛情は持てないのでしょうか。


ストーリーも魅力を感じないのでしょうか。


私が作り出すものび何も共感をわかないのでしょうか。


このまま消えたほうがいいのでしょうか。


もう私に作家を志す事をやめた方がいいのでしょうか。


もう私に未来はないのでしょうか。


神様、神様、どうかお答えを。


私を導いてください。


もしかしたら、今、私が述べている事はただの傲慢な言い訳に過ぎず、お前みたいな奴は消えてしまえと仰りたいのでしたら、どうかご遠慮なく。


私は何回も死のうと思いました。


それくらの罵倒など、へっちゃらです。


ワタシノ心はもうすでに壊れています。


壊れた人間が書く作品なんて、所詮ガラクタ。


だから、だから、だから……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある作家志望の祈り 和泉歌夜(いづみ かや) @mayonakanouta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ