右のまつげ

「バランス悪ぅ…」

鏡を見て、思わず溜息をついた。

今日のメイクも調子がいい。

顔の左半分だけ、だが、

理由は簡単。

左の目だけが、ぱっちりとしているからだ。

「…うう」

腫れぼったい右瞼にビューラーを当て、

なんとかしてまつ毛を掴もうとする。

「あっ」

が、また失敗。

おかしい。反対側にはきっちりとカールした

長いまつげが揃っているのに。

なんで同じ私の顔なのに、

こうも違うのだろうか。

再度ビューラーを当てながら思う。

下を向いた短い右まつげは、

なんだか私自身のようだった。

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