お掃除

愛とは掃除である。

住み慣れた部屋を整理し、綺麗にすることである。


部屋を使わなかったら、

当然ほこりもごみも出ない。


でもそれは

もちろん愛とは呼ばれない。


その部屋でたっぷり時間を過ごし、

日々の営みで綻びを出すことが

愛の過程であるべきだから。


だからと言って、

汚部屋のままで生活することも

これまた愛のはずがない。


いつまでたってもなくなることのない

生活から出る汚れたちを

ごみ箱に放り込むことこそ、

愛であるべきだから。


文句も言わずに根気よく、

自分がいた痕跡を消し去っていくことが、

愛するということだから。


そうやって作り出した綺麗な部屋で、

外に出る方法を忘れてしまうことが

真の愛の果てなのだから。

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