第34話 ワーウルフ大量発生

コボルト討伐を無事に終え、ロイは街へと戻ると、体は疲れていたが、心の中は達成感でみたされていた。1人で結構な量のコボルトを討伐できたことに、自信がついてくる。


「よし、帰るか・・」


 街に着き、ギルドに向かい討伐の報告を済ませるため、受付に向かうと、ルルカが微笑みながら迎えてくれる。


「お帰りなさい、ロイくん。コボルト討伐は順調でしたか?」


「ただいま、ルルさん」

「少し数が多かったけど、巣も無事に片付けたよ」


「本当ですか!?ありがとうございます!」

「とても助かります!では、これで依頼は完了になります」


「またコボルトの巣の討伐もして頂きましたので、報酬も上乗せしておきますね」

「ですので、大銀貨4枚と銀貨2枚をお渡しいたします!」


「ありがとう!!」

(やった!報酬金がめっちゃ貰えた・・!)


 彼女が渡してくれた報酬の袋には、大銀貨と銀貨が入っている。ロイはルルカに礼を言って、報酬袋を受け取り、そのまま街の酒場に立ち寄った。いつもよりも賑やかで、冒険者や商人たちが集まって談笑している。ロイはカウンターの隅に一人で座り、静かに飲み物を頼むと、ゆるやかに流れるこの時間が、とても心地が良かった。


「たまにはこうやってのんびりするのも悪くないな・・・」


 目の前には、街の様子を楽しむ人々が集まっている。誰もがそれぞれの日常を楽しんでいるように見え、その光景を眺めながら、静かにのどを潤す。その後、この余韻に浸りながら、宿屋の戻り眠るのだった。



 翌日、ギルドに向かうと、冒険者の騒がしい声がなく、いつもと違う変な雰囲気が漂っていた。新しい依頼を探しに掲示板を見上げると、一つだけ目を引く大きな貼り紙が出されている緊急依頼があった。


「ワーウルフ大量発生....?」


 ロイはその依頼書に目がまる。

 紙には、《街の北の森でワーウルフの群れが大量発生しているとの情報があり。Eランク以上の冒険者でゴブリン以上の討伐経験ある者、討伐を依頼する(10名以上参加募集)》という依頼書を出しているようだ。


 通常のワーウルフはDランクのモンスターで、群れを成して行動するため、一人での討伐は危険である。そのため、ゴブリン以上の討伐経験があり、10名以上も参加を募集しているようだった。


「これは...ちょっと厄介だな」


 依頼書を手に取っていると、後ろから声がかかってくる。


「なぁ、お前は、ロイという名前の冒険者じゃないか?」


「そうだけど・・?」


「やはり、そうか。」

「この前のゴブリン討伐で知り合いが助けてもらったからな。だから、お前を知っているんだ」


「なるほど・・」


「俺の名前は、ガイウスだ」

「よろしくな」


「うん、よろしく」


 彼はガイウスという名で、彼はロイより上のCランク冒険者で、ガイウスは以前からロイのことを知っていたようで話かけてきたらしい。


「それで...俺に何か用?」


「ああ。ワーウルフの討伐だって聞いてな。俺のパーティもこれを受けることにしたんだが、どうだ? 一緒に来ないか?」

「ロイの実力なら、俺らのパーティでも問題なくやれそうだからな」


 普段ソロで行動するが、どうするか一瞬考える。ワーウルフ大量の群れが相手となると、他の者はパーティでワーウルフ討伐する中、一人で挑むのは無謀かもしれないと。


「一緒にやるのはいいけど、、。」

「俺はパーティに正式加入したくない」

「それでも大丈夫?」


「それでいいさ。お前はお前のやり方があるだろうからな」

「だが、頼りになる仲間がいると助かる」


 ガイウスは笑みを浮かべて頷き、

 ロイは軽く笑い返した。


「わかった。じゃあ、一時的に共闘という形で行こう」

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