弾性形状恐怖心
真壁一誠
解体業者編
第1話 弾性形状恐怖心
私は真壁一誠、いつも何もしていない。
ただ私はqueenのbicycle raceをループ再生し続けて仕事をしているだけ。
私はbicycleの音に合わせて歩みを進める。
私はタクシーに乗り、新神戸駅まで移動する。改札の前に有るコンビニでいくらのおにぎりと和風ツナマヨネーズおにぎりと大きめのトマトジュースを3本買う。
別にトマトが好きだとかそういうわけではない。ただ飲んでいるだけだ。
新幹線に乗ると、私はまだ楽しみを覚える。
昼食用に先程買ったおにぎりとトマトジュースを消費し切ると、次はバックの中からおもむろに2リットルのトマトジュースを5本取り出す。もちろん46秒ちょうどですべて飲み切る。
別にトマトが好きなわけではない。
私はイヤホンでsheer heart attackをループ再生し、寝落ちる。
目が覚めると、そこは目的地の3駅前。
泣いている子供の声で起きたようだ。
「ちょうどいいところで起こしてくれてありがとう」
と、心の中で感謝する。
乗り換えをしてようやく辿り着いた海老名で、私はバックの中から仕事道具のメジャーを25個取り出し、腰まわりのポーチのような専用の器具にセットする。
私は『岸辺』という男に電話をかける。
仕事の同僚だ。
『はいもしもし〜?』
まるでこの世の全てを楽観視しているような声で言われる。
「着いたぞ。今、すぐ出たところの空テナントの前にいるが。」
『ああうん。見えてる。』
「早速だが岸辺、これは見られているな。」
『んん、そうね。』
私達は既に監視の目について詳しく理解していた。
「人数は5人。私達で静かに片付けられるような相手のようだが、どうする?」
『そうだね、一応話も聞けるくらいに生かしとこうか。後々役に立つかもだし、社長にも褒められるし。』
私達は軽く路地裏の居酒屋の室外機から分岐する塩ビパイプを辿ったところに見える男3人を締める。
残りの2人は、もう手足を動かせない状態にし、舌を噛みちぎれないように処置をしてから、空テナントの奥に突っ込む。
どうやらその2人はサービスを忘れていたようなので、炎をちらつかせる。
目が覚めた2人は、全てを話してくれた。
どうやら、この5人は私たちを倒してみたかっただけらしい。紛らわしいことはするな、と叱りつけてから私たちは海老名サービスエリアまで徒歩で行く。
辿り着いたそこには、車はなかった。
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