休み時間の疑問

A:なあ。

B:ん?

A:「我思う、故に我あり」って、言葉があるじゃん?

B:ああ、だれが言ったか分らんけど、確かにあるな。

A:あの言葉の我って、要は自分じゃん?

B:そうだな。

A:なんで自分を思うだけで自分の存在を証明できるの?

B:一応理屈では、「自分のことを疑う自分自身という存在は疑いようがないから」とかだった気がする。

A:でもおかしくね?

B:何が?

A:たとえ自分を疑ったところで自分自身の存在証明にはならないじゃん?

B:…?何で?

A:いやだってさあ、自分で自分を疑っても、それが自分だとは限らないわけじゃん?

B:そう…か?

A:だって実際問題、自分以外の誰かが自分の中にいるって人はそこそこいるじゃん。多重人格者然り、記憶喪失然り。

B:いや待て、多重人格者はともかく記憶喪失をそれと同一に語るのは違うと思う。

A:まあとにかく、俺が言いたいのは、あの名言は間違ってるよな?

B:いや、間違っているのはお前の思考回路だ。お前があげた症例のことを調べなおしてからもう一度、間違っているかどうかを考えろ。そしたら、いか自分が間違っていたかを自覚できるだろう。

A:…軽く検索してみたけど、面倒くさそうだから俺が間違ってるってことで良いや。

B:そのいい加減ささえなければ、科学者に向いてそうなんだけどなあ…。

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