コマリの矛盾恋愛論

最悪な贈り物

プロローグ

「まーた、夜更かししたの?」


「うるせぇな…せめて寝かせてくれよ…」


昨日はゲームで夜更かししたわけじゃない…


昨日は色々と悩まされたんだよ…お前にな…


「ほんと…いつまで経ってもバカなやつだよね〜タイシって。」


 


私立シリツ嶋崎シマザキ高校コウコウ




 偏差値63程のまあまあ頭の良いこの学校の2年F組。


俺こと浦田ウラタ太子タイシはそのクラスの所謂主人公席と言われる窓

辺の席で気持ちよく寝ていたところ、幼馴染で、腐れ縁だった神崎カンザキ

小鞠コマリによって叩き起こされる。


「なんだと…?そう言ったて…お前…は頭良いのか…」


 この、コマリという女は周囲から見ても、とても優秀だ。


よくある小説のヒロインのように成績優秀、スポーツ万能、おまけに美少女とい

うレッテルまで貼り付けられている。

俺みたいな駄目人間と、この美少女。


どっちが主役?なんて聞かれたら、俺は100人に聞いても誰一人としてタイシの方

が主役!なんて言ってくれる人なんて誰一人としていないだろう。


まあ、そりゃそうか。


自分ですらこの俺が主役なんて到底無理な話…だと思ってはいたよ?


うん…居たんだよ…一昨日までは…




「ほら!!さっさとシャキッとして!!もうちょっとで先生が来ちゃうんだか

ら!!!制服も整える!!!」




(ああ…可愛い…だらしないタイシも可愛いよぉぉぉぉぉ……)


聞こえる…今日も…


「ったく…わかったよ…きちっとすりゃあ良いんだろぉ?」


 俺は制服のボタンを外し、一回制服の上着を脱ぐと、再び着直してボタンを止

める。


(ああ…もっと見たかったな…だらしなくて可愛いタイシ…あ、でもきちっとし

たタイシもカッコイイ……惚れちゃうよぉぉぉぉぉぉ!!!!!)


うるせぇ…


多分だけど…俺は心の声が聞こえるようになってしまったようだ…


なんでこんなことになったのだか…

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