プレゼント
琉生⊿
第1話(1話完結)
ある日の昼下がり
「部長、個人的な質問なんですけどいいですか」
「えっ何かあった?全然いいよ!」
「女の子への誕生日プレゼントって何がいいですかね」
「エ〜〜〜〜〜!!!彼女!?佐藤君が僕に恋バナしてくれるの!?」
「違います。姪です」
ちょっとしょんぼりした顔をするんじゃないよ。
「2歳になる女の子なんですけど、2歳ってもう結構物が分かるようになるじゃないですか。部長って娘さんいましたよね。どうでした?」
「2歳!2歳かぁ〜〜〜かわいいよね!うん!うんとね〜〜〜。……そうだなぁ」
しょんぼりしたかと思ったらニコニコし始め、今度は割と真剣に考え始めた。
良い人だと思う。俺もこんな感じのほのぼのとしたおじさんになりたい。
「うちの、特に下の子は結構好き嫌いがハッキリしてたから、一緒にお店に行って選んでもらうことが多かったなぁ」
なるほど。そのほうが無闇に悩んで下手なものあげるより良いか。
「あっ!あとお母さんの方!お父さんよりお母さんの方にちゃんと何か買ってあげる旨を言っといたほうが良いよ!なんかね!あとが怖いから!ほんとに!」
経験者は語る。何をやらかしたんだ。
妹の娘なので、そこはまぁ、サラッと言っておけばいいだろう。
「参考になります。ありがとうございます。」
「こんなのでよければいつでも聞いてね!」
◇
とりあえず妹に電話でもしておこう。
「あぁ、果穂?今度奈々ちゃんの誕生日じゃん。何か買ってあげようと思っててさ、おもちゃ屋とかで選んでもらおうかなって思ったけど、どう?」
「えっ!おにい、奈々の誕生日覚えてたんだ!」
若干失礼だな。俺に対して。
「奈々今若干イヤイヤ期でさぁ〜。難航するかもしれないけど、おにいには結構懐いてるし私は全然オッケー!」
とりあえず母親の方の承諾を得た。
◇
後日。
予定通りおもちゃ屋に来た。
「おもちゃ屋なんて久しぶりだなぁ」
昔は妹とよく来たもんだ。
「奈々ちゃん、どれにする?1つね!1つにしてね!叔父さんの財布が泣いちゃうから!」
「奈々、でっかいもんをねだりな」
妹は黙っとれ。
「なな、ぬいくるみがいい!うさちゃん!」
「また?うちもうぬいぐるみで溢れてるよ!」
「お前も小さい頃無限にぬいぐるみねだってただろ。親子ソックリだな」
「おにいだってトミカ無限にねだってたじゃん!」
「トミカはなんぼあっても良いですからね」
「は〜〜〜〜?????」
「奈々ちゃんぬいぐるみコーナー行こうね〜〜〜」
「うん!」
ふてくされてる妹は置いといてぬいぐるみコーナーに行こう。
◇
「しろ!うさちゃ!かあいい!これ!」
「いいよ。それにしようか」
手のひらサイズの小さなうさぎのぬいぐるみだ。これならなんぼあっても大丈夫だろ。
「それじゃあレジに行こうね」
「うん!」
◇
会計を済ました。
「ほだかくんありやと!なな、だいじにするね!」
喜んでくれたみたいでよかった。
「どういたしまして」
なんてことのない、ただ姪に誕生日プレゼントを買っただけの平凡な日
プレゼント 琉生⊿ @rui7625s
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