第66話 薬剤生成
薬師ギルドに加入してから1カ月、俺は3日に1回はカムゼンさんから薬学を学んでいる。ちなみに俺が【薬剤生成(低)】を取得していると告げると、とても驚いていた。
「在野の【薬師】とは……本当に珍しいのですよ」
”在野の”とは、【職】を持たなくても、その【職】が持つスキルを取得している人のことを言う。転魂者の中に、たまにそのような人がいるのだとか。
というわけで、座学としての薬学、【薬剤生成】の実践、その両方を【薬師】として高名なカムゼン・ブルーム氏から直接教えを受けるという幸運を俺は得た。
「ユキアさんは、とても筋がいい。何より……相当な魔調力をお持ちでしょう。そして、あなたが作る低位の回復薬水は、中位ほどの効能があります。おそらくは、その『水』なのですよね。通常の魔法水よりはるかに魔素伝導率が良い。水聖魔法で作り出した水は、効能をワンランク上げるといわれますが……あの『水聖の魔女』の直弟子であるユキアさんなら納得です」
俺が『水聖水』で作る薬水は効能がいいらしい。これに関してはミレイさんというより、イリスのおかげなんだけど。
「えーっと、まあ、これは……」
俺が言い淀んでいると、「はは、冒険者の方に
「はやく”強く”おなりなさい。そして、信頼できる仲間を集めることです。あなたはご自身の価値というものを、もっと正確に理解したほうがよさそうだ」
と言ってくれた。
🔷
ルーベの森、元水聖の川のほとりで野営をしている。『幻燈のカンテラ』を半径4~5メートルくらいに展開し、安全を確保したうえでのんびり今日採取した魔草を乾燥させたり、粉砕したりしている。
魔草と言っても、”魔素を含んだ薬草”である。工程として乾燥させ、粉砕し粒子の細かな粉にした方が、効能の良い薬水や薬丸になる。ただし、その過程で魔素が散逸しないよう専用の道具を使う。『
最初は、昔ながらの天日干しとすり鉢とすりこぎで完全ハンドメイドかと思っていたが、今やそのほとんどが電動式、じゃない、魔道式だそうだ。
「便利な世の中になったもんだよ~、ま、昔知らんけど」
『
『
しかも魔草は粉にするとそれ以降、魔素散逸が激減するとのこと。ゆえに旅の【薬師】はこの”魔草粉”を持ち歩き、必要になったら【薬剤生成】で薬水・薬丸を生成する。薬水・薬丸は使用期限があるからな。粉の不思議だ。
どちらも”携帯用”と銘打ちながらも、特に
以前、ウーガ達に捕まっていた時、異空間で【薬剤生成】を行ったが、あの時はこの『乾燥と粉砕』の工程を省き、無理やり、魔調力の力技で【薬剤生成】を行った。だからか、『
それに今はあの頃より魔調力が下がっている。工程抜きの異空間内での【薬剤生成】は出来なかった。だが、”魔草粉”からの【薬剤生成】は異空間内でも出来た。だから俺は今、”魔草粉”作成に勤しんでいる。薬水を作って、それをそのまま異空間に収納しておいてもいいのだけど……
「あと、ひと月、持つかどうか……」
水がない……いや、まあ、水はそこらへんに流れているのだけれど、『水聖水』の残りに底が見えてきた。『水聖水』とはイリスと交わり、その後”あの空間”を出るまでに異空間に収納した水聖の川の水。今、横を流れている”元水聖の川の水”はただの清いお水だ。
毎日ミリィの体を洗い、中位の回復薬水を作るためにそこそこ使ってきたからな、水聖水。普通の水から低位の回復薬水を作って、ミリィの水浴びに使ってあげてもいいんだけど、魔草採取が追い付かなくなるし、コスパも悪い。
「一気に取りたかったんだけどなぁ、【水聖治癒魔法】……
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名:ユキア・ベオルーク
年齢:15
魂位:9(←8)
職:————
魂の欠片:19(←17)
特殊固有スキル:【
スキル:【魔草感知】
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【
・体力:22(←21)
・筋力:13
・敏捷:14
・器用:15
・知力:24(←23)
・耐性:12
・内在魔素量:69(←68)
・魔素調整力:88(←87)
【魂の回廊】
・清浄水魔法(60) ・薬剤生成‐中‐(20) ・水聖治癒魔法(120) ・薬剤生成‐高‐(30) ・水聖
~~~~~~(中略)~~~~~~
・状態異常耐性(70) ・
【ミリィ・魂操作盤】
【隷属・魂操作盤弐】
~~~~~~~~
=====================
ルーベリスに来て、もう3か月……ほど経つだろうか、正直あまり意識していないので正確にはわからんが。ようやく、ようやく魂位が〈1〉上がった……長かった。
そして、俺の可愛いミリィはっ、と。
――――――――――――――――――――
【あとがき】
自己満足のために書き始めたのですが、やっぱり『★★★』や『ハート』いただけると、モチベ爆上がりします。少しでもこの物語が気になっていただけたなら、よろしくお願いします。
新作
「少年、森で奴隷を拾う ~拾った奴隷は狂剣聖女。聖女、転生拒否ったってよ~」
投稿してます! よろしくお願いします!
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