AStLoTaLE
るー
第1話 物語の開幕:エスパシオの街
これは地球から宇宙に行き来出来る軌道エレベーターが開発されてから数千年後の話。
ある日1人の幼女が軌道エレベーターがあるエスパシオの街に訪れた。
彼女の名前はステラ。
何千年もの間、宇宙を巡り合い様々な人物と出会い、別れてを告げながら長い旅をしていた。
今回もまだ一度も行ったことがなかった軌道エレベーターがあると最近噂されていたエスパシオの街に来たのだ。
幼女の姿は、腰まで伸びてるサラサラな黒い髪に青いインナーカラーをしていて、目は黒く瞳孔は白い星の印があり、星の内側はくり抜かれて黒くなっている。
ほんのり橙色のシャツの上には、黒いジャケットを着ていて銀河のような薄い柄と地球から見た色んな形の月のキーホルダーが付いている。首元には赤いネクタイリボン。
足に関しては太ももまでしかないショートパンツに、足が露出していて靴も履いていない。
エルフのような三角の耳もあるが宇宙人全員には無く、ステラがただ特別なだけのようだ。
ここが、地球に行けると噂のエスパシオの街か……
遠くからでも分かる沢山のビルに、色んな建物が並んでいる。
太陽系全体が周って移動してるから、クルクル回って酔ったりして住みにくそうだと勝手に思ってたけど案外大丈夫そう
仮にそうだったら誰も住まないか
この沢山の作られた建物は軌道エレベーターの先にある地球から取引して来たのだろう。
見たことがない物が沢山あってとても新鮮に見える。
ステラは、ワクワクした様子で建物を軽く見渡す。
何mの高さのある建物の壁には数ヶ所看板が飾っていて、それぞれお店の名前が書かれていた。
1つだけ宇宙にそこら辺に浮いている、ステラが大好きな白くて小さいぬこの眠ってる姿の看板もなぜかあったが、彼女は気付くことなく前を向いて歩き始めた。
真っ直ぐ歩いていると人が混雑している所に着いてしまった。
どうやって進もう……あ、
飛び越えてしまえば良くね
数秒も経たない内に案が思い浮かんだボク天才だと思いながら、空中に浮かんで人集りを楽々通り抜ける。
移動してる最中、高速回転しながら猛スピードで移動してる何かが急に目の前を通り抜けた。
?
無意識に腕を伸ばして、その物体の動きを”魔法”で止めてしまった。
ピタッと止まった白い球体は小さい三角が上に2つ生えていて、下に4つ生えていた。
この丸くて小さい三角が生えてる正体は、宇宙でそこら辺に浮いている尻尾がない宇宙猫の「ぬこ」。
ぬこたんだぁ
ステラはぬこが大好きなので後ろ姿を見た瞬間、すかさず むぎゅっと抱きしめた。
元気いっぱいなぬこは今日も、もちもちしていて食べたくなるほど可愛い
顔を覗いてみると、つぶらな瞳は渦巻きのようにくるくる回って口を小さく開いていた。
ぬこを離さないように抱えながら、ひとまず地面に降りようと思い、人が沢山いる所を越えて地面にゆっくり着地した。
地面から視線を上に見上げると、山みたいに高くなってる所に横に長い長方形の建物があり、エスパシオ駅と大きく書かれていた。
駅?なにそれ?地球にあるのかな?
観光スポット的なものだと適当に自分の中で決めながら、目の前にある広場に向かった。
広場は思ったより広くて、話し声や笑い声が響き渡り、
真ん中には大きな噴水があって、その奥には屋外時計が設置されていて時刻は1時を差している。
左側には公園が繋がっているのか、遊具が沢山あって子供達が遊んでいて、右を向くと屋台をやっていた。
……寄り道しよ
欲望には勝てないステラは遊具には見向きもしないで屋台に一直線に進んで行った。
りんご飴、かき氷、わたあめ……ジュルリ
ぬこの見た目をしたお財布をポケットから取り出して、お金を確認すると1000円程入っていた。
……やっぱり止めとこ
流石に1000円しかないなら使わない方が良いと思い、屋台から離れることにした。
冒険者ギルドはどこにあるんだろ?
……誰かに聞いてみよっかな
偶然目の前を通り過ぎようとしてるお姉さんを見つけて、裾を引っ張った。
お姉さんはボクの姿を見て、少し微笑んでしゃがみ込んで言った。
「どうしたのかな?」
お姉さんはボクの様子を伺っている。
ステラは紙とペンを魔法で取り出し、お姉さんに見せた。
『冒険者ギルドってどこにあります?』
お姉さんは文字を見て一回頷き、立ち上がった。
「場所を説明しても分からないと思うから、一緒に行きましょ」
その言葉を聞いたボクは頷いて、お姉さんの後について行った。
広場から離れて別の道を歩む。建物には、寿命を迎えた星屑を粉々にしたモノを使用しているのかほんのり輝いて暖かみを出している。
「この街は初めて?」
「……うん」
「そう、お父さんやお母さんは?」
「……」
分かんない、居るのかな?
ずっと前の記憶は何も覚えていない。
「ごめんなさい。答えにくかったら答えなくていいわ」
そう言うとお姉さんはピタッと止まった。
目の前にある看板には『冒険者ギルド』と書かれている。
「着いたわよ、私はこれで失礼するわね」
ボクはお姉さんが遠くに歩いて行く様子を見ながら手を振って、姿が見えなくと同時に振るのを止めて冒険者ギルドの扉を開けて前に進んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます