第39話 勝利の喜び、迫る不穏な影
薄暗い地下鉄のホームに目映い光が炸裂する。
その光量はスタジアムの照明並みに明るく、ライセとノアは炸裂の瞬間目を瞑るも瞼越しにも明るさを感じるほどだ。
その大光量を至近距離で浴びた
「シャアアアアアアッ!!」
アインは蛇のような雄叫びを轟かせると揺らめく影のように
そして長剣を一閃、
アインはそのまま返す刀で別の
初めて出会った時――堕天使と大剣で戦っていた時のアインは荒々しい獣のような戦い方をしていた。
しかし長剣を手にした今は対照的に流れる水ような剣捌きで確実に
ライセも負けてはいられないと、一気に距離を詰め銃の引き金を引く。放たれた魔力の散弾は
「よおし……わたしも……!
ノアも負けじと杖を振るい魔法を放つ。風の刃は
ライセたちは一呼吸の間で四体の
――あと三体。
そのうちの一体が破れかぶれで棍棒を振りかざしライセに飛びかかってくる。
視力は完全に戻っていないものの人間より優れた嗅覚と聴覚でライセのおおまかな位置は感じ取れるようで、仲間を殺された怒りで我を忘れたように雄叫びを上げながらライセに迫る。
「ニンゲン! コロス! コロス!」
「避けろライセッ!」
アインそう叫んだその瞬間、ライセの意識が鋭く研ぎ澄まされる。周囲の音が遠のき、時間がゆっくりと流れ始めたかのように感じた。
(大丈夫、落ち着いて……落ち着いて銃を構えて引き金を引くだけ……)
ライセはそう自分に言い聞かせ、微動だにせず
棍棒が弧を描き縦に振り下ろされんとした瞬間、ライセはダンッと床を踏み鳴らし一歩を踏み込んだ。
「今だっ!」
「――!?」
右手に構えた銃が
「はぁぁぁっ!!」
引き金にかかる指に力が込められ魔弾が放たれる。
至近距離で放たれた魔力の散弾は
脳髄と血飛沫を撒き散らしながら
残り二体の
群れると途端に攻撃的になり調子づくというまるで人間の悪い部分を体現するような
「グッ…ゥゥゥ……」
背を向けた瞬間、殺される。背を向けなくても殺される。逃げるか? どこに? 仲間は皆殺されたのに、この人間たちから逃げられるのか。
ならば簡単な方法が一つある。
「オマエ! コイツラノアシドメヲシロ!」
「ナッ――オマッ!?」
一体の
ぽんっとゴム毬のように舞い上がる
臓物を巻き散らしながら
「イマダ! イマダ! ニゲロ! ニゲロ! オマエノトウトイギセイヲオレハワスレナイ!」
脱兎のごとく。その逃げ足の速さは目を見張るものがあった。
ライセたちは追うもその距離は縮まらない。みすみす逃してしまうのか――とアインが思ったその時だった。
「ガッ!? オレノカラダウゴカネエッ!?」
暗闇の奥で
何かを恐れている声だ。
ライセたちは線路の上でぴくりとも動かない
そして――闇の中から触手のようなものが鞭のようにしなりながら
「ア……タスケ、ニンゲンオレサマヲタスケロ! タスケロオオオオオ! ギャッ!? オゴッゲッアガオオオバォッ!!」
先ほどまで仲間を仲間を皆殺しにした人間にまで助けを求めるほど生き意地の汚い
そして
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