幼馴染がかわいくてしょうがない
あざやか
第1話 プロローグ(気が長い人用説明回)
わたし、楠木葵には前世の記憶がある。といってもうっすらとしたもので元の名前や家族の名前など思い出せない記憶もある。しかし、確実に言えるのはわたしは男だったということだ。
そんなわたしは現在、幼馴染の女の子に私室のベッドで押し倒されている。なんでこうなったのか、ボーっとする頭で考えていた。
◇◇◇
前世の記憶を思い出したのは幼稚園に入る数か月前だった。なんの脈絡もなく突然前世の記憶が頭に入ってきて熱を出してしまい、数日の間意識があいまいであった。熱が冷めてようやく頭が回転しはじめたとき、自分が女の子であることに気づき、布団の中でわたしは歓喜した。
美少女になりたいと思ったことのある男は少なからずいるだろう、わたしももちろんそうだった。
歓喜していると、今のわたしよりも少し小さい女の子に「どーしたの?ぉねーちゃ。」と聞かれた。びっくりした。聞かれてた。恥ずかしい。というかこの子はわたしの妹なのか。
「ううん、なんでもないよ。」
取り繕ってわたしはそう答えた。すると、妹はわたしが起きたことをお母さんに知らせに行った。
「葵、体調はもう大丈夫?」
とお母さんと思われる人が言った。「自分はもう大丈夫だよ。」と返事すると、お母さんに「なんか変わった?」と言われた。何か前と違ったのかもしれない。「変わってないよ?」と誤魔化した。
◇◇◇
それからわたしはます一人称を自分からわたしに変えた。一人称が自分という人は少ないし、なによりかわいくない。はじめのうちは慣れなくて時々一人称が戻ってしまっていたが、今ではもうほとんどそんなことはない。
口調はもとから中性的なものだったため、変えなくていいと思ったためそのままにしようと思った。もちろん、小さいうちはこどもらしい口調にするけど。
わたしの現在の家族構成は父、母、わたし、一つ下の妹の蓮華(れんげ)の四人家族であった。父も母も美人でわたしと妹の容姿も期待できる。
家はそれなりに広い一軒家で、そこそこお金持ちなのだとわかった。
両親は共働きで、ベビーシッターの人や親戚の人がきてわたしたちの世話をしてくれていた。
前世では兄が二人で年下の家族はいなかったのでれんげとの接し方がよくわかっていなかったが、わたしやれんげのために用意されていたおもちゃで遊んだり、絵本を読んであげたりしていくうちに仲良くなったかな?と思う。
◇◇◇
幼稚園に年少で入り、周りの女児に適当に合わせて行動していた中、特に仲良くなった女の子がいた。「みゆ」という名前だった。他の女児よりも際立って明るい子だった。
精神的に年を取っているためわたしが周りよりも大人びていることは当たり前だが、そのせいで少し他の子たちから浮いていたが、それでもみゆちゃんはわたしにかまってきた。わたしも拒む理由もないため一緒に遊んだりしらないことを教えていたらいつのまにか懐かれていた。
みゆちゃんと仲良くなったその日にお母さんが迎えにくると、みゆちゃんと一緒に話しているのを見て、わたしにみゆちゃんが隣の家の娘であることを教えてくれた。
それからお母さんとみゆちゃんのお母さんのご近所付き合いも増えて、お母さん同士の仲も良好になった。その影響もあって度々みゆちゃんの家にれんげと一緒に行ったり、逆にみゆちゃんの家に遊びに行ったりするようになった。
そのなかでみゆちゃんには四つ上の兄がいることを知った。小学校からまだ帰ってきていなかったり、友達の家に遊びに行ったりしていないことのほうが多かったが、会ったときには年上らしく、お兄ちゃんらしくしようとしてくれていたのが微笑ましかった。
◇◇◇
小、中でも未夢とずっと一緒だった。その間、いろんな思い出をつくりながら時が過ぎていった。
中学一年生のときに進路の話になったときに
「私も葵と一緒の高校行きたい!」
と未夢は言い、わたしと同じ高校、星蘭高等学校(せいらんこうとうがっこう)に志望した。
未夢は勉強ができないわけではなく、平均より少し上くらいだった。わたしも未夢と一緒に高校に行きたかったので、一緒に勉強する時間を増やした。
わたしは前世の知識を持っていたため、そこそこ偏差値の高い星蘭高等学校の入試も余裕だった。しかし未夢にとっては少し不安になるものだった。未夢は模試でA判定を取れるようになってきていたが、最後の模試ではB判定だった。そのことが不安を煽っていた。わたしの前世では模試でA判定を取ったことがなく、さらには最後の模試の判定がC判定だった高校でも受かったので、未夢も多分大丈夫だろうと楽観的だった。
結果、二人とも合格だった。
無事わたしたち二人は星蘭学園へ入学する。
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ここまで読んでくれてありがとう。
誤字脱字や文脈がおかしいところ、違和感があるところがあったらコメントで教えてくれるとうれしいです。
あとがきにはいろいろ裏設定とかなんかをてきとうに書くよ。
創作物で高校が舞台のときの高校の名前って〇〇高校よりも〇〇学園のほうがいいのかな。とりあえず学園にしたけど。
妹の蓮華ですが、漢字表記だとなんか堅い感じがするのでひらがな表記です。
主人公くんちゃんには前世の記憶はありますが、どんなことを経験したか、知り合いにどんな人がいたか、などの知識だけでそれに付随する感情などはほとんどありません。
なので死んでしまったことをショックに思ったり、家族、友人との別れを悲しむことはありません。主人公くんちゃんの性格や感性が終わってるわけではないです。
主人公くんちゃんの転生にはなにか神などの上位存在の関与などはありません。
この物語にそんなシリアス展開はないです。
原因が何かというと中途半端な魂の洗浄ですかね。偶然です。魂が輪廻の輪を経由する際に通常であれば魂に記録された記憶が本に写されて本棚に行って魂は洗浄されますが、主人公くんちゃんの魂は洗浄が短すぎて記憶が残ってしまいました。
魂は記憶媒体に過ぎないので主人公くんちゃんには前世の感情はほとんど失われているというわけですね。
感情が失われているというのに主人公くんちゃんが女の子になったことを喜んでいるのは、前世が男だったというのは記憶にあって、前世で経験ができなかったことが経験できるからでしょう。それか魂の記録にTS願望があったことやTSものばかり読んでいたなどがあったからでしょう。
次回はいつになるか未定です。書き溜めているわけじゃないので不定期なんだ。許してくれ。早くて2024/10/24の20:00にあがるかと。
追伸 やっぱり次の日の10/25の20:00にあげます。すまんね
2024/12/15星蘭学園が星蘭高等学校になりました。公立の高校で学園はないかなと思ったので。主人公くんちゃんの性格的には公立の高校行くと思います。
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