第2話-3
ふぅ。よく寝た。メディカルボックスで半日寝て、痛みはだいぶ収まった。肋骨3本にヒビが入っていた。折れてなくてよかった。1週間は安静と言われたが、こんなのすぐに治してやる。先生にも母さんにも剣の稽古と言うと信じてくれた。先生は呆れて、母さんは怒っていたが。稽古の相手はカイトだと思っているようだ。名前は出してないのだが疑われているようだ。悪いなカイト……。
家に帰り着くとカイトとランが待っていた。
「大丈夫か?」
「どうだった?」
オレの顔を見るなり同時にしゃべり出し、声が重なる。
「肋骨にヒビが入ってた。まぁ折れてなくてよかったよ。すぐ治るさ」
「明日は研修だよね。しばらく休むの?」
ランが不安そうな顔をしている。
「いや行くよ。ルート騎士団のロールは楽しみでたまらない」
「大丈夫なのか?昨日のこと、マスターソフィア様から騎士団に伝わってるんじゃないのか?そしたら色々と聞かれるだろう」
沈黙が流れる。昨日のことを口するとマザーに聞かれるようで気が気じゃない。
「昨日のこと、一旦忘れない?いつもと同じようにファルマーとカイトが剣で遊んでいたってことで」
「遊んでるわけじゃない!」
「遊びじゃないよ」
今度はオレとファルマーの声が重なる。思わず笑いがこぼれる。
「そうだな。遊んでたってことにしよう」
3人で顔を見合わせて、笑顔で頷いた。
「ファルマー、研修に行くのはいいけど無理はしないでね。ちゃんと怪我してるって言うんだよ」
「わかってるよ」
ランは母さんのようだな。いや母さんよりも口うるさいかもしれない。本当は明日の研修は剣術の試合なのだが、心配かけないよう伏せておくことにしよう。
「じゃあ、また明日。無理はしないでよ」
最後に念を押して帰って行った。明日が剣術の試合ってこと言わなくてよかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます