第02章 再生の刻

第71話 始まりの刻

■勇者の始め


ナビ:ハジメたちは現実世界に帰還する


・現世に帰還


夢の世界で収容所の奪還作戦に見事成功したハジメたち。


巫女の的確な指示の元、現世に帰還したハジメ一行。


次の冒険に備えて準備を始める。


ハジメ:うし!現世に戻ってきたな!


ハジメ:みんな、お疲れさん!


エリ:ただいま、現世!


エリ:何日ぶりだろう?


タマ:にゃ…ここが現世…


タマ:感慨深いものがあるにゃ…


チビ:久しぶりの現世じゃの~


チビ:みんな元気にしておるかの~


ハジメ:それじゃ、帰ってきてさっそくだが


ハジメ:巫女の指示通りに行動開始だ!


タマ:了解にゃ!


エリ:了解!ゆっくりしたいところだけど…


エリ:準備だけはしっかりしないとね!


チビ:わたちはエリと共に行動じゃの


チビ:何かあればテレパシーで呼ぶぞ!ハジメ


ハジメ:ああ、何かあればすぐに駆け付ける


ハジメ:エリをよろしく頼むぞ!チビ


チビ:にゃーぱっぱっ!任せておれ!


チビ:エリと一緒だと百人力じゃ!


エリ:私も強くなったから…


エリ:チビさんを守らないとね!


タマ:オラはエリにゃんを守るって約束したにゃ!


タマ:何かあったら飛んでいくにゃよ!


エリ:ありがとう!タマさん!


エリ:本当は私がタマさんを守りたいけども…


エリ:まずは…準備ね!


ハジメ:ああ、とにかく自由に動けるうちに…


ハジメ:目当てのものを回収しておこう!


チビ:それじゃ、行くとするかの…エリ!


エリ:またね!タマさん


タマ:またにゃ!!


ハジメ:よし!俺たちも行動するか…


ハジメ:まずは家に帰って報告しないとな!


ハジメたちはそれぞれの思惑を胸に帰路につく。


・勇者の帰宅


ハジメとタマは数日ぶりに現世の家に帰ってきた。


彼らのことを心配していた家族が、彼らを迎える。


ハジメ:ただいま!みんな


ハジメ:遅くなって悪い、ごめんよ!


タマ:ただいまにゃ!!


リエ:ああー!!お兄ちゃん帰ってきたよ!


リエ:タマも一緒だー!!


母親:あんた!何日も、どこほっつき歩いていたのよ!!


母親:連絡も無しに突然いなくなるからびっくりしたわよ!


父親:まぁまぁ…そう責めるな、母さん


父親:ハジメだっていい年なんだ


父親:たまには…旅をしたい時もあるだろう?


母親:そんな事、言ったって…


母親:せめて連絡ぐらいはしなさいよ!もう…


母親:学校に何度も連絡して…本当に心配したんだから…


ハジメ:だから謝ってるじゃないか…


ハジメ:本当にすまない、母さん


タマ:オラも謝るにゃ!ごめんにゃ!


リエ:パパはお兄ちゃんに甘いんだから…


リエ:ちゃんと怒らないとダメだよ、パパ!


父親:リエまで…まぁまぁいいじゃないか!


父親:ハジメも無事に帰ってきたんだ


父親:結果オーライ!よしとしようじゃないか!


母親:もう…あなたってば…


リエ:そういえば…お兄ちゃんはどうでもいいけど


リエ:タマは大丈夫だったの?


リエ:タマも行方不明だったんだよ!


タマ:リエにゃ!大丈夫にゃ!


ハジメ:大丈夫だって言ってるぞ、リエ


リエ:なんでお兄ちゃんが言うのよ…


リエ:…あれ?タマなんか…


リエ:感じ変わってない?なんか猫らしくなったね!


父親:おお、本当だな!


父親:タマも旅で、立派になって帰ってきたな!


母親:言われてみれば本当よね…


母親:だいぶ猫らしくなったわね


タマ:みんにゃ…


タマ:やっと帰ってきたにゃよ!!


ハジメ:……


ハジメ:タマにも…いろいろあったんだ…


ハジメ:今は…そっとしといてやってくれ…


父親:……


母親:……


リエ:……?


リエ:なんか…お兄ちゃんも変わったね…


母親:そうよね…


父親:まぁ、みんな無事でよかった…


父親:ハジメ、次からはちゃんと声をかけてから行くんだぞ


ハジメ:ああ、わかった!約束する


タマ:オラも約束するにゃ!


ハジメとタマは無事に家に帰ってこれた。


・勇者の休息


ハジメ:さぁ、久しぶりのわが家だ!


ハジメ:改めて…おかえり、タマ!


タマ:ただいまにゃ!!


タマ:ありがとにゃよ…


ハジメ:もう…お前をひとりにはさせないからな!


ハジメ:これからはずっと一緒だぞ!タマ!


タマ:ハジメにゃ…


タマ:にゃあああああん!!


ハジメ:タマあああああ!!


ハジメは強く強くタマを抱きしめた。


ハジメ:そういえば、タマ…お前に聞きたいことがあるんだ


タマ:にゃんかな?ハジメ


ハジメ:さっきも不思議に思っていたが…


ハジメ:どうして俺は、お前の言葉が理解できるようになったんだ?


ハジメ:家族皆は、お前の言葉が理解できてないようだが…


タマ:それは、簡単なことにゃよ!


タマ:オラの言葉を理解しようとする者だけが…


タマ:オラの言葉が聞こえるにゃよ


タマ:オラの事をただの猫だと思っていると…


タマ:オラの声は届かないにゃよ


ハジメ:なるほどな…道理でタマの言葉が理解できたり、できなかったりしてたのか…


ハジメ:タマの言葉を理解しようとしないと聞こえないのか…


ハジメ:そう考えるとエリは凄いな!


ハジメ:あいつ、一発でお前の言葉を理解していたからな


タマ:そうにゃよ!


タマ:エリにゃんはちゃんと、オラの事を人として見てくれたにゃよ!


タマ:だから、オラがエリにゃんを守るにゃ!


ハジメ:そっか…俺もエリとチビを、ちゃんと守らないとな!


ハジメ:お前をきちんと守れるように…


ハジメ:俺はもっともっと強くならないとな!


つづく。

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