第48話 試練の終わり

■エリの能力


夢から醒めた夢、エリは能力に目覚める。


ハジメ:本当に心配したぜ、エリ


エリ:ほら!おでこ出して!


ハジメ:な…なんだよ、急に…


エリ:いいから早く!


ハジメ:お…おう…


エリ:えーっと、うーん…


エリがハジメの額に手を当てると柔らかい光がハジメを包む。


なんとハジメの体力が全回復した。


ハジメ:な…なんだこれは!?


ハジメ:身体が…軽い…?


ハジメ:す…凄いぞ、エリ!


エリ:やったあ!大成功!


エリ:これで皆を笑顔に出来るね!


エリ:ありがとう…わたし


ハジメ:ありがとう、エリ!凄い能力だ!


ハジメ:これで傷ついた仲間たちも救える!!


エリ:うん!私に任せて!


エリ:この治癒の能力で…


エリ:私が皆を笑顔にしてやるんだ!


エリ:早く皆を助けにいこう!


ハジメ:ああ!任せろ!


・出発の時


ハジメとエリは出発の時を迎える。


ハジメ:体力全快になったんだ


ハジメ:これなら休憩なしでも行けそうだ!


ハジメ:じゃ、行ってくる!待っててくれ、エリ


エリ:私もついていきますよ!ハジメさん!


ハジメ:えっ…でもお前はここで…


エリ:誰があなたの介抱するんですか!?


ハジメ:そ…それは…


エリ:ハジメさんはいいとして…


エリ:捕まっているタマさんや仲間たち…王女を…


エリ:私が真っ先に介抱したいんです!


エリ:病気やケガの者を見つけたら…


エリ:まずはその場で、私が介抱するんです!!


エリ:文句ありますか?ハジメさん!


ハジメ:…いや…ないです…


ハジメ:ああ…こりゃ…いうこと聞かねーな


ハジメ:エリに何かあったらおばさんとタマに会わす顔がねえ…


ハジメ:エリに最新の注意を払わないと…


エリ:んっ?なんか言った?


ハジメ:いや…なんでもねえ、いくぞ!


エリ:はい!ハジメさん!


ハジメは次元の扉を開けエリと共に次元の渦へ飛び込んだ。


エリもまた自分を知り、試練を乗り越え己の道に気づいた。


ハジメとエリは収容所内部へと乗り込む。


■試練の終わり


ナビ:ハジメとエリは収容所内部へと潜入する


・次元の道


次元の渦に飲み込まれたハジメとエリはトンネルのような空間、次元の道を歩いていた。


エリ:ハジメさん聞きたいことが…


ハジメ:なんだ?エリ


エリ:どうしてタマさんは分身を消したの?


エリ:分身を消さない方が一緒に潜入できるのに…


ハジメ:タマは分身を使って


ハジメ:自分の意思を手っ取り早く相手に伝える手段を考えたんだ


ハジメ:それが自分の分身を相手と同化させる秘術


ハジメ:タマが100年前に知った秘術だ…


エリ:100年も前に!?


エリ:そんな昔から…タマさん…


ハジメ:ああ…タマは昔から図書館が好きだった…


ハジメ:不思議に思っていたが今なら道理に合う


ハジメ:タマの分身と同化したおかげで…


ハジメ:タマの記憶と知識が俺にとって地図となる


ハジメ:タマは自分が収容所内部にいたほうが…


ハジメ:内部の混乱を防げると…そう考えたんだ


エリ:タマさん…そこまで考えて…


ハジメ:ああ…全てはタマの計算通りなんだ


ハジメ:たいしたやつだよ…タマは


ハジメ:ずっとひとりで準備を進めていたんだ…


エリ:ずっと…ひとりで…


エリ:辛かったね…タマさん


ハジメ:タマの気持ちに答えるためにも…


ハジメ:この任務は絶対に失敗できない!


エリ:うん!絶対に皆を解放するんだ!


ハジメ:そろそろ出口か…慎重に行くぞ、エリ!


■違和感


時空間の出口に近づき、渦から放り出されたハジメとエリ。


収容所に到着すると、ハジメは静寂と神聖な雰囲気に包まれる。


ハジメ:なっ…なんだここは…


ハジメ:タマの記憶にはない場所だ…


ハジメ:俺は確かに、タマのイメージ通りの場所へと扉を開いた…


ハジメ:ここは収容所の内部になるはずだ!


エリ:ここが…収容所?


エリ:なんか思っていたイメージと違うような…


ハジメ:何かがおかしい…どうなっているんだ?


ハジメ:タマの記憶が間違うわけはない…


ハジメ:俺の次元の扉が不十分だからか??


ハジメ:いや違う…予知で確認の上、開いた扉だ!


ハジメ:ここは絶対に収容所の内部だ


ハジメ:タマの記憶にもない…予知にもない…


ハジメ:ど…どうなってやがる…


エリ:は…ハジメさん…


エリ:何か嫌な予感がします…


エリ:一度、野営地に戻りましょう


ハジメ:俺の予知が外れることがあるのか…


ハジメ:…まさか…


その時だった。


周りの空間がピリピリと緊張感に包まれ、何かを感じ取るふたり。


エリ:しーっ、ハジメさん…


ハジメ:何だ…?


・出会い


周りの空間が緊張感に包まれ、何かを感じ取るハジメとエリ。


その緊張感の大元が判明する。


ハジメは懐かしい人物と出会う。


張り詰めた空気の流れは止み、空間の緊張が終わる。


突如、ふたりの前にひとつの人影が現れた。


ハジメ:誰だ!!


賢者:よくぞここまで来てくれた


賢者:ようこそ、救世主よ


賢者:あなたを待っていました


ハジメ:あ…あんたはデルニ!


ハジメ:久しぶりじゃないか!


エリ:は…ハジメさんお知り合いですか?


ハジメ:ああ、夢の中でよく助言をくれた人だ


賢者:……


ハジメ:ちょうどよかったデルニ!


ハジメ:聞きたいことがあるんだ!


賢者:私はこの収容所の賢者であります


ハジメ:収容所の賢者??


エリ:…賢者?


ハジメ:やはり、ここは収容所だったか


ハジメ:デルニはどこでも現れて神出鬼没だからな


賢者:……?


賢者:さっきから、何を言っておるのだ?


ブラン:私はブラン。この収容所の守護者である


ハジメ:ブラン?デルニじゃないのか?


ブラン:デルニとは何者ぞ?


ブラン:まぁ…よい。ついてまいれ…


ハジメ:デルニじゃない?


ハジメ:双子の姉妹か?


エリ:…収容所の守護者?


エリ:ハジメさん!収容所の守護者って…


エリ:私たちの敵になるんじゃ…


ハジメ:……


ハジメ:わからない…ただ賢者というからには…


ハジメ:今は様子をみるしかない


ブラン:私どもは、ここに救世主が来るのをずっと待っておりました


ブラン:どうか…この収容所を解放してください…


ハジメ:解放…味方か?


エリ:……


ブランと名乗る賢者の後をついていくハジメとエリ。


はたして賢者は敵か?味方なのか?


つづく。

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