第46話 試練の始まり

■試練の始め


タマたちを解放するため収容所への潜入作戦を決行するハジメとエリ。


そこでまた魂の試練に直面する。自分への過ちを償うための試練が課せられる。


ナビ:収容所付近へと移動したハジメとエリの二人


・試練の予兆


自己発見の旅を経て、新たな視点を持ったハジメ。


ハジメとエリの二人は次元の扉を通じてある場所に到着した。


【歴戦の野営地】


歴史あるこの場所で話すハジメとエリのふたり。


ハジメ:ここか…なるほど…


ハジメ:監視の目はここまでこない


エリ:…ここは?


ハジメ:タマの記憶によると…


ハジメ:昔、反乱軍が使っていた野営地らしい


ハジメ:今はもう誰も立ち入ることができない


ハジメ:立ち入り禁止区域になっている


エリ:反乱軍?


ハジメ:ああ、そうだ…


ハジメ:昔…俺たちのように収容所にいる労働者たちを解放する組織があったんだ


ハジメ:その組織のキャンプ地がこの場所だったんだろう


エリ:解放…組織?


エリ:皆さんが同じ考えを…


ハジメ:ここでは反乱軍と呼ばれている組織だ


ハジメ:政府による圧政と支配に反対する組織だったらしい


ハジメ:反乱軍も政府による圧力で…


ハジメ:今はもう解体され見る影もないようだが…


エリ:そんな…


・ハジメの作戦


ハジメはエリに作戦を説明する。


ハジメ:歴史は繰り返される…反乱軍と政府の対立が…


ハジメ:ここを起点に、何度も繰り返されていた…


エリ:何度も!?


ハジメ:ああ…そうだ…


ハジメ:何度も繰り返されてきたことを…


ハジメ:今回は俺たち二人だけで…


ハジメ:この困難な任務を遂行する…


エリ:は…はい…


ハジメ:だから俺の予知を駆使しながら、慎重に物事を進めていく


ハジメ:悪いが…エリにはここで待機してもらう


エリ:は…はい…


ハジメ:まずは、俺が単独で潜入して状況を把握してくる


ハジメ:仲間を確保するためにも、まずはタマに接触したい


エリ:タマさん…


エリ:私もチカラになりたい…


ハジメ:タマと接触したら、内部協力者と共に


ハジメ:慎重に任務を遂行していく


ハジメ:エリ、お前はここで連れてきた仲間たちの介抱と情報整理にあたってほしい


エリ:はい!


エリ:私が介抱…


・水晶の天球


ハジメはエリに自分が持っていた水晶の天球を譲り渡す。


ハジメ:あと、これを受け取ってほしい


エリ:これは…水晶?


ハジメ:ああ…これは天球というものだ


ハジメ:この天球については、俺も詳しいことは知らないが…


ハジメ:タマの知識だと…所有者の想いを具現化する物体らしいんだ


ハジメ:わかりやすく言うと、願いを叶えるか…


エリ:願いを…叶える!?


ハジメ:ああ…全ての願いを叶えるわけではないが…


ハジメ:持っておくとお守りにはなる


ハジメ:それは、お前が持っていてくれ、エリ


エリ:私に…でも…


エリ:これはハジメさんが持っておいたほうが…


ハジメ:いや、いいんだ


ハジメ:俺にはタマから引き継いだこの天球がある


ハジメ:お前にも持っておいてほしいんだ


ハジメ:俺たちはかけがえのない仲間だろ?


エリ:俺たちは…仲間…


エリ:はっ…はい!


ハジメ:ふたりで一緒に困難に立ち向かおうとしているんだ


ハジメ:黙って持っていてくれ、エリ!


エリ:はい!


エリ:綺麗…宝石みたい…


■試練


ナビ:魂の試練を乗り越え自我に目覚める


・ハジメの思惑01


ハジメは自分の考えをエリに打ち明ける。


ハジメ:さて本題だ…


ハジメ:エリ、聞いてくれ!


エリ:はっ、はい!!


ハジメ:タマの記憶によると…


ハジメ:労働者たちは交代制で強制労働を虐げられ…


ハジメ:1日3回、8時間おきに強制的に交代させられている


ハジメ:病気やケガの者は、収容所のまた別の施設へと送られる仕組みだ


エリ:なっ…なんてことを…


エリ:人を使い捨ての道具のように…


ハジメ:生かさず…殺さずといったところか…


エリ:そんなこと…私は絶対に許しません!


エリ:早く皆さんを解放しないと!


ハジメ:ああ…その通りだ、エリ


ハジメ:ただ問題は山積みなんだ…


ハジメ:一度の作戦で、労働者全員を解放することは難しい…


ハジメ:ここで中継地点を作り、仲間を増やしながら、労働者全員を解放していく


ハジメ:タマや以前の仲間たち、捕まった反乱軍たちの協力が必要だ


ハジメ:何よりも内部協力者がたくさん必要だ…


ハジメ:もちろん、王女のチカラも…


・ハジメの思惑02


ハジメはエリに自分の考えを伝える。


エリ:私達が新たな反乱軍みたい…


ハジメ:そうかもな…エリ…


ハジメ:なんて呼ばれようが構わない!


ハジメ:俺たちがこの理不尽な体制に終止符をつけないと…


エリ:協力者はたくさん必要ですね


ハジメ:ああ…それとエリ…


ハジメ:労働者の中には病気やケガをした者も多い


ハジメ:ひとりじゃ動けない者たちも多いから…


ハジメ:やはり、協力者は多ければ多いほどいい


ハジメ:彼らの協力を得ながら地道に労働者たちを解放していく


ハジメ:監視もあれば邪魔も入るだろう…


ハジメ:そこは俺の未来予知でカバーするつもりだ


つづく。

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