第44話 魂の本質

■もうひとりの自分?


自分の夢の中で気を失ってしまったハジメ。


どこか遠く、異次元で目覚めるハジメ。

ハジメが異次元で見た光景とは一体…。


ハジメ:タマ、エリ…


ハジメ:みんな!どこだ…


ハジメ:…はっ!?


ハジメ:どうなってやがる…


ハジメ:俺は夢の中で気を失ったのか…


青年:よう…俺…


ハジメ:誰だ!お前は?


青年:まぁ…そうカリカリすんな…


青年:カルシウムが足りてないんじゃねーか?


青年:さっき名乗っただろ?俺だ、俺…


ハジメ:まさか、お前も…


ハジメ:…俺…なのか!?


青年:まぁ、そういうことだ…


青年:仲良くしようぜ!俺よ…


ハジメ:なんだ…こいつ?


ハジメ:そういえば…お前…


ハジメが夢の中で気を失った先で、再び自分自身と出会うが、その人物はまたもや「俺」と名乗る。


■自己


ナビ:ハジメはとある場所でもうひとりの自分と対話する


・内なる世界の探求


異次元で、ハジメは自分の内なる世界へと入り込む。


そこにはもうひとりの自分、俺と名乗る青年が佇んでいた。


ハジメ:そういえばお前は…


ハジメ:俺に声をかけた奴に似ているな…


ハジメ:まさか…お前か?


青年:Who are you?


青年:お前は誰だ…


ハジメ:やはり、お前だったか!


ハジメ:お前のおかげでこの通り…


ハジメ:俺は自分を知ることができた…


ハジメ:感謝してるぜ!俺よ


青年:自分を知るか…


青年:なら…これはどうだ?


青年の指先から高速の光線が解き放たれる。


彼の放った光線はハジメの右手を貫いた。


ハジメ:ぐああ!痛ってええ!


ハジメ:いきなり、何すんだおめええ!?


ハジメ:痛ってえじぇねぇか!!


青年:そうか…痛いか?


青年:なら…なぜ避けなかった?


青年:あんな…とろくさい攻撃を


ハジメ:はああ?いきなりだったろ?


ハジメ:あんなもん避けれるわけねーだろ


青年:お前はさっき自分を知ったとか言ってたな…


青年:こんな眠くなるような攻撃も避けれないで


青年:よく自分を知ったとか…言えるな?


青年:俺ならショックで寝込んでしまいそうだわ


ハジメ:なっ…お前!俺に喧嘩売ってんのか!?


青年:別に喧嘩の売り買いは専門ではない…が


青年:余りにもお前が酷くてな…


ハジメ:てっ、てめええ!許さんぞ!


ハジメ:くらいやがれっ!!


ハジメは左手を構え、青年にテレキネシスを使った。


彼の身体は宙に浮き徐々に高くなっていく。


青年:ほぉ…


青年:「念力」は使えるのか…


青年:……


青年:羨ましいな…お前…


ハジメ:へっ、口ほどでもねえ!


ハジメ:この高さから落ちたら、さぞかし痛いだろうな!


ハジメ:謝ったら降ろしてやるよ!


ハジメ:さぁ、どうする?俺よ!


青年:…どうもせんが


青年:……


青年:せっかくだ!


青年:このまま俺を地面に叩きつけろ!


ハジメ:……?


ハジメ:はっ?何いってんだ、おめえ…


ハジメ:この高さでは…死ぬぞ!?


青年の高さは、すでに30mを越えていた。


青年:いいから、叩きつけろよ!


青年:一応、これでもケンカなんだろ?


ハジメ:…てってめぇ…


ハジメ:人を馬鹿にしやがって…


ハジメ:…どうなっても知らんぞ!


青年:戯言はいいから早く叩き下ろせ


青年:お前は、しゃべらんと攻撃できんのか?


青年:この雑魚が…


ハジメ:てっ…てめぇ!


ハジメ:あの世で後悔しやがれ!!


ハジメはテレキネシスで高さ30mから青年を地面へと叩きつけた。


轟音と共に衝撃波が広がる。


叩きつけた地点に粉塵が立ち大きな穴が開く。


・魂の本質との対話


内なる世界で、ハジメは自分の魂の本質と対話を始める。


その存在は静かに、しかし力強く語りかけてくる。


ハジメ:ハァハァ…ハァ…


ハジメ:へっ…訳の分からん野郎だったぜ…


ハジメ:あんな奴は俺じゃねぇ!


ハジメ:あの世で勝手にほざいていろ…


ハジメ:……


ハジメ:さて…ここで時間を使ってる場合じゃねぇ


ハジメ:タマたちのもとに帰らないと…


ハジメ:これは…どうやって帰るんだ?


ハジメは異次元から脱出するため、出口を探そうとしていた。


その時だった…。


青年:どこに帰るんだ?


青年:なぁ…お前…


ハジメ:な…


青年:戦闘経験はあるのか?


ハジメ:な…なんで…


青年:こんなに弱くてどこにいくんだ?


青年:お前が通用する世界なんて、どこにもないぞ?


青年:今のお前じゃ、誰もまもれない…


ハジメ:そ…そんな…


青年:お前は弱すぎる…


青年:お前じゃ…世界は変えられない


ハジメ:お…お前は…


ハジメ:な…何者なんだ…


青年:何者かって?


青年:……


一瞬の刹那、青年の攻撃は光速となってハジメの腹部を貫いた。


ひざまずき、倒れ込むハジメ、彼はそのまま気を失ってしまった。


ハジメ:あ…あがっ…


ハジメ:くっ…そ…


ハジメ:俺は…ハジメ


ハジメ:俺の名は…ハジメ・ウォーカーだ


ハジメ・ウォーカーと名乗る人物に一瞬で敗北した田中ハジメ。


「お前は何者なのか?」という問いに対し、ハジメ・ウォーカーと名乗る謎の青年。


彼は本当にハジメなのか?


つづく。

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