第03話 幸せな日常

■日常


ナビ:穏やかな日常と猫


・昼下がり


暖かな日差しに恵まれ、穏やかな昼下がり。


バス停のベンチで三毛猫があくびをしている。


三毛猫:……


三毛猫:ふにゃ~~にゃ、にゃっ。


三毛猫は眠たいのか。


そのうちウトウトし始め、静かに目を閉じた。


ベンチの上で丸くなって眠っている猫。


その眠っている表情はどこか嬉しそうである。


うららかな太陽光に包まれる三毛猫。


何気ない日常がゆっくりと時間を刻む。


・幸せな日常


先程の三毛猫の顔から徐々にフェードアウトしていく。


場面が変わり、空から街並みを望む。


天気も良く、柔らかな日差しが注ぐ公園。


そこでは親子が楽しそうにお弁当を広げていた。


小さな男の子と女の子の兄妹が、嬉しそうに野良猫を撫でていた。


野良猫:にゃー!


野良猫:…にゃ!!


野良猫はハチワレ猫で、とても嬉しそうだ。


特別な時間ではない…幸せな日常が流れていく。


■日常の終わり


ナビ:タマとの時間を過ごすハジメ


・放課後


部活が終わり、ハジメは街のペットショップに向かう。


店内にはさまざまなペット用品が並んでいる。


ハジメ:この新作のおやつと…


ハジメ:タマの大好物カリカリ梅を買っていこう!


ハジメ:タマが喜んでくれたら…いいな


ハジメは新作のおやつとカリカリ梅を選び2,000ccを支払った。


ccとは(Cat Coin=キャットコイン)の略称である。(1cc=1円)


ほわぶらの世界では、

全てキャットコインで支払われる。


ハジメ:すいません…


ハジメ:これ、お願いします!


店員:お会計は2,000ccになりますね!


店員:ありがとうございました~


購入したおやつを持って家に帰ると、タマがドアの前で待っていた。


ハジメ:ただいま!タマ!


ハジメ:今日はおみやげがあるぞ~


ハジメ:新作のおやつと…カリカリ梅だぞ!


ハジメは笑顔でタマを撫でる。


タマ:……!!


タマ:みゃうみゃ!


リエ:よかったね、タマ!


リエ:あたしも新作のおやつ買ってきたよ!


リエ:あとで一緒に食べようね!


ハジメの妹リエも嬉しそうにタマを撫でた。


和やかな雰囲気の中で日常は静かに過ぎていった。


・夜の静寂


夜になり、ハジメは部屋で勉強を終わらせる。


そしてベッドに横になった。


タマも一緒にベッドに上がり、ハジメの隣で丸くなる。


ハジメ:はぁ~今日も一日が平和に終わったな~


タマ:みゃう!


ハジメ:最近、タマが元気なかったから…


ハジメ:心配してたんだぞ!


タマ:みゃう~


ハジメ:またカリカリ梅、買ってくるからな!


ハジメ:楽しみにしてるんだぞ、タマ!


タマ:みゃうみゃ!!


ハジメ:さて、明日に備えて早めに寝るか…


ハジメ:おやすみ!タマ、いい夢を…


タマ:みゃう~みゃ…


タマ:スピー…zzz


ハジメ:…?


ハジメ:もう寝ちゃったのか?


ハジメ:相当疲れてるな…タマ


ハジメ:何かあったのだろうか?


ハジメ:よし!明日もカリカリ梅買ってくるか!


ハジメ:さて…僕も寝よう…おやすみ…


ハジメはそっと目を瞑った。


数時間後、タマは寝言を言っているハジメの顔を見つめていた。


ハジメ:グカァ~zzz…


ハジメ:…で…デルニ…?…


タマ:……


タマ:みゃぁ…


平凡な学生生活を送るハジメの一日は終わった。


しかし、この日常の裏には、まだ彼が気づいていない大きな運命が待ち受けている。


彼は後に「ある事をした」ことで皆の記憶に刻まれることになる。


敗者の物語が始まる。


つづく。


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