ほわぶら

TomoCAT

第01章 永遠の巡り

第01話 初めの記憶

■はじめ


全てのつながりは、ここから始まる。


ナビ:ほわぶら


ナビ:これは人間が紡ぐ感動の物語


初めの奇跡


宇宙から青い球体が見える。


とても広大な空間に存在する青い星である。


レナ:仕事も…争いも…喧噪もない…


レナ:それこそが星としての真実の姿…


この青い星は、微惑星たちの幾度もの衝突と合体で生まれた。


生物も幾度となく絶滅と進化を繰り返し、現在に至る。


全ては奇跡の連続であり、存在することそのものが「賜物」《たまもの》


それこそが奇跡の星である。


レナ:さて…この青い星の…


レナ:…奇跡を見てみましょうか…


上空から星へと徐々にズームアップしていき、とある島国に場面は移る。


さらにズームアップしていき、島国のどこか、砂丘の頂きに辿り着く。


■初めの軌跡


そこには青年が一人、砂丘の馬の背(うまのせ)に立っていた。


黄昏の中、夕暮れの海をひとり眺めている。


黄金色(こがねいろ)の光は、彼の道しるべとなる。


青年:ハァ…


青年:何度見ても綺麗だな…


彼は数年前から、この場所に何度も来ている。


何かある度に、ここで思い悩やんでいた。


彼が思い悩む理由は定かではない。


恋多き年頃、想い人への悩みかもしれない。


黄金色の光が、彼を優しく包む。


海面にキラキラと漂う水光が、彼の心のようだ。


青年:……


青年:・・・・・・・ ・・・


暫くして彼は何かをつぶやき、そっと目を閉じた。


夕日も沈み夕闇が迫る。


これが彼の軌跡となった。


青年が目を閉じた後、青年を起点に世界は徐々にフェードアウトしていく。


そして遥か彼方の宇宙空間へと場面は移る。


■初めの記憶


この普段と変わらない日常こそが、奇跡の証なのであろう。


今日という日常は、誰かが望んだ夢だったのかもしれない。


今という現実は、消えた世界が夢見た、記憶の一部なのかもしれない。


生物は絶滅と進化を繰り返した。


生存競争に負けた者たちの夢。


奇跡の連続が現在である。


奇跡に敗れた者たち、敗者の記憶の物語。


それが…


■ほわぶら


レナ:ほわぶら

ナビ:ほわぶら


奇跡の星は、静かに時を進める。


つづく。

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