第4話 少しずつ近づく距離

次の日、美咲は昨日の出来事を思い返しながら、学校の授業に集中できずにいた。修平のあの冷静な態度、でも一瞬だけ見せた微かな微笑み。それが頭から離れない。


「次はどうやって彼に近づこう?」


そんなことばかり考えていた。放課後、彼女は再びカフェ「フォレスト」へ向かうことにした。次のステップを踏み出すために、何か行動しなければならないと感じていた。


カフェのドアを開けると、今日も修平は窓際の席にいた。彼はいつものように哲学書に目を通している。美咲は、彼に向かって笑顔を浮かべて歩み寄った。昨日とは違う、少し積極的な気持ちで。


「ねえ、また会ったね。今日は一緒に本を読まない?」


彼は少しだけ驚いたように眉を上げたが、すぐに静かな表情に戻った。


「一緒に…?」


修平の戸惑いが言葉に滲む。でも、美咲はここで引き下がらなかった。彼の心にもっと近づくためには、時間を共有することが大切だと思ったからだ。


「うん。私、昨日教えてもらった『星の王子さま』を少し読んでみたんだ。でも、一人じゃわからないところもあって…だから、修平くんと一緒に読んでみたいなって」


彼女の目は真剣で、修平もそれを感じ取ったのか、しばらく無言で美咲を見つめていた。彼の目に映るのは、自分に真正面から向き合ってくる美咲の姿。彼は一瞬だけ視線を下げ、ため息のような笑みを浮かべた。


「君は、本当に不思議な人だね。普通なら、僕に話しかけてくる人なんていないのに」


「私、普通じゃないのかな?」


美咲は冗談めかして言うと、修平の口元がほんの少しだけ緩んだ。


「いや、君は…特別かもしれない」


その言葉に美咲の心臓が跳ねた。彼の口から「特別」という言葉が出るなんて、予想もしていなかった。修平は何かを考え込むように一度目を閉じ、そしてゆっくりと頷いた。


「わかった。一緒に読もう」


美咲の顔がぱっと明るくなった。修平が承諾してくれるなんて思っていなかったからだ。彼女は自分のカバンから『星の王子さま』を取り出し、修平の席の隣に座った。


二人は少しの沈黙の後、本を開き始める。修平は美咲に、難しい部分を解説しながら、一つひとつ言葉の意味をかみしめるように読んでいく。その時間はとてもゆっくりと、だけど確実に二人の心を近づけていった。美咲は、修平がただ無口なだけではなく、物事を深く考え、感じる心を持っていることに気づいていく。


「彼は…こんなに優しいんだ…」美咲は少しずつ、修平の奥に隠されていた優しさに触れていく。そして、この時間がいつまでも続けばいいのにと思い始めていた。


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「修平の心の奥には、まだ何か隠されている…。このまま距離を縮めていけば、それを知ることができるのか?」

美咲の中で、彼に対する想いが少しずつ膨らんでいく。


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選択肢:

1. 「修平の過去について聞いてみる」

本を読む中で、彼の心にある何かに触れたいと思う美咲。彼がなぜ哲学書にこだわるのか、その過去に踏み込んでみることにする。


2. 「このまま静かな時間を楽しむ」

無理に彼の過去を聞くのではなく、今のこの静かな時間を大切にする。彼が自分から話してくれるのを待つことにする。


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読者様向けメッセージ:


美咲と修平は、カフェで初めて一緒に本を読む時間を過ごしました。彼の心に触れようとする美咲の次の一歩はどうなるのでしょうか?彼の過去に踏み込むべきか、それとも彼と今の静かな時間を楽しむべきか…。あなたの選択で二人の物語が動き出します!


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本日20時までに、あなたの選択を応援コメントで教えてください!

美咲は修平の心にさらに近づくべきでしょうか? あなたの意見を聞かせてください!次のシーンは明日12時に投稿されます。

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