第3話 追跡と影

梨本孔は即座に決断した。「配送先に急行する!」その言葉を残し、彼は最速でセンターを飛び出した。センターの外では、配送車が忙しなく出入りを続けている。梨本は自らハンドルを握り、問題の配送先へと急行した。


車のエンジンが咆哮し、スピードが増していく。彼の視線は前方の道路に集中しているが、頭の中では様々な思考が錯綜していた。5年前の山崎佑の事件。その事件が引き起こしたセンターの暗部が再び動き出したのか――。


「間に合ってくれ…」


梨本はハンドルを握る手に力を込めた。配送先は、5年前の事件現場に近い、今では使われていない倉庫だった。道路を抜け、寂れた工業地帯へと車を走らせる。心臓の鼓動が次第に速くなるのを感じながら、彼は何度もミラーを確認した。追跡されている気配はないが、異様な緊張感が車内を包んでいた。


やがて、目的地が視界に入る。古びた倉庫が姿を現し、その周囲にはひと気がない。配送車が止まる音が耳に届くと同時に、梨本は車を急停止させた。彼は車から飛び出し、配送車に駆け寄った。


「おい、大丈夫か!」


配送員は驚いた表情で梨本を見つめる。「センター長…何があったんですか?」


梨本は息を整え、配送員に説明する。「その荷物には異常があった。中身を確認するまでここを離れるな。」


荷物は、すでに倉庫の扉の前に置かれていた。梨本は慎重に近づき、視線を荷物に集中させる。周囲の静けさがかえって緊張感を高めていた。彼は周囲を見回し、何か異変がないかを確認する。


「これは…」


荷物のラベルには、見覚えのあるコードが記されていた。それは、山崎佑の事件に関わるコードだった。梨本の脳裏に、5年前のロッカーに残された「2.7m/s 70g 0」の文字が蘇る。このコードが意味するものとは――。


梨本は慎重に荷物を開ける。しかしその瞬間、倉庫の奥から何かが動いたような音がした。彼は素早く振り返り、倉庫の中を見つめる。暗闇の中で何かが蠢いている。


「誰かいるのか!」


彼の声が静寂の中に響き渡る。しかし、返事はない。彼は一瞬のためらいもなく、倉庫の中へと足を踏み入れた。懐中電灯の光が薄暗い倉庫内を照らす。古びた機械や段ボールが積み上げられ、埃が舞う中、何かが確かに動いた気配があった。


「ここに何があるんだ…」


奥へと進むにつれ、梨本の心臓の鼓動は高まっていく。何かがこの倉庫で待ち受けている――彼はその予感を強く感じていた。突然、足元に何かが転がってくる。


それは、5年前の事件の際に使われた爆弾の一部だった。梨本は息を呑む。これがただの偶然ではないことを悟った瞬間、背後でドアが閉まる音が響いた。


彼は振り返ると、そこには誰もいない。だが、ドアは確かに閉じていた。出口が塞がれ、暗闇の中で彼は孤立した。誰かがここにいる――その確信が彼を襲う。


「おい、誰だ!出てこい!」


彼の叫びは倉庫の中に虚しく反響する。次の瞬間、暗闇の中から足音が近づいてくる。それは一人ではない。複数の足音が彼を取り囲むように響き渡る。


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読者様向けメッセージ:


梨本孔は不審な配送先で、5年前の事件の痕跡と謎の人物たちに遭遇します。暗闇に潜む影、閉ざされた出口――この倉庫で彼は一体何を見つけるのか。次回の展開で、彼は真実に近づくのか、それとも新たな危機に陥るのか。物語は緊迫のクライマックスへと向かいます。


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選択肢:


1. 闇の中にいる者たちに立ち向かう

梨本は恐れずに暗闇の中の影に立ち向かう。彼は、この場で真実を掴むために、危険を承知で相手の正体を暴こうとする。しかし、それがさらなる危険を呼び寄せる可能性もある。


2. 倉庫から脱出を試みる

敵の数がわからない以上、ここで無闇に立ち向かうのは危険だと判断し、脱出を優先する。倉庫の構造を利用して出口を探し、再度の調査に備えようとする。しかし、この判断が謎の解明を遅らせることになるかもしれない。


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選択メッセージ依頼:

物語はさらなる緊張感を増していきます。梨本孔の次の行動が、彼自身と事件の行方を大きく左右します。あなたの選択が、彼を真実に導く鍵となるでしょう。選択メッセージの〆切は20時までです。

どうか彼を応援し、最善の決断を導いて下さい。

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